93話 亡き状態
『ご主人様!!危ないです!!』
固有スキル発動 何でも作れる奇跡の結晶
パキッ!パキパキッ!
雪女は佳観阿の前に立ち、右掌を思いっきり地面に付け、人が二人入れるぐらいの半球状のドームを作り、佳観阿を護った。
『大丈夫でしたか?ご主人様』
「あ、ああ・・・ありがとな、ゆっき〜」
『全然大丈夫で───』
へぇ〜、あの雪の女王が人を護ってんのか、意外だな
!!?
バッ!
雪女は後ろを見た。
其処には、佳観阿を抱き抱えていた。
え!?ちょっ・・・
しっ・・・
アフィヤードは右人差し指を佳観阿の唇に優しく置いた。
大丈夫・・・乱暴にはしないから、ね?
えっ・・・いやっ・・・そういう事じゃ・・・
・・・すぅ
雪の女王!!
!!?
「う、うるさっ!」
『我等氷了奄帝は、新しく、この世に魔王を作った!!』
!!?
『ま、魔王・・・?』
ああ!!
『お前とは別の魔王だ!!』
・・・それだけ?
ああ!それだけだ!!
『それじゃ・・・じゃあな!雪の女王!!』
そう言いながら、アフィヤードは佳観阿と一緒に何処かに消えた。
・・・
ご、御免・・・雪女さん
「私が・・・佳観阿ちゃんを・・・護れなかったからこんな事に・・・」
少し遠く、離れた所に居た和香が、口を開いた。
・・・絶対殺す
そう言いながら雪女は前に歩いた。
「ど、何処に行くんです?」
和香は、心配で聞いた。
・・・少し、遠方に行ってきます
『すぐ・・・帰ってきます、安心して下さい・・・』
ではっ
そう言いながら、雪女は何処かに向かった・・・
✡✡✡
そう言えばスペクラムさん
?どうした?
「何時まで経ってもダーリングラードさん達が起きないんですが・・・」
迅姫亜沙波はスペクラムにそう聞いた。
・・・さあ
『私には、何も分からない』
!?
「え・・・ホントですか?」
ええ
『だって・・・超能力者じゃないんだし、いつ起きるか、いつ死ぬか・・・分かるわけ無いじゃん、馬鹿?』
バシッ!
そう言いながら、リキューラ・スペクラムは亜沙波の頭を叩いた。
・・・スッ
亜沙波は何も言わず、無言のまま立ち上がった。
?
『何、私に歯向か───』
今からでも、スペクラムさんを犯しても構いませんよ?
亜沙波は、スペクラムとチューをしそうな位顔を近付け、小さな声で言った。
・・・え?犯・・・え?
スペクラムは混乱していた。
ふふっ
「その態度・・・可愛いんだから♡」
ペロッ
亜沙波は両目に♡を浮かべながら、舌舐めずりをした。
ゾゾゾッ!
(な、何だ・・・この寒気は!!)
スペクラムは恐怖により、鳥肌.寒気が止まらなかった。
・・・それより
スッ
「私・・・速く佳観阿さんの所に行きたいんですけど、どうしたらいいです?」
(き、切り替えスピード早いな・・・)
スペクラムは、亜沙波の切り替えスピードに驚いていた。
あ、ああ・・・
『あの男が現在、いる場所だな?』
ええ
・・・
『分からん』
・・・は?
「犯されたいんですか?」
・・・
『どうせ、口だけなんでしょ?やってみな───』
ガバッ!
え?
スペクラムは亜沙波に両肩を掴まれ、そのまま椅子から引きずり降ろされ、地面に押し倒された。
そして、そのまま亜沙波はスペクラムに馬乗(うまの」りをした。
はぁ・・・♡
「じゃあ・・・イキますよ♡?」
✡✡✡
はぁ・・・はぁ・・・
ダダッ!
(全く・・・あのアフィヤードはご主人様を何処に連れてったんだ?)
和香と離れてから約10分、雪女は針葉樹の中を走り、突き進んでいた。
ダダダッ───
ピタッ
・・・クンクン
『この匂い・・・血?』
雪女は何処からか漂ってきた血の匂いに気付き、その匂いがする方向(ほうこう』に走っていった───
✡✡✡
ダダダッ───
はぁ・・・はぁ・・・
・・・え?
『ご、ご主人様・・・?ご主人様ぁ!!』
雪女は、血塗れの状態で、四肢を切断され、眼球も抉り取られ、亡くなっている佳観阿を発見し、走って近付いた。




