9話
「・・・あれ?」
「?どうしたのご主人様、もしかして開かないの?」
「あ、ああ・・・ピクリともしねぇ」
佳観阿は国会議事堂の中央玄関の扉を開けて入ろうとしたが、扉が重すぎて入れなかった。
「・・・仕方ねぇか、もう諦めよう」
佳観阿は国会議事堂に入るのを諦めた。
(まあ小説の展開的には入らなくても別に大丈夫だしな)
そう思いながら佳観阿は国会議事堂を後にしようとした・・・
おい!!あんた!!何してくれてんだよ!!
「・・・?俺?」
佳観阿は後ろを振り向いた。するとそこには背面に「FRAME」と書かれた赤と黒のジャケットとズボンを着た男達が居た。
そうだよ!!てめぇしか居ねぇんだよ!!
そう言いながら佳観阿を囲み込んだ。
「え・・・ちょっ、俺早くここから出たいんですけど」
駄目に決まってるだろ!!俺達の家族を彼処に閉じ込めておきながら良くそんな事言えるな!!
「俺達の・・・家族?閉じ込めた?」
・・・!!あ~あ!そう言えば!
佳観阿は約2分前に、安倍晴明の力で閉じ込めた1人の男を思い出した。
ちっ、忘れてたのかよ
「いや~、あれはすいませんでした、9:1で向こうの方が悪いです、因みに9が向こうの方です」
軽々しい謝罪をした佳観阿、だが
てめぇ!!そんな軽々しく言うな!!マジでやっちまうぞ!
「ああ良いよ?別にやっちゃっても」
随分と余裕そうな口調で言うと
て、てんめぇ・・・お前等!!やっちまえ!!
うぉぉお!!
ダダダダダッ!
男達は佳観阿目掛けて全速力で走ってきた。
「はあ・・・やっぱりやるしかないか、ゆっき〜、一緒に倒すぞ」
「はぁ~い♡分かりました〜♡」
特別スキル発動 永遠と言う名の無限地獄
固有スキル発動 雪という名の凶器
永遠と言う名の無限地獄
自身を中心とする半径10mに魂を無くす結界を出す事が出来る。
この結界に入った者は一瞬で魂を奪われ、肉体だけがその場に残る。そして魂は真っ暗な空間に飛ばされ、半永久的に閉じ込められ、無限地獄に居るかの様な苦痛を味わう。
雪という名の凶器
音速を超えるぐらいの速度が出せる氷柱を約10本出し、自身が敵と認識した者のみに攻撃する事が可能。
氷柱は絶対に何でも貫ける物質&氷で作られている。
ピキッ、ピキピキッ、
行け、私の可愛い可愛い子供達」
ビュッ!ズシャッ!ズシャッ!
氷柱はそのまま真っ直ぐに進み、氷柱の進行方向に居た6人の男の胸元を貫き、殺した。
"夏暁" "憎き魂" "穀醤" "藍の表現"
ヴゥン
佳観阿を中心とした蒼き結界が現れ
精羅神紋・暁之理
・・・バタッ、バタッ
結界が発動した瞬間、周りにいる男達全員が急に倒れた。
ふぅ~、
「これでもう安心だな」
じゃあ、次は彼処に行こう
そう言いながら向かったのは、SRA本編でダーリングラードが国会議事堂を後回しにして訪れた
東京 お台場
ズシャッ!
ドサッ
これで全員か
ダーリングラードは一足先に東京 お台場に到着し、そこに居た敵を全員殺した。
ある者は心臓を取られ、ある者は四肢を切られ、ある者は生きたまま全身の肉を少しずつもぎ取られ、そう言った方法でダーリングラードは全員を殺した。
ポツッ、ポツポツッ・・・ザァー!
「ん?雨か?」
いきなり大雨が降ってきた・・・
・・・ズオッ!
!!?
「な、何だこの気配───」
ダーリングラードは後ろを振り向くと同時に脇腹を何かで抉られた。
ガハッ!
「な、何だ・・・これ・・・血?」
ダーリングラードは抉られた脇腹を見ながらその場に膝から倒れた。
「・・・?何だ・・・これ・・・水?」
ダーリングラードの顔の近くに
バチバチッ!
と音を立てている水があった。
そしてその水を見た後、ダーリングラードは意識を失った。
「お台場に着いたが・・・死体ばっかだな」
約20分後、佳観阿はお台場に着いた。そこにあったのはダーリングラードが殺した人間の亡骸が散乱していた。
「うわぁ~、ちゃんと殺したら片付けろよな」
そう言いながら死体の横を歩いていると
「・・・?彼処に倒れてる奴・・・まさかダーリングラード!?」
佳観阿は約5m前に血を出しながら倒れているダーリングラードがいた。
「お、おい!!ダーリングラード!!大丈夫か!?」
そう言いながら
ブンブンッ!
全力で身体を揺らした。すると
・・・ボソッ、・・・ボソボソッ、
「?何いってんだよダーリングラード!」
小声でボソボソと言っていて、全然聞こえなかった佳観阿はダーリングラードの口元に耳を近付けた。
ボソッ、
雨が降る時、それは現れる・・・