85話 偽りと真実の幻想的な愛
久遠鎮華がリキューラ・スペクラムを斬る6分前
桜島 火山内部
ボコボコッ!ドッ!!
(あっ・・・もう死んだかも───)
パキッ!パキパキッ!
久遠鎮華の目の前をに(まえ)広がる大量の溶岩が、空中で瞬時に凍った。
・・・はあ
『まだこの人間に用がある、邪魔するな』
スペクラ厶は、凍らせた溶岩に対して、威圧的に言(いめった。
は、はぁ・・・はぁ・・・
(あ、危なかった・・・危うく、死ぬとこだった・・・!!)
鎮華は、死ぬか生きるかの危機一髪な状況に腰を抜かし、地面にへたり込んだ。
・・・?
『何故座っている、舐めてるのか?』
あっ、いえ・・・
「か、身体が勝手に・・・」
鎮華は震えながら言った。
・・・ふむ
日和ってるのか
!?
「び、日和ってなどない!!ただ・・・疲れたから座っただけだ!!」
でも、身体が勝手に座ったとか言ってなかったか?
!!
そ、それは・・・
・・・
『嘘・・・つくんじゃないよ?また、嘘ついたら・・・』
貴方をじわじわと苦しませ、醜く、快楽の道に堕とす
あっ・・・快楽の道なんだ、それなら別に良いかも
そう思いながらも、鎮華はスペクラムを見た。
・・・
『やっぱり殺す』
!!?
「ちょっ・・・話しが急展開すぎますって!」
・・・五月蝿い
・・・そうだ!
バッ!
「俺・・・何でもやりますので、どうか!どうか助けてください!!」
鎮華は土下座をした。
・・・何でもか
じゃあ・・・
ゴクリッ
鎮華は息を呑んだ。
・・・
『やっぱり死んで?』
!!?
「え?何で───」
ズガァン!!
ごはっ!
鎮華は前を見ようとした。
すると、後方の頸部分に、強烈な打撃を食らい、鎮華は地面に突っ伏した。
・・・
ドン!ドン!ドゴンッ!
スペクラムはそのまま、脚を上げ、鎮華の頸に何発も、本気の攻撃を与えた。
鎮華の頸の骨が折れる程、殺しちゃっても良いと思う程、念入りに、力強く踏み付けた───
グシャッ!
?
・・・ああ
『もう・・・死んだのか?』
スペクラムは、脚裏に広がる、生暖かい感触を覚え、脚裏をみた。
そこには、鎮華の頸から溢れ出る、真っ赤な血で、染められていた。
・・・汚い
そう言いながら、スペクラムは鎮華の服で脚を掃除した。
✡✡✡
キュッ、キュッ、キュッ
よしっ
『・・・どうしようかな』
脚裏を掃除したスペクラム、次は鎮華の遺体をどうしようか、考えていた。
・・・
ザッ
!!?
バッ!
遅えよ、馬鹿人間が
スッ・・・ドドォン!!
スペクラムは背後から音が聞こえたので、振り向いた。
死んでいた筈の鎮華が立ち上がって、此方を向いていた。
対処をしようとした刹那、鎮華が一手先に動き、スペクラムの顔面に殴りを入れた。
ヒュッ、ズザザッ!
スペクラムは後ろに吹っ飛んだが、後ろに下がりながらも、体制を整えた。
・・・
『死んでは居なかったのか』
まあね!
「まあでも?・・・普通(ふつ〜)に死んじゃいそうなぐらい痛かったよ?やるじゃん!」
グー!
鎮華は右手を前に出し、グッドを作った。
ピキピキッ!
『・・・憤怒』
んあ?
「何言ってん───」
星位スキル発動 何でも凍る優雅な結晶
パキパキッ!
スペクラムは怒り、左掌からダガーナイフを作り出した。
・・・ははっ!
「ようやく本気を出したか!!流石次世代の雪の女王!!」
なら・・・俺も本気を出すとしますか!!
特殊スキル発動 偽りと真実の幻想的な愛




