82話 床ドン
・・・?それでけですか?
『うん・・・ホントにこれだけだよ』
・・・
今、この場に数秒の静寂が訪れた。
・・・
(私・・・何か変なこと言ったかしら、普通にやっただけなのに・・・)
雪女が作る氷は、至って普通の味だが、氷を食べると、身体の不調が全部良くなる。
だが、その効果と同時に、少量の氷を出す事が、出来るようになる。
「こういうのは・・・普通毒とかそう言うのが入っているだろう?」
『まあそうね・・・ファンタジーでよくある展開よね』
そうですそうです
「それで、恐る恐る食べたんですよ・・・でも!何もなかったんですよ・・・」
『何、毒でも入れて欲しかったの?』
いやっ!そうではなく・・・
・・・てか、アスマハンさん
『人見知り・・・なくなってるんじゃない?』
・・・!!
「た、確かに・・・!!何で!?」
アスマハンの人見知りは、いつの間にか治っていた。
・・・何で私の人見知りを知ってるんですか?特に何も言ってなかった筈では?
アスマハンは鋭い目つきで此方を見てきた。
ああ、それは・・・
『さっきアスマハンさんが言ってたんですけど、人と長時間?向かい合ったりしてると死ぬって』
そこまでは言ってません
『まあ、その発言で、アスマハンさんが人見知りだって確信をしました』
・・・成る程───
・・・ブルブルッ!
『ど、どうしたんですか?』
アスマハンは突如、身体が震えはじめた。
い、いや・・・
「いきなり全身に強烈な寒気が・・・」
・・・
スッ、ガバッ!
!!?
「い、いきなり何───」
雪女はいきなりアスマハンに抱き着いた・・・
ほら、これで暖かいでしょ?
『こういう時は助け合いよ、アスマハンさん)
ふ、雪の女王!!
アスマハンは心が暖かくなった───
サスッ
!!?
「な、何ですか!?いきなりお腹触って・・・」
雪女はアスマハンの綺麗なシックスパックで出来ているお腹を優しく、Hに触った。
・・・ずっと触りたかったの
?
「ど、どうしたんですか、雪の女王───」
『こんな綺麗な身体・・・独り占めにしたい♡』
バッ!ダンッ!
痛っ!
「ちょっ・・・辞めてくだ───」
ドンッ!
雪女はアスマハンを地面に押し倒し、床ドンをした。
こ、これ・・・
「どう言う状況ですか・・・?」
はぁ・・・♡はぁ・・・♡
「ふ、雪の女王!!息が・・・凄く顔にかかってます!どいてください!」
ふぅ・・・♡ふぅ・・・♡
!!?
(ま、マズい・・・私・・・犯われちゃう!)
アスマハンは、雪女の、捕食者の様な目を見て、そう感じた。
ふぅ・・・♡ふぅ・・・♡
『も、もう・・・無理!!』
ガバッ!
あっ!ちょっ!痛い痛い!!や、やめて〜♡
✡✡✡
!!?
「何処からか人の声・・・近いぞ!」
佳観阿は今、高千穂倉庫運輸センター近くにいた。
そして、何処からか絶頂の声が聞こえた。
・・・
(声がする方を感じ取れ・・・俺なら行ける!!・・・筈!!)
・・・あん♡!あん♡!
!!?
「・・・北方面か?」
佳観阿は北東の方を向き、走った・・・
✡✡✡
チュッ、チュッ
・・・
「何やってんだ、ゆっき〜と・・・俺を吹っ飛ばした女性・・・」
佳観阿は北方面に約2分程走り続け、日光ユナイテッドガスターミナル近くに着いた。
直ぐ近くには、二人向き合い、寝っ転がり合い、抱き合い、チューをしている雪女のアスマハンが居た。
・・・
「邪魔・・・しない方が良さそうだな」
そう言いながら、佳観阿は脚首が水につきながらも、黙って観察を続けた。
※未だ、アスマハンの|固有聖唱のノアの方舟によって出現した木の舟はバラバラに崩れ落ちた後も、まだ雪女とアスマハンがいる所ら辺に落ちて、コンクリートの下から吹き出してきた水は、広範囲にまだ吹き出ている。




