76話 切り替え上手
パッパラパー♪
パラパッパー♪
うっ!!
「滅茶苦茶五月蝿い・・・!耳が壊れる!」
佳観阿達の周りにいる大きな天使達から奏でられる喇叭の音色は、甲高く、頭痛がする程ガンガンと頭に鳴り響く、吐き気を催す程気持ち悪い音をあげていた。
うわぁぁあ!
やめてぇえ!
きゃぁぁあ!
佳観阿の周りにいる、迅姫亜沙波、ダーリングラード達が苦しみにより、叫んでいた。
はぁ・・・はぁ・・・
くそっ!
(や、ヤバい・・・このまま此処に立ち止まっていたら・・・全員死ぬ!!)
一体どうしたら・・・
ポンポンッ
?
「ど、どうした・・・ゆっき〜───」
スッ・・・
・・・?
「これは・・・何だ?」
雪女は、大きさ約12mmのイヤフォンの様な物を2つ、右手を伸ばし、渡そうとしてきた。
「これ・・・イヤフォンか?」
『いえ、これは耳栓です』
そ、そうか・・・あ、ありがとな・・・
スッ・・・スチャッ
冷たっ!
佳観阿は両方の耳に、耳栓を付けた・・・
・・・!!?
(す、凄え・・・何も聞こえない!!)
佳観阿は、雪女が作った氷の耳栓の凄さに感心をしていた・・・
トントンッ
『ご主人様』
!?
「お、おう・・・どうした?」
佳観阿は、雪女の声だけ鮮明に聞こえた事に、少し驚いた。
『今のうちに、ここから出ません?』
・・・いいけど
「その前にゆっき〜、ダーリングラード達にもこの耳栓を作る事は出来るか?」
佳観阿は、両肘を曲げ、両耳を、両人差し指で指しながら、言った。
・・・ああ
『そうでしたね、少しお待ち下さい』
固有スキル発動 何でも作れる奇跡の結晶
パキッ!パキパキッ!
雪女は右掌から8個もの耳栓を作り
はいどーぞ
あげる〜
これ良いよ〜
はい
そう言いながら、4人に渡した・・・
✡✡✡
!?
えっ・・・凄っ・・・流石作者くんの女性・・・
だろ?
「凄いけど・・・冷たいのが難所だね」
[確かに・・・]
ダーリングラード、亜沙波は雪女が作った物に、難癖をつけていた。
そこまで言うのなら、没収しますよ?
・・・すまんな、雪の女王
『分かれば良いんですよ』
・・・それで
「皆・・・ゆっき〜から何か、言いたい事があるってさ」
・・・!?
『わ、私が言うんですか?』
?
「頼むよゆっき〜、今度、何でもしてやるから」
じゃあ、今から何をするのか、説明します
(早いな・・・まあ切り替え上手なのは良い事だが・・・)
✡✡✡
!?
『こ、ここから抜け出す!?』
はい!
佳観阿達は、小さく集まり、立って、円になって話し合いをしていた。
『な、何で!?』
『周りに聳え立ってる天使達が見えないの!?』
リリットは周りにいる天使達を大声出しながら指差した。
・・・
『でも、あの天使達はずっと喇叭を吹いてるだけですよ?』
・・・?
『それは知ってるよ。でも、下手に行動したりして、何かあったらどうするの?』
それなら大丈夫です
『・・・何が?』
『あの天使達・・・』
絶対に攻撃をしてきません
え?
「お、おいゆっき〜、それ・・・どういう事だ?」
佳観阿は雪女に質問をした。
「だって・・・そこまで言い切れるぐらいの根拠があるんだよな・・・?」
はい、まず・・・
『私・・・あの天使達が出てきてから、ずっと監視んですよ。そしたら、どうだったと思います?』
さ、さあ・・・
佳観阿は首を傾げて言った。
『ずっと、同じ行動を取っていたんですよ・・・5回吹いた後、また最初から5回吹いて、そしてまた・・・ずっと、この行動の繰り返しでした』
!!?
「そ、そうだったのか・・・」
はい
『そして、私がそれを見て、考えては考え・・・とある結論にたどり着きました。それは・・・』
近付いても絶対に攻撃はされない・・・と!
・・・成る程
「じゃあ・・・確かめてこようか?」
?何をですか?
「いやっ、だから・・・天使達がホントに動かないのかどうか」
ああ・・・良いですよ?
わかった
「じゃあ、確認してくる」
私も付いていきま〜す
佳観阿は北北西の方角にいる天使の方に歩いていった。
雪女も後を追うように、走っていった・・・
✡✡✡
ふんふんふ〜ん♪
・・・!!
あの人達・・・ようやく何かに気付いたのか?
まあ、あの雪の女王がいるしな〜、簡単か〜
マチェード・アスマハン
星位スキル「天使の崩壊と創生の鎮魂歌」の所有者
マチェード・アスマハンの紹介
身長203cm.体重104kg 性別は女性
白髪のクラゲヘア
少し丸型の顔.童顔.赭色の目.鼻は少し高い
筋骨隆々の身体つきで、力は強く、人々からは恐れられているが、実際は臆病で人見知り




