74話 紫丁香花の花唄
久遠鎮華を出すの忘れてました・・・
次の話、その次の話ぐらいまで登場させようかなって、思ってます。
ブルブルブル
はぁ・・・
「ホントにヤバい・・・この調子だと絶対死ぬ・・・」
氷の牢獄に閉じ込められてから約3分、迅姫亜沙波は極限の集中時間に入っていた。
何故なら、気を抜いたりしたら一瞬で身体が凍りつくからだ。
はぁ・・・はぁ・・・
そ、そう言えば・・・
「こ、このスキル・・・何時まであるんだ?永遠にだったら・・・もう諦めるしかないのか?」
・・・
「そんなのは嫌だ!!せめて・・・せめて性行為だけさせて!!」
ガラッ、バラバラッ!
何言ってんの、亜沙波さん
五芒星の結界が崩れ、氷の牢獄は溶け落ち、外から呆れ顔の佳観阿が立っていた。
・・・ギラッ!
!?
「か、佳観阿さん・・・」
?どうしました?
「な、何か日を遮る物を・・・!!」
あっ・・・はい、分かりました
スッ、ぽいっ
佳観阿はボロボロの黒い傘を亜沙波に向けて投げた。
あ、有難う・・・!
ボロボロの傘を頭上に浮かせ、陽の光が当たらないようにした。
はぁ・・・はぁ・・・
「わ、私・・・陽が苦手なんだよ・・・」
なら、また天候操るスキル使って、曇にしたら?俺は別に、何でも良いぜ
・・・無理
・・・え?何でだ?
「あのスキルは・・・1週間の使用時間がある」
星位スキル 我逢・燦然解砕が使えるまで 残り 23h53m41s
「使用時間制のスキルか・・・それって面倒くさいよね」
分かる
・・・
スタスタ・・・スッ
佳観阿は突如、無言で亜沙波の隣に座った。
「な、何?」
・・・
「今から一緒に、異界に行きません?」
・・・?
「い、いきなり何故・・・?」
・・・
「亜沙波さんは日光が苦手なんですよね?」
ああ、大っきらいだ
「傘も壊れ、頭に被る物はもう何もない・・・」
まあ・・・そうだね
「それで、天候を操るスキルは今、使えない・・・」
・・・何が言いたい?
亜沙波は、ずっと青空を見つめている佳観阿に聞いた。
・・・
「亜沙波さんはもう疲れてると思いますし、今・・・力を本領発揮出来ない状態で殺しても、まだ・・・何か足りないんですよ」
「だから、俺は亜沙波さんと休戦協定をしに来たんです」
!!?
「き、休戦協定・・・?」
はい・・・
「い、一体何で・・・?」
まあ・・・
「殆どさっき言ったんですけど、一番の理由は・・・」
まだ・・・亜沙波さんは強くなれる、その時まで俺は待つ・・・そういう意味での休戦協定です
・・・成る程
「乗った」
あざす
・・・1つ言うけど
「私が強くなる迄、見捨てたり殺したりしないでくださいよ?死人になったとしても追いかけ回すから」
はいはい、分かった
スッ・・・ガシッ!
2人は熱く、固い握手を交わした。
・・・さて
「扉まで歩きますか」
佳観阿亜沙波と一緒には立ち上がり、雪女が居る所に向かった・・・
✡✡✡
え!?
ダダダッ!
雪女は何かを見て、佳観阿の方目掛けて走った。
✡✡✡
ダダダッ、キキィー!
はぁ、はぁ
『ご、ご主人様・・・』
?
「どしたゆっき〜」
ゆっき〜は息を切らし、両肘に両手を置き
はぁ、はぁ
『ど、どうして・・・どうしてその女性と恋人繋ぎいるんですか!!』
・・・?
「おいおい、どうしたんだよゆっき───」
!?
「な!何してんだよ!!」
バッ!
佳観阿は気付かなかった・・・
亜沙波が静かに佳観阿と恋人繋ぎをしていたのを・・・
✡✡✡
ふぅ〜
いやはや、死ぬ所だったよ〜
・・・
次世代の雪の女王・・・
「強かったな、危なかった」
対して苦戦していなかった한드라검、全身バラバラのリキューラ・スペクラムを見て、少し笑ったり悲しんだりした。
・・・さてと
「彼奴等の所に戻るか」
한드라검は佳観阿達の所に戻ろうとした・・・
あれ?한드라검さん?何してるんですか?
・・・お前は
「久遠・・・鎮華?」
はい、久遠鎮華です
目の前に、何時も通りの格好をしている久遠鎮華がいた。
「何の用だ?」
ふふっ・・・
スタスタ
久遠鎮華は한드라검の前まで歩いた。
「ハンさん・・・」
紫丁香花の花唄って・・・知ってます?




