71話 暗転百光
ダダッ!
スッ・・・バァン!!
バキッ!
!?
「お、おい!傘が壊れてしまったではないか!!弁償しろ!!」
佳観阿は瞬時に迅姫亜沙波の前に行き、身体を捻り、遠心力を利用し、右拳を亜沙波の左脇腹に食らわせようとした。だが、亜沙波は傘で自身の身体を守った。
・・・いくらだよ、その傘
不確かだが・・・
「約100万で買った」
!?
「そ、そんな高くないだろ!せいぜい1000〜2000円ぐらいだろ?」
・・・バレた
「ホントは100均で買った物」
・・・はぁ
「嘘付くのは辞めたほうがいいぞ、直ぐ人に嫌われるからな」
・・・いい
「私は・・・幼き頃からずっと一人で生き抜いていた。人は誰も信じれない、信じられるのは・・・」
私自身の屈強な心のみ
特殊スキル発動 暗転百光
・・・!?
(な、何だ!?突然真っ暗になったぞ!?)
佳観阿の視界は、突如として暗転した。
ご主人様!?何処に行ったんですか!?
!?
(この声は・・・ゆっき〜か!!)
「ゆっき〜!俺は此処にいる!!」
!!
『ご、ご主人様!!』
ど、何処だ?
佳観阿は左右前方に手を振り、雪女が居る所を捜した・・・
ブンッ!ブンッ!
バチンッ!ブルンッ!
きゃっ!
!?
「ど、どうした!!」
『な、何か・・・』
鞭のような物で胸を叩かれたんですが・・・
鞭・・・?
「誰も鞭なんて持ってないぞ?」
う~ん・・・
『もしかして・・・ご主人様が叩きました?』
・・・そう言えば
(未だに掌に柔らかい感触が・・・)
多分違うぞ
『そうですか・・・じゃあ一体誰が・・・』
(まあ・・・後々伝えればいっか)
そう思いながら、その場に止まった・・・
ピカッ!
!?
「うわっ!眩しっ!」
真っ暗だった空間が、突然白く明るくなった。
そして、佳観阿の目がチカッとピカッとし、目を瞑った・・・
ドガッ!
きゃっ!
!?
「お、おい!!ゆっき〜!大丈夫か!?」
バキッ!ガンッ!
いやっ!辞めて!!
(い、今ゆっき〜は何をされているんだ!?い、痛そうな声を出してる・・・!!た、助けたいが・・・ま、前が見えない!!)
(ど、どうしたらいいんだ!)
ガンッ!ドッ!
あっ!そこっ!気持ち良い・・・
・・・?
(き、気持ち良い?ゆっき〜はホントに何されてるんだ?)
佳観阿はその場でじっと止まった・・・
そして数秒後
・・・おっ
(ようやく前が見えるようになった・・・でも、前が見えるようになったとて、雨で視界が不鮮明なんだよなぁ〜)
佳観阿は徐々に目を開けた・・・
・・・!?
あぁ〜♡
『亜沙波さんって・・・マッサージ・・・上手いんですね♡』
「私はマッサージの国家資格を持っている、上手いのは当然だ」
いや~、ホントに有難うございます〜
雪女は地面に座り、亜沙波は雪女の肩のマッサージをしているのを目撃した。
・・・あっ
『ご主人様〜、一体何処に居たんですか?』
「俺はずっと此処にいたが・・・」
・・・?
『ずっと・・・?』
ああ
『ご主人様の姿・・・ずっとなかったですよ?』
・・・え?
✡✡✡
ボコボコッ・・・ボコボコッ
桜島 火口付近
・・・見つけた
スッ・・・ドォン!
リキューラ・スペクラムは飛び降り、マグマが溜まっている所に落ちた。
・・・スタスタ
これが・・・地球中に大災害を引き起こすことが出来る物・・・
スペクラムの前には、2つ、小さな星を入れることが出来る、銀色の台座があった。
・・・
スッ・・・スッ・・・
スペクラムは元々持っていた蒼い星と、赫い星を台座にいれた・・・
・・・
これで、この世界を滅ぼすことが出来る・・・嬉しいなぁ〜
お金が沢山欲しいです。
地位と名誉も欲しいです。
何でも出来る力が欲しいです。
毎日、この様な夢を抱いて行きています。
毎日幸せです。




