7話
「返答次第で殺すだって?はっ!やれるもんならやって───」
特殊スキル発動 大地より誘いし人間の言霊
ジジッ、ジジッ、
柳昇の身体は稲妻が走り出し
「ああ・・・やってやるよぉ!!」
シュッ!
「!?き、消え───」
グサッ!
え?
佳観阿は胸元を見た。するとそこには柳昇の刀が貫通していた。
ガハッ!
スッ、スパッ!
柳昇は刀を引き、佳観阿の首を斬ろうとした。
佳観阿は肝一般で避けたが、首元に浅い切り傷が残った。
はぁ、はぁ
「ち、ちょっと待ってくれ・・・し、死ぬ・・・」
佳観阿は右腕を後ろに回し、前屈みになりながら言った。
「お前が言ったんだろ!?やれるもんならやってみろって!!」
・・・あっ
「そう言えばそうだっ───」
ズバッ!
柳昇が稲妻の様な突きを佳観阿は身体を仰け反らせて避けた。
シャッ!サッ!
刀を何度も振り、佳観阿に攻撃を当てようとした、だが一回も当たらなかった。
「な、何故俺の神速にも近い攻撃を避けれる!!さ、さてはお前・・・違反行為してるな!?」
そう言うと
「せいかーい!!」
声高らかに答えた。
・・・は?
「まあこれを見たほうが早いかな?」
そう言いながら右腕にある物を見せた。
賽愚隷庵球
この球を持っていると、回復速度、速度、攻撃力が×5倍になる。
佳観阿の現時点での攻撃力 30→150
回復速度 20→100
速度 31→155
そして柳昇の攻撃力&速度 70
ヒュッ、ドゴォ!!
かはっ!
佳観阿の全力の左フックが柳昇の肝臓部分にダイレクトアタックした。
「う、うぇっほうぇっほ!!」
ゲホゲホッ、
はぁ、はぁ
「な、何なんだよその威力は・・・い、今までずっと隠してたのか?」
スタ、スタ、
「そう、まあでも?ああいう演技をするのはほんと〜に!大変なんだよね〜、はっはっはー!」
そう言いながら
ズドォン!
柳昇のお腹に蹴りを入れた。
ぐはっ!
「ん〜?どうした?さっきまで威勢が凄かったのに・・・もしかして日和ってる?」
その言葉に
プツーン
柳昇の何かが切れた音がした。
「巫山戯んじゃねぇ!!」
スクッ、シュッ!シュシュシュッ!
「俺にはこうやってお前を倒す方法が何個もある!だがお前はどうだ!武器もなく、戦いの知識もなく、見るからに俺よりも弱そうなお前に何が出来るって言うんだ!!」
そう言いながら佳観阿の周りを今まで生きてきた人生の中で一番早い速度を出しながら回った。
・・・ふぅ~ん
「何が出来る・・・か」
特殊スキル発動 晴天光臨・百鬼夜行
シュ〜、パァー
佳観阿の周りに約3体の妖怪が現れた。
一体目は近くにいるだけでも凍えてしまいそうな程の冷たいオーラを放ち、絶対零度の氷の息吹を使う事が出来る雪女
二体目は台風並みの風を半径1kmで無制限に吹かせることが出来る天狗
そして三体目は太古の時代に生まれ、英雄の素戔嗚尊によって狩られた存在の八岐大蛇
※雪女の体長は約3m、天狗が2.5m、そして八岐大蛇が約60mです
「ちょっ!それは反則だろ!!おい!!」
柳昇は全神経を研ぎ澄ませながら避けた。
固有スキル発動 聖夜の夜の純粋な子供の心
固有スキル発動 風の牢獄
固有スキル発動 八岐大逆神
妖怪三体は一斉にスキルを発動し、柳昇を殺そうとした。
聖夜の夜の純粋な子供の心
相手の脳内に自身が思う最大級の幸福を感じた瞬間を流す、そして相手が油断した隙に相手の精神状態を乗っ取る事が出来る。
大暴風
相手の周り半径1mに風の牢獄を出し、半永久的に閉じ込める事が出来る。
八岐大逆神
自身が味方だと判断した者のスキルの効果を約100%上昇させる事が出来る。
ビュォー!!
「!?な、何だこれ!か・・・風?う、動け・・・」
身体を動かそうとした時、柳昇の脳内に何かの記憶が流れた。
ジジッ、ジジィ・・・
や、やめろ!!そ、それ以上来るな!!■■■!!
えぇ〜?何でぇ〜?ユーキも皆の所に送ってあげるよぉ〜、だからさ・・・いい加減に諦めてくれない?
い、嫌だ!!お、俺は・・・俺は!!しに───
グチャッ!
・・・はぁ~♡
「き、気持ち良い・・・私ってやっぱり・・・人を殺す度に気持ちよくなっちゃう・・・あぁ・・・神様、こんな私に生きる価値を見出してくれてありがとうございます」
(な、何だ!?こ、この記憶・・・!?まさか・・・あの雪女の───)
ガシッ、
捕〜かまえた♡もう一生一緒私と一緒になろ♡
柳昇の肩を掴みながら雪女はそう言った。
そして柳昇の精神状態を乗っ取り、身体の制御権を完全に雪女が握った。
補足ですが、八岐大蛇の体長は約60mとしましたが、ネットや本で色々と調べていると、約20kmや約66m、そして8つの谷と8つの丘にまたがるほど巨大と書いてあったので、ここは映画のヤマトタケル?ヤマタノオロチ?の約60mにしました。
後、佳観阿のスキルは千年虚空念仏が終わった後にゲットしたものです。