68話 運命の紅い糸
[お、重くて痺れる?それって・・・]
毒じゃないのか?
「わ、分かんない・・・だけど・・・」
はぁ・・・はぁ・・・
「少し・・・興奮して来たの・・・」
・・・は?
[何故だ?]
それに、文脈が少しおかしいぞ
クロムノートの顔が、少しずつ赤くなっていた。
はぁ・・・はぁ・・・♡
「た、多分・・・あの面の男が持っている剣に・・・何か小細工があると思う・・・♡」
キモッ
?
「誰が・・・キモいですって?」
はぁ・・・はぁ・・・♡
[そんな色気づいた吐息・・・故意的にだろ?]
はぁ・・・はぁ・・・♡
「そ、そんな事はいいから・・・早く・・・あれを・・・倒して・・・♡」
ダーリングラードは般若心経の方を見た・・・
・・・?
(何であれは前屈みになってんだ?腹痛いのか?)
ダーリングラードは前屈みになっている般若心経を見て、少し心配した。
・・・倒すなら今のうちか?
スッ・・・ダッ!
ダーリングラードは上半身を少し前に出し、少ししゃがみ、走った。
スッ・・・バッ!
笏鍾拳!!
ズドォン!!
ぐはっ!
ダーリングラードは般若心経から約2m離れた所からジャンプし、右拳を振り上げ、藁の帽子越しに、脳天にぶち当てた。
は、はぁ・・・はぁ・・・
(な、何だ・・・今の攻撃は!!危うく死ぬ所だった!)
「や、やるな・・・だが!儂を殺すには力が足らない!恐るるに足りん!」
般若心経は地面に倒れながら、大声で言った。
・・・ふぅ~ん
[そうなんだ・・・へぇ~]
ダーリングラードは少し、笑みを浮かべ、意味深な事を言った。
「な、何を笑っている・・・何が可笑しい!!」
いや?
[ホントに何もわかってないんだな〜って]
?
「ど、どういう事だ!!」
・・・
[あんたさ〜、自分の身体に何も違和感感じんの?]
?違和感───
!!?
「な、何だ・・・これ!!」
わ、儂の身体が・・・透けている!?
般若心経の身体は、何とスケスケになっていた。
「ど、どういう事だ!!」
・・・全然気付かない、もう答え言うよ
[あんた・・・もう死んでんだよ]
!!?
「な・・・い、一体いつ!!」
俺があんたの脳天に攻撃を与えた時、俺は油断せず、覚悟を決め、全身の力を使い、あんたを殴った。
[そして、あんたはその殴られた瞬間に、気絶(きぜつ・・・そこから刹那、死亡に至った・・・これで分かったか?]
・・・ふふ
ふははははっ!!
?
[突然何だよ・・・キモッ・・・]
般若心経は突然、声高らかに笑った。
なるほどな!!
「おい・・・儂を殺したって言ったな?」
ああ、だがなん───
特殊スキル発動 運命の紅い糸
・・・ピーン
・・・?
[何だ・・・この紅い糸・・・何処から出てるんだ?]
・・・!?
[胸からか!?]
ダーリングラードは、自身の胸元から出ている紅い糸を発見した。
その紅い糸は、般若心経の右掌から
ピーン
と伸びているのを確認した。
[お、おい・・・何だよこれ・・・切れない!!]
ダーリングラードは両手で頑張って紅い糸を切ろうとしたが、糸が頑丈すぎて、切れなかった。
[お、おい!ちょっとこれ切るの手伝ってくれ!!]
ダーリングラードはクロムノートに助けを求めた。
「あっ・・・うん!分かった!」
クロムノートは痛みに耐えながら立ち上がり、紅い糸を切ろうとした。やっぱり切れなかった。
・・・ふふっ!
「その紅い糸はなぁ・・・儂しか切る事が出来───」
プチッ!
え?
・・・
「き、切れちゃった・・・」
ダーリングラードの胸元にある紅い糸は、案外あっさりと切れた。
最近、朝涼しくなってきましたね。
ようやく夏が終わりそうな気配を感じます。




