58話 お話し
はぁ・・・はぁ・・・ごほっ!
ビチャビチャ!
アフィーラはまた、口から大量の血を吐いた。
【は、話しって・・・何だ・・・?】
・・・
『ミッドナイト・K・ロストロムって知ってる?』
!!?
【な、何で・・・その名前を・・・知っている!!】
・・・ニヤッ
『何でだと思う?』
雪女は不敵な笑みを浮かべた。
『その人が〜、死んだのって〜、いつか知ってる〜?』
・・・?
【確か・・・約150年前ぐらいだが・・・】
『そう、じゃあ・・・どうやって死んだか知ってる?』
?
【身体中に水滴や氷の様な物があって・・・!!?】
ま、まさか・・・!!
そう
『メルフィア族の前の首長は、私がこの手で殺したの』
!!?
【き、貴様ぁぁあ!!もう許さん!!助けを乞うとしても、逃げても、絶対に許さん!!】
・・・うっ、うえっ
アフィーラは突然、口から何かを吐き出した。
それは、直径5cmぐらいの黒い硝子の玉である。
はぁ・・・はぁ・・・
あ、遺物発動・・・ 真っ黒な世界
【お、お前等はこれで・・・終わりだ!!】
グッ、パリンッ!
アフィーラはその玉を握りしめ、粉々(こなごな)にした・・・
ブワッ!
『な、何!?この風───』
雪女は背後から身体が吸い込まれそうな程強い風を受け、後ろを見た・・・するとそこには直径5mのブラックホールが鎮座していた。
既に、リリット、久遠鎮華、そして人知れず佳観阿もブラックホールに吸い込まれていた。
ふ、雪の女王!!
[は、早く逃げろ!!]
え、えぇ~・・・
『まだこの男と話し足りないのに・・・』
いいから早───
ズビュン!!
ダーリングラードも、ブラックホールの中に吸い込まれてしまった。
『だ、ダーリングラード・・・』
雪女はその場に固まってしまった・・・
ガシッ!
雪女さん!!逃げますよ!!
デスライシンが雪女の右手を掴み、その場から逃げた・・・
・・・くそっ
【結局逃げられた・・・もう・・・いいや・・・】
アルスバーンさん・・・すいません、俺・・・ここで・・・終わりみたいで・・・す・・・
ガクッ
アフィーラはその場で亡くなり、数秒後、ブラックホールに氷と一緒に吸い込まれた・・・
はぁ、はぁ・・・
「だ、大丈夫でしたか?雪女さん」
ブラックホール発生地から約100m、雪女達は逃げ切る事に成功した。
そして、ブラックホールは消えていた。
『う、うん・・・危うく吸い込まれる所だったよ・・・ありがとう、デスライシンさん』
「そ、それはよかったです」
・・・それより
「これから・・・どします?」
今、この場にはデスライシン、雪女の2人しかいなかった。
どうするって・・・
『2人だけで異界に行く?)』
・・・2人だけじゃ無理ですよ
『それもそうね』
『今は、皆が戻って来るまでここで待ってましょうか』
は~い
・・・う〜ん
・・・パチッ
[・・・ここは・・・何処だ?]
ダーリングラードは、地平線のその先まで何もなく、綺麗な雲、青空、鏡の様な地面の場所に、居た。
周りには何時も通りの仲間がいた。
・・・スッ
ダーリングラードは立ち上がり、周りを見渡した。
・・・?あれは・・・何だ?
ダーリングラードは約2m、南南東の方角に、1つ、地蔵が立っているのを見つけた。
・・・スタスタ
怪しく思いながらも、歩いた。
スタスタ・・・ピタッ
・・・
[本当に怪しいな、こんな所に、ポツンと立っているのは・・・]
そう思いながらも、地蔵をじぃ~っと見た───
・・・?ボタン?
ダーリングラードは、地蔵のすぐ近くの地面に、1つの赤いボタンがあるのを発見した。
・・・押してみるか
ダーリングラードは右人差し指をボタンに伸ばし、そのまま
カチッ
押した───
プツンッ
ダーリングラードの前が、いきなりなくなり、意識を失った・・・
しれっと名前だけ登場させた佳観阿・・・
しっかりしっぽりと存在を忘れてました・・・
すまん!佳観阿!!




