53話 九州までの道のり Ⅴ
タタタッ!
ぜぇ・・・はぁ・・・ぜぇ・・・はぁ・・・
「や、ヤバい・・・も、もう限界・・・」
『ご主人様!!頑張ってください!!』
はぁ・・・はぁ・・・
「ゆ、ゆっき〜はいいよな・・・空飛んで・・・」
『仕方ないじゃないですか、この方が楽ちんなんですから』
「う、羨ましいぜ・・・全く・・・」
佳観阿達は約30分間、全力で走り続け、今はラウンドワン 静岡・駿河店前にいた。
は、はぁ・・・はぁ・・・
「り、リリットさん・・・少し・・・休憩・・・しませんか!?」
え!?何で!?
「お、俺・・・もう体力が・・・」
・・・分かった
ピタッ
佳観阿達の前に走っていたリリットはその場に止まり、地面に座り込んだ。
ふぅ・・・ふぅ・・・
佳観阿の左斜め上にいた鎮華もその場に止まり、服で顔の汗を拭いていた・・・
じぃ~
(鎮華さんの腹筋・・・エロいな)
男から見ても、鎮華の腹筋はエロく、色気がムンムンと漂っていた。
・・・?何ですか佳観阿さん
「何か付いてますか?」
鎮華は佳観阿の熱烈な視線を感じ取り、此方を見て、言った。
「いやっ、俺はただ単に、鎮華さんの腹筋にある汗を少し舐めてみたいなって思っていたんだ」
・・・?
「あれ・・・今、俺・・・何言ってた?」
何を言っていた・・・
「物凄くドン引きする言葉を言ってました」
「そ、そうなの───」
別に良いですよ
・・・?
「え?何が?」
だから・・・
「俺の腹筋の汗を舐めても良いって言ったんですよ・・・」
!!?
佳観阿は、突然のBL展開に、脳の動きが停止した・・・
・・・スタスタ
「な、何だよ鎮華さん・・・何で此方に来───」
ガシッ!バッ!
ペロッ
鎮華は佳観阿の目の前に立ち、佳観阿の頭を掴み、思いっきり自身のお腹に引き寄せた・・・
・・・!?
(い、良い匂いがするし・・・少し美味し───)
ビクンッ!ガチガチッ!
・・・
ズザザッ
佳観阿は見た。
ズボン越しからでも分かる位の大きな物が、鎮華の股に付いていたのを・・・
佳観阿は少し後退りをした。
・・・?
「どうしたんですか?」
「い、いや!何でもない!」
「そ、それよりリリットさん!」
ん?何?
「喉・・・渇いてませんか?」
『喉?』
はい!
『・・・まあ、渇いてはいるけど・・・それがどうしたの?』
なら!俺・・・近くにあるコンビニで何か買って来ますよ!
『え!?ホント!?』
はい!
『ありがとねぇ〜』
・・・
「ゆっき〜!一緒に行くぞ!!」
!!?
『え?私も・・・?』
雪女は明後日の方角を見ていた。
「いいから早く!!」
『わ、分かりましたよ・・・ご主人様』
雪女は佳観阿を持ち上げ、コンビニ探しの旅に出た・・・
約20分後
ヒュウ〜、ストンッ
「ありがとなゆっき〜」
『いえいえ、当然の事をしたまでですよ』
佳観阿はゆっくりと地面に降ろされた。
そして鎮華達がいる方向に歩いた。
「おっ、遅かったですね」
「仕方ないだろ?コンビニを探すだけでも時間かかったんだから〜」
・・・あっ、そうだそうだ
「これあげるよ」
そう言いながら佳観阿は鎮華に大量にジュースや食料が入っている、大きな袋を1つ鎮華に渡した。
「おっ、ありがとございます〜」
リリットさ〜ん?飲み物が来ましたよ〜
え?本当?
「はい、本当ですよ〜」
リリットは立ち上がり、此方に歩いてきた。
スタスタ
あら!
『ホントにあるじゃない、ありがとね、作者くん』
「まあ別に良いですよ、お金を出して買った訳じゃないんで」
佳観阿達はその場に座り、各々が飲み物を袋から取り出し
パキッ!
ゴクゴク
開けて、飲んだ・・・
自分って結構男同士や女性同士でもイケるんですよね
・・・これって普通なんですか?




