50話 久遠鎮華の過去 XV
「まあ取り敢えずさ、もう終わらせようぜ?俺もう疲れたんだよね」
『奇遇だな、余もそろそろ終わらせようと思っていた頃だ』
ゴォー!!
・・・ポツッ、ポツポツッ・・・ザァー!!
ドゴォ!!バァン!
空は曇天に包まれ、雷鳴が鳴り響いた。
これで・・・本当に最後だな
ああ・・・
・・・
『余はスキル、時空戻しを使わない』
?
「い、いきなりなんだ?・・・後・・・何で?」
『余は今迄ずっとこれに頼ってきたからな、もうこの力に頼らず、ちゃんと死にたいからだ』
時間軸の悪魔は少し俯きながら答えた。
・・・へぇ~
「良いじゃん良いじゃん・・・この俺がちゃんと殺ってやるよ」
ははっ・・・ありがとな
固有聖唱 怒る悪魔の絶叫譚
・・・ドクンッ、ドクンッ
(絶対に時間軸の悪魔に勝ちたい・・・あいつに勝つ力が欲しい!!どうか・・・どうか!!俺に力を・・・!!)
・・・ピロンッ!
貴方様はスキル「千本桜・天照す空の恋模様」を獲得するチャンスを得ました。
獲得しますか?
獲得する
ピロンッ!
スキル「千本桜・天照す空の恋模様」を獲得しました。
・・・お前
「俺は今、新しくスキルを獲得した」
『おぉ〜、いいじゃん』
「見たいか?俺の新しい力を・・・」
『見せてくれるならな』
・・・わかった
特殊スキル発動 千本桜・天照す空の恋模様
ヒラッ、ヒラヒラッ
・・・おぉ
『これが桜か・・・』
綺麗だな
時間軸の悪魔&鎮華.アルスバーンの半径約20mに大きな桜の木がビッシリと円を描く様に聳え立っていた。
そして雷鳴が鳴り響いていた天気が、虹が出て、少し曇が残っている空になっていた。
行けっ!!桜猛吹雪!!
ビュォォー!!
『ん?何だ?桜が・・・』
渦を巻くように此方に来ている!!
桜大きな大きな吹雪が上に上昇し、鋭く鋭利な桜吹雪の先端が猛速度で時間軸の悪魔に向かっていた。
固有スキル発動 時空の双龍拳
スッ・・・ズバッ!
時間軸の悪魔は左に避け、金色の二つの剣を桜吹雪の先端に目掛けて横に振った。
見事に斬る事に成功した。
固有スキル発動 時の炎
すぅ・・・ボォッ!!
時間軸の悪魔の口から黄色い炎が大量に出て、桜の木を全て燃やし、辺り一面を焼け野原にした。
はぁ、はぁ
『どうした!!その新しいスキルはこんなもんなのか───』
ヴゥン
え?
時間軸の悪魔は桜吹雪を斬った後、鎮華の方を見た・・・
顔面から約10cm程近くに赫く、鋭い槍が音を立てながら此方に来ていた・・・
バァン!!
時間軸の悪魔の時計の顔面が槍に貫かれ、何個も破片を飛び散らせ、破壊した・・・
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
「や、やっと倒した・・・大丈夫でしたか?アルスバーンさ───」
・・・?
「アルスバーンさん?何処に行ったんですか?アルスバーンさ〜ん?」
お~い!!アルスバーンさ〜ん!!
鎮華の右斜め後ろにいたはずのアルスバーンが突如として消えていた。
・・・
「何処行ったんだろ」
そう思いながら、時間軸の悪魔から貰ったスキル「時の生命線」を使おうとした・・・
・・・あれ?
「なくなってる・・・何で?」
鎮華のスキル欄から時の生命線が消えていた。
・・・何でだ?
・・・!!?
「もしかして・・・」
時間軸の悪魔が死んだから消えたのか・・・?
「でもアルスバーンさんから貰ったのは消えてないし・・・どうなってんだ?」
・・・後
「ここってどうやって来たんだ?何も覚えてないや」
この話で、一旦vs時間軸の悪魔編は終わりたいと思います。
次はもう少しだけ鎮華の過去回想をし、過去回想が終わった後、本編にまた戻りたいと思います。




