42話 久遠鎮華の過去 Ⅶ
スタスタ・・・ピクッ
「誰だ!!」
鎮華は背後から気配を感じたので、後ろを見た・・・
・・・何故わかった?
鎮華の後ろにはアルスバーンが居た。
「そりゃあ・・・後ろから凄い良い匂いがしたんで・・・」
・・・ボッ!
アルスバーンの顔が真っ赤になった。
そ、その言を言うな・・・言い慣れていないんだ
そう言いながら顔を下に向け、手をもじもじとさせていた。
・・・それで
「俺に何の用ですか?」
鎮華は言った。
我も時間軸の悪魔を探すのを手伝う
「・・・まあいいっすよ」
やった!
アルスバーンは鎮華の隣に行き、一緒に歩いた・・・
「・・・ん?そう言えば鎮華はん、その女性ってもしかしてさ、水色の髪してた?」
「してましたけど・・・突然何でですか?」
「いやっ・・・ちょっと気になっただけ」
そうなんですか・・・
・・・
(やっぱり間違いない、ディッド・アルスバーンは俺の書いた小説に出てくる奴だ!!何で出て来てんだ?それに・・・8年前って言ったら・・・)
アルスバーンの初登場した年だな・・・
SRA 251話
ダーリングラードは仲間と共に中国天安門広場の中央に存在する「異界に通ずる扉」に入ろうとした・・・
ヴゥン
「?何のお───」
ズガァン!!
ぐはっ!
「み、ミスティナ!!」
扉から突如、長く長い脚が飛び出して来て、仲間であるミスティナのお腹に当たった。
ミスティナ・ラットグーン
年齢32歳.身長169cm
髪の内側が黒、外側が金色のショートヘア
パッチリとした目、少し丸い鼻、綺麗な唇、少し縦に長い顔
赫いへそ出しの服、ピチピチのズボンを着ている。
はぁ、はぁ、はぁ・・・
うっ、ゲホッ!ゲホッ!
ダダダッ!
「大丈夫かミスティナ!!」
ダーリングラードはミスティナの背中の上の部分を持ち、少し起き上がらせた。
はぁ、はぁ・・・
「わ、私は・・・大丈夫です・・・そ、それより・・・あれを・・・」
ダーリングラードは扉を方を見た・・・
やあ、我はディッド・アルスバーン、君達の寿命を奪い取る死神執行官、宜しく
(小説の方では死神執行官として出て来たんだが・・・鎮華はんが見ていたアルスバーンはどっちなんだろ)
・・・もう一回さっきの続きから話しますね?
「う、うん・・・わかった」
そして俺はアルスバーンさんと共に時間軸の悪魔を探す旅に出ていたんです。そこから約10分後、俺は気になった事があり、アルスバーンさんに聞いたんです
「あの・・・アルスバーンさん?」
何?
「アルスバーンさんって何処から来たんですか?もしかしてヨーロッパからですか?」
・・・我はワーリスト国から来ました。
(ワーリスト国・・・ヨーロッパとかにある国か?まあいいや)
鎮華は特に気にせずに話を続けた。
ワーリスト国
異界にある少し大きな国
魂系統のスキルを持つ生物が多い。ただ、アルスバーンは魂系統のスキルは何一つ持っていない。
アルスバーンの生まれた故郷
「へぇ~、そこってどんな所ですか?」
・・・気持ち悪い奴等しかいないよ・・・ホントに
「そうなんすね」
・・・我の話聞いてないでしょ
「いやっ!聞いていま───」
固有スキル発動 色彩支配
透明色
・・・かはっ!
(い、息が・・・出来ない!!)
た、たすけ・・・
解除
・・・ぶはっ!
はぁ!はぁ!はぁ!
「た、助かった・・・良かったぁ・・・」
鎮華は両手を地面に付け、四つん這いの様な格好になり、泣いた。
どう?我のスキルは、強いでしょ?
アルスバーンは鎮華の前まで歩き、しゃがんだ。
「な、何なんですか・・・そのスキルは・・・」
ん?これはね・・・色そのものを操れる能力
色彩支配
色そのものを操れる能力
簡単に言うと、青と言ったら水や青色の物を操れたり、茶色と言えば土、木を操る事が出来る。
はぁ、はぁ・・・
「つ、強いですね・・・そのスキル・・・」
我でもわかってる、いちいち当たり前の事聞くなカス
「え・・・?カス・・・?」
アルスバーンは何処かに向かった。鎮華はまた泣いた・・・
スタスタ
「何か異常とかって見つけてます?」
全然
「そうっすか〜」
約40分後
2人は北野天満宮に着いた。
・・・ピクッ!
「アルスバーンさん!!ここに何か───」
ズドォン!!
おわっ!!
鎮華は何かの衝撃波により吹っ飛んだ。
固有スキル発動 傷の交換
シュウー・・・ポワァ〜
衝撃波によって受けたダメージを目の前にいる何かに移した。
シュウー・・・
「痛てて・・・」
鎮華は尻餅をつき、痛みがあるお尻を少し撫でていた。
・・・おっ、ようやく土埃がなくな───
!!?
「な、何だこいつ・・・!!」
鎮華の目の前には大きさ7mの青色の土偶が3体居た。




