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38話 久遠鎮華の過去 Ⅱ

スタスタ


・・・あっ、病院着着たままじゃん

「まあいいや」


それより・・・これからどうしよっかな〜


鎮華は考えた。

家がなくなり、食べ物.飲水がなくなり、家族も何処に行ったかわからない。これから1人で何をして生きていこうかと・・・


ポツッ、ポツポツッ、ザァー!!

「マジか・・・こんな時に雨・・・何処かで雨宿りしよう!」


鎮華は視界がまだ不鮮明なまま、前を見て走った・・・














ザァー!ザザァー!!

ふぅ・・・


「ようやく雨が凌げる所に来た」


約40分後、鎮華は河川敷近くにある橋の下に入り、雨を凌いでいた。



───────── ←橋

         |

         |

         |

       鎮華|←コンクリの壁



・・・ぐぅ~

「腹・・・減ったな・・・」


鎮華は物凄くお腹が減った。

だが、今はお金も無く、どうする事も出来ない。


「・・・いっそ盗みでもやるか?いやでも・・・そう言う事は絶対にしたくないし・・・でも・・・」


鎮華は1人静かに考えた・・・


スタスタ・・・おっ?

ねえ君?そこ・・・私の所なんだけど・・・どいてもらっても良い?


鎮華の目の前に、びしょ濡れの白Tシャツの黒ロングヘアの女性が現れた。


「・・・あっ!すいません・・・」

今すぐどきます・・・


鎮華は立ち上がり、何処かに歩いた・・・


・・・ねえ君


「はい、何でしょう───」


ビクッ!

鎮華は後ろを振り向いた。すぐ近くに女性の顔があった。


女性の顔は右ほっぺに傷があり、左に眼帯を付け、上まつ毛が長く、一般的な可愛さの様な顔だった。


「その顔を覆ってるのって・・・何?」


女性は鎮華が顔に巻いている黒色のタオルに目をつけた。


「あっ・・・これは・・・人には見せたくない自分の醜い部分(きもちわるいところ)です・・・」


・・・なるほどね

「取り敢えず、さっきの所に戻ろっか」


は、はい・・・





「まず、あーしは出雲露烙(いずもろらく)、君は?」


出雲露烙

年齢18歳.身長183cm

黒髪ロングヘア

白Tシャツ(黒下着が少し透けている)


「俺は・・・久遠鎮華です・・・」


「そっか~、何か女性みたいな名前だね」


・・・それは言わないでください


「それに・・・顔付きや体付きが何だか───」


だからそれは言わないでください!!


シーン・・・


「あっ、ごめん・・・君の事情も知らずに勝手に言っちゃって・・・」


「いえ・・・俺の方こそ・・・」


・・・

「そう言えば、君はこんな所で何してたの?まさか家出?」


露烙から何故ここに居るのかと聞かれた。


「いやっ・・・何て言えばいいんですかね・・・」


・・・?

「てか・・・その服って、彼処のデカい病院の服じゃん・・・抜け出したの?」


「まあ・・・そうですね、抜け出しました」


へぇ~、何で?


「それは・・・」


鎮華は少し黙った。


「俺の顔、頭を見て馬鹿にしてきたりしたんですよ、醜いだったりキモイだったり・・・それに少し苛つきや嫌悪感、そして呆れを覚えて・・・」


それで抜け出したんだね


・・・はい


・・・

「君ってさ・・・何か食べる物持ってる?」


「・・・持ってないです


でしょうね


え?

(で、でしょうね・・・?)


鎮華は少し困惑した。


「ならさ・・・近くにあるコンビニで何か食べる物買う?私お金持ってるからさ」


「え・・・?良いんですか?」


うん、全然良きやで〜


・・・いや、やっぱりやめます


「え!?何で!?」


「・・・奢ってもらうのは少し罪悪感や戸惑いがあって・・・」


へぇ〜

「でもね君・・・年上の人が奢ってあげるって言ってるのに、断るのはいけないんだよ?これ社会の規律(ルール)だから」


「そ、そうなんですか・・・」


そうよ〜


「・・・分かりました、じゃあ行きましょう」


よしきたっ!


2人は立ち上がり、コンビニに向かった。


ウィーン、テテテン♪テテテン♪


いらっしゃいませ~!


2人はセブンに入った。


※服は2人共びしょびしょのまま。



そして約10分後


ウィーン、スタスタ

「ありがとうございます、奢ってもらって」


「いやいや、良いよ別に」


2人は大雨の中、ゆっくりと歩いた。

鎮華はびしょ濡れになった病院着の中に袋を入れ、少しでもご飯を守った。





スタスタ、ピタッ

スッ、ドサッ


「さてと、いただきましょか」


2人はセブンで買ったコンビニ弁当を食べた。

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