36話 九州までの道のり Ⅲ
バババッ!
突如、佳観阿&雪女の半径2kmの空、地面に大きさ5mの木がびっしりと円を描くように並び、空、左右の全方向から桜吹雪が吹いてきた。
「あら、綺麗ですね、この桜っていうの」
「まあ確かに綺麗だが・・・何か可笑しくないか?」
佳観阿は何か異変に気付いた。
一つ一つの桜の花びらが佳観阿達の周りを回り、次第に桜が佳観阿達を取り囲んだ。
行け!桜猛吹雪!!
ゴォー!!
桜は高く上に上がり、鋭く細かく回っている先端部分が佳観阿がいる下の方に勢い良く降りてきた。
「!!これはマズイ!!」
ゆっき〜!!頼む!!
佳観阿は雪女の側でしゃがんだ。
はいよ!!
パキッ、パキパキッ!
雪女は氷で横の厚さ30cm、縦の長さ1.5mの盾を作り、佳観阿の頭上、そして自身を守った。
ズガガガァン!!
桜は思いっきり氷に当たった。
(くっ!!凄い重圧感!!耐えられない!!)
でも・・・
チラッ
雪女は佳観阿の方を見た。
(ご主人様の為なら私はこんな攻撃にも耐えてみせる!!)
うぉぉぉお!!
パキパキ、ズガァン!!
雪女は盾の中心部分にまた新しく氷を作り、その氷を徐々に大きく、ピラミッドの様な形にし、攻撃を押し返そうとした。
うぉぉぉおらぁぁぁあ!!
雪女は意地で攻撃を押し返し、消した。
・・・はぁ、はぁ・・・
「あ、危なかった・・・大丈夫ですか、ご主人様」
「あ、ああ・・・マジでありがとう」
佳観阿は立ち上がった。
「おいあんた、やるじゃん・・・まっ、俺を倒せるぐらいではないけどなっ!」
(殆ど私がやったんだけどな〜)
・・・はっ!
「お前は何もやってないだろぉが!調子のんなカァ〜ス!!」
・・・何?
スタスタ
「お前・・・俺の事・・・馬鹿にしたな?」
「ああ!馬鹿にした───」
笏鍾拳
ドゴォン!!
ぐはっ!
佳観阿は極真空手の正拳突きの様な構えをし、顔面に思いっきり拳を当てた。
ヒュッ!ダッ!ズサッ!
男は約5m程吹っ飛び、地面に尻もちをつき、身体が何回も回転しながら地面に当たり、身体が仰向けの状態で地面に倒れた。
スッ、
ドバドバッ!
はぁ、はぁ・・・
(や、やべぇ、鼻血が止まんねぇ・・・)
う、うえっ!ゲホゲホッ!
男は口から少量の血を吐き出し、咳をした。
・・・スルッ
うおっと、危ない危ない
男は仮面が落ちそうになったが、すぐさま手に取り、また付けた。
スタスタ
今思ったんだけどさ?
「何であんたそんなに顔を隠したがるんだ?何か理由でもあるのか?」
佳観阿は男の前に立ち止まり、しゃがんで言った。
う、五月蝿え!
「お、お前には関係ないだろ!!」
「・・・でも俺は気になるけど、深追いは辞めるよ」
スクッ
・・・シャッ!
・・・パキーン!!
「でも気になっちゃうからやっちゃ───」
佳観阿は立ち上がり、手を下から上に振り上げて、男の仮面を真っ二つにした。
・・・え?あんた・・・それって・・・
「火傷の跡か?」
男の顔中に火傷の跡がびっしりとあった。
・・・くそっ!
「これだけは誰にも見られたくなかったのに・・・!!」
約15年前
北海道札幌市 20階あるレンガのマンションの5階の右一番端の部屋
なあなあ兄ちゃん!お腹減ったよぉ〜!
・・・冷蔵庫に昨日の夜の余りもんがあるってお母さんが言ってただろ?それ食えよ
・・・わかったよ
トボトボ
・・・ふん
久遠鎮華(佳観阿達と戦った仮面の男)
この時年齢11歳、リビングルームにあるソファに座り、ゲームをしていた。
弟の久遠玲人
年齢7歳、兄の事が大好き
スタスタ
「ねえ兄ちゃん?冷蔵庫に何もないよ!」
・・・はあ?そんな訳無いだろ
鎮華は立ち上がり、歩き、冷蔵庫の中を見た。
・・・確かに何もないな
冷蔵庫の中は何一つなかった。
・・・しょうがねぇな
「ちょっとコンビニに食べ物買いに行ってくる」
「僕も行く!!」
ダダダッ!
玲人は鎮華の近くに行き、その場で足踏みをした。
・・・ダメだ
「お前も外に行ったら誰がここを守るんだ?」
そ、それは・・・
「お前はこの家ではヒーローなんだから、大丈夫だって」
鎮華は玲人の頭に手を置いた。
う・・・うん!わかった!!気を付けてね!!
「おう、行ってきます」
鎮華は靴を履き、玄関扉を開けた・・・




