34話 九州までの道のり Ⅰ
スタスタスタ
「ところてんご主人様」
「おう・・・ん?」
「九州迄の方角って知ってるんですか?」
・・・知らない
・・・!?
「でもな、多分何とかなる、絶対に何とかなる」
えぇ〜、多分無理ですよぉ〜
佳観阿御一行は歩き出した。
九州とは違う方向に・・・
佳観阿達
↓
九州 静岡
「・・・あれ?此処って何処だ?」
佳観阿御一行は何処かの駅に辿り着いた。
・・・あっ、ご主人様!彼処に駅名が!!
「NICEだゆっき〜!!」
佳観阿は駅名が書いてある所をみた。
静岡駅
「・・・え?静岡?」
「静岡って・・・九州にあるんですか?」
雪女は県名は少しだけ知っているが、正確な場所は知らない。
「・・・あ、ああ!!九州にあるんだ!!静岡県博多市が!!」
「じ、じゃあ・・・此処が九州って事ですか?」
「あ、ああ!!そうだ!!此処が九州だ!!」
佳観阿は嘘を付いた。極めて雑な嘘を・・・
スッ、ゴニョゴニョ
『そんな嘘を付いて、大丈夫なんですか?』
八美嘉が佳観阿の耳元でそう言った。
『あ、ああ・・・多分大丈夫だ。何せ、ゆっき〜は県名しか知らないからな』
『そ、そうなんですか・・・』
「ん?ご主人様〜!何話してるんですか?」
「い、いや・・・何でもないさ」
「そうですか?なら良いんですけど・・・あっ!」
ご主人様!!あれ!!
「あれ?あれって・・・」
佳観阿は雪女が指差している方向を見た。
彼処にHな本が!!
!?
「ち、ちょっ・・・ゆっき〜・・・あれはダメだ」
「?何がダメなんですか?」
「いや、それは・・・あれだ、物凄くHな本だからだ」
どれぐらいですか?
「それはだな・・・」
スタスタ、ひょいっ、スタスタ
佳観阿はその本を拾い、また此方に戻って来て
これぐらいだ
佳観阿は本を適当に開き、そのページを雪女に見せた。
・・・ボッ!
雪女は瞬時に顔が赤くなった。
「こ、こんなにも・・・女性が裸で地面に手をついたり、お尻をこっちに向けたり・・・す、凄い破廉恥ですね・・・これは私が貰います」
そう言いながら佳観阿から本を取り、懐に入れた。
「何で預かるんだよ・・・てか、此処ってもうそれしかないのか?」
「多分なさそうですね、どうします?」
・・・いやっ
「他にも何かあるか探すか」
そうしましょか
スタスタ
「此処に何かあるかわかんらが・・・取り敢えず入るか」
スッ、ギィー
佳観阿は静岡市美術館の中に入った。
そして雪女は静岡科学館る・く・るに入った。
そして八美嘉は静岡駅の中に入った・・・
・・・やっぱり美術館の何処が良いかわかんねぇ
佳観阿はゆっくりと中を見て回った・・・
ザザッ!ザザッ!
!!?
「な、何の音───」
佳観阿は後ろを振り向いた。
するとそこには剣が3本、体長3mのダビデ像、物凄く古い盾の様な物があった。
「ま、マジか・・・物が1人でに動いてる・・・すげぇ!!」
佳観阿は近付いた。
・・・!!
「そう言えば、こう言うのって近付くと攻撃される奴じゃん、大丈夫かな?」
佳観阿歯そろりそろりと近付き、1つの剣に触った。
ビロンッ!
【天叢雲剣を獲得しました。他にも獲得できる物がありますが、獲得しますか?】
「な、何が何だか分からんが・・・はい」
ピロンッ!
【分かりました】
ピロンッ!
【正宗、村正を獲得、そして八咫鏡を獲得しました】
「お、おお・・・全部本物なのか?」
ピロンッ!
【偽物に決まってるじゃん、馬鹿?】
「あっ、すいませ───ん?馬鹿?」
「ま、まあ良いや・・・それより」
これ・・・どうしよっかな〜
佳観阿は一気に3つの剣と鏡をゲットし、少し歩き辛くなっていた。
「と、取り敢えず外に出るか・・・」
佳観阿は村正と正宗を地面に引きずり、鏡を懐にしまって、歩いた・・・
・・・!!こ、これは・・・
八美嘉は見た。
静岡駅内に沢山転がる人間の死体を、そして真っ黒の中に白く(・_・)と書いてある仮面を被っている服が全部血だらけの男が1人いた。
「ありゃ、まだ生き残りが居たか・・・なら、ここで殺すまでだ」
シュッ!ビュッ!
男はポケットから青色のバタフライナイフを取り出し、走り、此方に向かってきた。




