33話 九州へ
スッ、ドサッ!
氷華は約3m程飛ばされ、地面に倒れた。
痛てて・・・ちょっと!
「何で殴るの?私達仲間じゃ・・・」
「それはゆっき〜を助ける為の嘘に決まってるじゃん、バカなん?」
ゆっき〜、もう行こうぜ
あ~い
・・・あっ、あんたも来なよ
「え?俺も?」
そうだよ
「・・・分かった」
すいません、氷華さん・・・
スタスタスタ
3人はその場を後にしようとした。
ドクンッ、ドクンッ
え?氷華ちゃんって何で学校に登校してるの?障がい者は障がい者らしく、病院や家にでも居たら?
キャハハ!!
絶対に氷華を守るから安心しろ!
ギギッ、ブランブランッ
は、はぁ・・・はぁ・・・
氷華は思い出したくもない記憶を思い出した。
小学校、中学校で人権が無く、私を守ると言っていたのに首を吊って死ぬ兄を・・・
「い、嫌だ・・・行かないで・・・私を・・・裏切らないで・・・」
私が一体何をしたって言うの?私はただ・・・
ギュッ、
「皆と楽しく暮らしたいだけなのに・・・」
自身の右手を血が出るほど強く握りしめた。
・・・殺す
「私を裏切った奴等は死んでも殺す・・・絶対に!!」
おらぁ───
ドパンッ!
氷華の頭が破裂し、死亡した。
「ん?何か声が聞こえた様な・・・まっいっか」
佳観阿は後ろにある氷華の頭なしの死体に気付かず、その場を後にした。
スタスタ
キーン
?
「ちょっとご主人様?」
「?」
「この部屋にちょっと忘れ物したみたいで・・・先行っててください」
「お、おう・・・わかった」
チーン、ウィーン
また後でなぁ〜
ウィーン
佳観阿はエレベーターで下に降りた。
・・・さてと
「この部屋から聞こえた何かの音の手がかりを探しますか!」
って言っても・・・
この部屋って机とパソコン、椅子しかない質素な部屋だしなぁ〜、取り敢えず机の方を探すか
スタスタ、ドゴッ!
雪女は机を蹴りで横に倒した。
ガラガラッ!
キランッ!
「お?何か光ってるのがある」
スタスタ、ひょいっ
「・・・!!?こ、これって・・・」
何?
雪女は何かを拾った。
縦40cm.横20cmの小さな小瓶の中に赭い星と紙が入っていた。
雪女は紙を取り、中を見た。
この小瓶の中に入っている赭色の星は九州地方、鹿児島の桜島の何処かで使える。これだけは覚えておく
「・・・?良くわかんないけど・・・多分重要な物みたいな奴かな?まあ今はご主人様に渡しとくか」
スッ・・・ダッ!パリーン!!
雪女はダッシュをし、窓を突き破って外に出た・・・
・・・
(あっ、そう言えば・・・小説は羽田空港の後は何処に行ってたっけな)
確認確認っと〜
ダーリングラードは羽田空港を去った後、次なる目的地として九州地方に向かった。
(次は九州地方か・・・そう言えば親戚のばあちゃんが住んでる所も九州だったな・・・)
久々におばあちゃんに会えるといいな・・・
ウィーン、スタスタ
「そう言えば八美嘉さん」
はい、どうしましたか
「あんな事を言った後であれだけどさ・・・」
?
「ホントに俺の方に着いてきても良かったのか?」
・・・はい、氷華さんより貴方の方が強く、自由に生きていると直感で感じ取ったので、着いていくなら貴方の方がいいと思ったんで」
「そ、そうなん───」
パリーンッ!
!!?
「え!?何のお───」
ドォン!!
シュウー
「あれ?ご主人様達、ここまで来るの速すぎやしません?」
ビルの最上階から雪女が飛び降りてきた。
「いやいや、ゆっき〜の方が早いって、てか何で飛び降りてきた?」
・・・別に?ただ暇だったから、紐無しバンジーの様な体験をしたかったから
「そ、そうか・・・なら別に良いんだが・・・」
「あっ、それよりゆっき〜」
「はい?」
「俺・・・次行く所決めた」
「何処ですか?」
俺達は九州地方に行く!!
「おおっ、突然何故?」
ふっふっふっ・・・
「何となくだ!!」
・・・は?
2人は馬鹿を見るような目で佳観阿を見た。
「な、何だよ・・・」
・・・まあでも?
「私もご主人様と同じで九州に行きたかったですよ」
「何で?」
「この小瓶の中に入ってた紙に九州に行けって書いてたんで・・・」
「おっ、マジか」
じゃあ今から九州にレッツゴー!!
鹿児島県鹿児島市 マリンポート鹿児島
クチャクチャクチャ
・・・暇すぎるなぁ〜
「速く強え奴こねぇかな」
・・・あっ、ガムなくなった




