3話
「ハッピーエンド?」
「ああ、俺が書いてた奴はバットエンドで終わったからな」
「ふぅ~ん、なら何で最初からハッピーエンドで書かなかったの?」
「それは・・・」
佳観阿は重い口をゆっくりと開けた。
ダーリングラード以外のキャラが全員死んでしまったからな・・・もうそうする事しか出来なかった。
佳観阿はダーリングラード以外全員死んだ時、何個か他の展開を考えていた。
1つ目
そのまま一人でラスボスを倒し、世界を救う。だが仲間が全員自分のせいで死んだ事にずっと罪悪感を抱く。そして最終的に自殺をする。
2つ目
ラスボスとの戦闘に負け、世界が崩壊する様を見ながら後悔、悲しみ、罪悪感に明け暮れながら死ぬ。
3つ目
そのままラスボスを倒す。そしてダーリングラードは一般の女性と結婚をする。
そしてダーリングラードは女性と自分のせいで亡くなった仲間達の墓参りに行き、物語は終わり。
この3つの中から佳観阿が選んだのは、2つ目の奴だった。
「でも3つ目もまあ捉え方によればハッピーエンドだし・・・普通に3つ目にして終わらせた方が良かったんじゃない?」
浄安はそう言った。だが
「俺も3つ目が良かったんだよ・・・だけどな・・・もう展開的にはそうするしかなかったんだよな」
どのみち、SRAをハッピーエンドに出来なかった佳観阿は渋々バットエンドの道にした。
「へぇ~・・・!?」
特殊スキル発動 反響定位
キィーン・・・
「そこにいるのは誰───」
浄安は後ろを振り向きながら約10m遠くに向かって言った。すると
シャッ!
浄安の顔に一つのナイフが飛んできた。
危なっ!
間一髪避けたが、頬に少し掠り傷が出来た。
「ちょっ!そこにいる人!!危なかったんですけど!?」
遠くにいる男は少し薄ら笑いを浮かべながら木の後ろから出て、こちらに来た。
(・・・あれ?あの男・・・もしかして・・・)
佳観阿は小説を見た。
SRA 3話 中盤
ダーリングラードと話をしていた浄安は突如、何かに気付いたのか後ろを振り向いた。
すると浄安の向こう側から一つのナイフが飛んできた。
「危ない!浄安!!」
ダーリングラードは浄安の手を掴み、避けた。
「おやおや、私の攻撃を避けるとは、流石ダーリングラード様」
薄ら笑いを浮かべながらこちらに向かって来た男、この男の名前は「風神遊真」、物語に後々登場する「メディラー・ハードシューター」の仲間である。
(そうだ!風神遊真だ!)
すぅ~・・・ふぅ・・・
「おい!風神遊真!!」
その名を叫ぶと、男は驚いたかの様な顔をし
「え・・・何で俺の名前を知ってんだ?」
そう言った。
「何で知ってるのかって?それはだな・・・」
・・・
「まあ良いや」
「っておい最後まで言ってくれよ!気になって気になるじゃないか!!」
「まあ後々教えてやるよ・・・そう言えば浄安」
「ん?どうした?」
「ダーリングラードは何処だ?本当ならここに居る筈なんだけど・・・」
そう言うと浄安は悲しそうに
「ダーリングラードさんは・・・雨夜と二人きりでトイレに行きましたよ」
「・・・?トイレ?一体何・・・」
あっ!!
SRA 3話 中盤
そして、ダーリングラードは遊真を撃退した後、雨夜と一緒に男子トイレに行った。
「ちょっ!リーダー!?一体俺に何を・・・」
がばっ!
むぐ!むぐぐ!
ダーリングラードは雨夜の口を思いっきりふさいだ。
「何って・・・決まってるだろ?俺の性欲をお前で処理するんだ」
そう言いながらズボンを脱いだ。
「え!?ちょっ!俺にはそっちの方には興味ないんで───」
ポロンッ、
「うわっ・・・日本刀じゃないですか・・・」
約50分後、二人は汗だくの状態でトイレから出て来た。
(うわ~、俺がこう言う描写を描いたせいでこうなってんのか・・・まあいいか)
「まあダーリングラード達の事は置いといて・・・ん?あれは・・・何だ?」
佳観阿は見た。
豊橋駅の方向に一つ、牛久大仏の様に、大きな大仏が・・・
「あれは・・・!!?そうだ!思い出した!」
佳観阿は思い出した。
あの大仏はSRAの作品の中でTOP10に入る程の強さを持っていると・・・
「浄安!遊真!あの大仏はまず・・・」
特殊スキル発動 音より早く光より早く
特殊スキル発動 月は永遠と昇る
二人は同時にスキルを発動し、大仏の方に向かった。
「おい・・・俺まだあの大仏の特徴とか言ってないのに・・・取り敢えず俺も行くか」
佳観阿も全速力で大仏の方に向かった・・・
補足
音より早く光より早くは風神遊真が発動し
月は永遠と昇るは浄安が発動ました。