29話 VS雪の女王 Ⅱ
ピシッ、ピシピシッ
は、はぁ・・・
「な、何だ・・・手が・・・動かねぇ・・・」
佳観阿の右手は内側から凍り付いたかの様に動かず、銅像の様に右手が凍り付いていった。
「・・・大丈夫?」
「あ、ああ・・・多分大丈夫だ」
「そ、それより、今・・・どうなってる?」
「今?今は・・・リーダーとアンリフィアが連携攻撃をしてるけど、しかもリーダー達が劣勢」
・・・マジかよ
固有スキル発動 何でも作れる奇跡の結晶
パキパキッ
カチャッ、ガチャッ!
バンバン!!
雪女は氷でハンドガンを2丁作り、沙玖嗚とアルファライン目掛けて撃った。
固有スキル発動 鉄壁防衛線
キンッ!キンキンッ!
「良くやったアンリフィア!!」
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ」
固有スキル発動 天下の大傍船
ヒュー
・・・?
雪女は上空から何か音が聞こえたので、上を見た。
するとそこには約100機の蒸気船があった。
行け
ヒュー・・・ドガガガァン!!
蒸気船から数えるのに気が遠くなりそうな程大量にある直径2mの爆弾が落ちて来、雪女から直径1kmに爆弾が落ちた。
ゲホゲホッ!
はぁ、はぁ
「よ、ようやく手が動いてき───」
パキパキッ
え?
パキパキッ!パキーン!!
煙くてあまり見れなかったが、足元に氷が張り付いており、そのまま氷が佳観阿の全身を覆った。
「お!弟さん!!」
アフィストアが佳観阿の方に走った。
タッタッ!
ガンガンッ!
「弟さん!!大丈夫ですか!?」
アフィストアは氷を思いっきり叩き、佳観阿を救出しようとした。だが無理だった。
「佳観阿!!大丈夫か!!」
今度は沙玖嗚が此方に来た。
「た、たぶん大丈夫だとは思いますが・・・このままだと、氷ごと真っ二つにされ、殺されると・・・」
・・・そうか
沙玖嗚はゆっくり小さく言い、ゆっくりと雪女の方を向き、静かに歩いた。
スタスタ・・・
「お前、今から俺に殺されるが、覚悟は良いか?」
・・・?
雪女は困惑をしていた。
・・・後悔しても遅いからな
伝説スキル発動 天竜活気・帝龍宮朱磊
・・・?
雪女は何も起こらず、少し戸惑───
パァン!!
雪女は突如、身体が破裂した。
肉片も残らずに・・・
・・・ふう
「これで良いや」
さてと、今から佳観阿を救出に行きますか
タッタッ
タッタッ、ピタッ
すぅ〜、ふぅ〜・・・
はっ!!
ボォッ!!
沙玖嗚の掌から約3000 ℃の炎が噴き出た。
その炎は佳観阿を凍らせた氷を一瞬で溶かした。
・・・!!?ぶはぁっ!!
はあ、はぁ
「た、助かった・・・ありがとな沙玖嗚」
「おうっ、良いって───」
ズバッ!
がはっ!
沙玖嗚は突如、背後から背中を一刀両断され、倒れた。
「さ、沙玖嗚!!」
佳観阿は沙玖嗚を抱きかかえた。
「・・・ゆっき〜、何で沙玖嗚を殺した?」
雪女は氷で出来たアーサー王の剣を右手に持ち、剣先を地面に付かせ、その場に立っていた。
・・・
「そうか、何も言わないって事は俺もお前を殺しても良いって事だな」
式神召喚 前二 朱雀 天一 貴人
固有スキル発動 天降り注ぐ炎の雨
固有スキル発動 土の土龍
・・・
固有スキル発動 血液結晶化
ピシピシッ・・・シュウー
朱雀と貴人の血液全てが刹那に結晶と化し、固まり、地面に倒れた。
「お、おい!!大丈夫か!!」
固有スキル発動 絶対零度の永獄監禁牢
パキッ、パキパキッ!
(うっ!くそっ!やられた!!)
佳観阿の身体中に絶対に溶けたり落としたりする事の出来ない氷が纏わりつき、佳観阿を中心とした半径1mに厚さ2mの氷を出した。
スタスタ
雪女は此方にゆっくりと歩いてきた。
(ま、まだだ!俺にはまだやるべき事が───)
特殊スキル発動 覇王六桂
ズガァン!!
バキンッ!
佳観阿の周りにあった氷が全て粉々になくなった。
!!?
雪女も凄く驚いた。
(な、何だこのスキル・・・ん?そう言えば・・・)
SAR30話中盤
う〜ん・・・
「ダーリングラードの修行が終わって、新しく得たスキル、何て名前にしようかな・・・」
迷うな〜
佳観阿は格好良く、厨二病の人が好きそうな名前を小一時間考えていた。
・・・あっ、まあ・・・これでいいや
ダーリングラードは修行を終え、新しく得たスキル「覇王六桂」を眼の前に居る敵に初めて使った。
「このスキルはもしかして・・・」
よう・・・久しぶりだな
佳観阿の背後には白のロングコートに白の服、白のズボンを着て、手を振り払っているダーリングラードがいた。
天竜活気・帝龍宮朱磊
このスキルは簡単に言うと、何でも出来る。




