28話 VS雪の女王 Ⅰ
「い、いえ・・・ただ・・・息がしにくくなって、苦しかったので」
「そう?ならいいんだけど・・・」
はぁ、はぁ・・・
(な、何だろう・・・この鼓動・・・身体がどんどん熱くなってきてる)
それに・・・
(思い出したくも無い記憶と力が噴出きそう・・・)
ドクン、ドクン
・・・うっ、
うがぁぁああ!!
雪女は突如、目が黒くなり、服も黒い厨二病が好む様な服に変わっていた。
・・・キーン!!
!!?
(何だ!?突然耳鳴りが・・・)
ゴウッ!ダッ!
突然、佳観阿の右横に紫色の門が開き、中から沙玖嗚が飛び出してきた。
はぁ、はぁ!
ダッ!ガシッ!
「佳観阿!!大変だ!!」
沙玖嗚が滅茶苦茶慌てながら走ってきて、佳観阿の肩を掴んだ。
「ど、どうしたんだ?沙玖嗚」
はぁ、はぁ
「お前の近くにいた氷を使う奴が突然暴走し始めた!!急いで俺と一緒に止めに入ってくれ!!」
!!?
な!?雪の女王が暴れた?
それが本当だったらマジでヤバい・・・
ガシッ!
「リーダー!!それって本当なんですか!?」
アフィストアは沙玖嗚の肩を掴み、ブンブンと揺らしていた。
「あ、ああ・・・本当だ・・・」
・・・くそっ!
アフィストアは一足先に血気門の中に入った。
・・・俺もこうしちゃ居られん!
「沙玖嗚!!早くこの縄を解いてくれ!!」
「ああ!任せろ!!」
ズババッ!
沙玖嗚は手刀で全ての縄を切り、佳観阿を動ける状態にした。
「NICE!じゃあ行くぞ!!」
おう!
佳観阿と沙玖嗚も一足遅れて血気門の中に入った。
・・・
私達も入る?
まあ入った方が良いだろ、リーダーやアフィストアに何か言われるとあれだし、アルファラインもどうする?
「ん?俺はここにいるよ、面倒くさいし」
分かった、じゃあ行くぞアンリフィア
は~い
アンリフィアとアンディラも血気門の中に入った・・・
・・・
「ようやく全員行ったか」
もう出て来ていいぞ!
ひょこっ
「さあ、ループディスト、俺達は今から異界の均衡を崩す、いいか?」
コクッ
よしっ、じゃあ行くぞ
ボワッ!タッ!
おっとっと!
「ようやく戻って来た・・・!!?寒っ!何だコレ!!」
佳観阿は元の世界に戻ってきたが、そこは氷の海景色になっており、肺が凍りそうな程の寒さが刹那に襲いかかってくる。
はぁ・・・はぁ・・・
「さ、寒い・・・な、なあ沙玖嗚」
ガチガチガチ
「な、何だよ佳観阿・・・」
沙玖嗚は寒すぎて、身体中が震え、口でガチガチと鳴らしている。
「ゆ、ゆっき〜ってホントはこんなにやべえのか?」
「あ、ああ・・・俺も少しだけ知っていたが、まさかこんなにもヤバいとは思わなかった・・・あれは」
計算外だ
雪女は掌から霧の状態になっている氷を永遠に出し続け、周囲を凍らせていた。
固有スキル発動 銀河星九歩
キラッ、キラキラッ
「ん?何だ?・・・星?」
突如、半径100kmに星空が展開された。
キラッ・・・ピカッ!ズドォン!!
突如、直径5万kmの星の形をした氷が佳観阿の頭上に落ちてきた。
「だ、大丈夫か佳観阿!!」
はぁ、はぁ
「あ、ああ・・・大丈夫だ・・・」
「ありがとうございます、アフィストアさん」
ふんっ!
「別に?ただ、死なれちゃ困るからね」
「それより、雪の女王は一体どうやって倒す?」
そうっすね〜・・・
佳観阿は考えた・・・
!!?
「これなら行けるかも・・・ちょっと此処で待ってて下さいね」
ダッ!
佳観阿は雪女に向けて走り出した。
・・・?
「一体何をするつもり何だろ、リーダーの弟さんは」
タッタッ、ピタッ
すぅ~・・・
「ゆっき〜!!!此方を見ろ!!」
・・・?
雪女はゆっくりと此方を見た。
「少し距離は遠いが・・・これで行けるはず!!」
特別スキル発動 五芒星の中の禁紋
キュイーン!!
突如、雪女の下から五芒星が現れた。
そしてそのまま、雪女を封印した。
ガンガンッ!
雪女は見えない壁を力強く叩いて出ようとしていた。
はっ
「無駄だよ、この結界は絶対に壊れ───」
ピキピキッ
あれ?
ガジャァーン!!
佳観阿が仕掛けた安倍晴明の結界が呆気なく、雪女に破られた。
「はっ・・・マジか───」
ドォン!!
佳観阿は鳩尾に殴りを食らい、そのまま地面に倒れた。
は、はぁ・・・はぁ・・・
「さ、寒い・・・」
?
「寒い?そりゃ当然でしょ、だってこんなに氷が幾億もあるんだから」
「い、いや・・・違うんだ」
「何が違うの?」
は、はぁ・・・
「か、身体が内側から凍りそうな程冷たいんだ」




