24話 血気門
ガブッ!ガブッ!
「や、やめろ!!ホントに痛いから!!マジで!!」
いい加減離れろ!!
ボコッ!ボコッ!
沙玖嗚も負けじと佳観阿の顔面を幾度となく殴った。
・・・!!
「お、お前!!その齒・・・」
・・・あれ?
チラッ、チラッ
あれ〜、何処行ったかな〜
雪女は氷で作った刀を地面においていた筈だが、無くなっていたので、近くの地面、デスライシンの方を見た。
ガチッ、ガチッ
「ああ、これ?これは・・・ゆっき〜が作った氷を改造して作った齒だ」
佳観阿は上の両方の犬齒に氷を付け、鋭くし、殺傷能力を高くした。
「さあ、まだまだ行くよ?」
ガリッ!
うわっ!!
今度は沙玖嗚の喉仏ら辺を噛み千切った。
うわぁ~!!
「マジで痛てぇ!ホントに痛てぇ!!」
沙玖嗚は参照してある部分を手で押さえながら言った。
はぁ、はぁ
「く、くそ!!まさかお前にこんなやられるとは思わなかった!!いつの間にそんな強くなったんだ!?」
「さあ、俺でもイマイチ・・・」
・・・ふっ
「まあいい、俺にはまだまだ保険はあるからな!!」
遺物使用 故人思ふ見えない将来の姿
ガサゴソ、
スッ、バキッ!!
ガリッ、ボリッ
沙玖嗚はズボンの右ポケットから小瓶を取り出し、中には入っている、黒い粒を全部手に出し、そのまま食べた。
・・・ドクン、ドクン
ふしゅぅー
「俺はまだ・・・まだやれる!!」
うぉぉぉお!!!
ビリビリッ!
(な、何だ!?あの強烈な殺気は!!それに・・・)
ズカッ、ズカッ
(あんなゴリマッチョになって・・・ボディービルダーより筋肉の質がいいな)
佳観阿は心の中で沙玖嗚の身体を褒めていると
ドガッ!
ぐえっ!
突然、何処かからか胸に打撃が飛んできた。
(え!?一体何処から殴られた?)
佳観阿は辺りを見渡していると
ヒュッ、バゴンッ!
今度は左腕に攻撃された。
・・・!?まさか!!
佳観阿は沙玖嗚の肩や腕、筋肉の動きを緻密に見た。
・・・ピクッ
(来るっ!!)
シュッ!
ヒュッ!
!!?
「・・・は?何で避けれた?」
沙玖嗚は自身の攻撃を避けるのが絶対に不可能だと信じ切っていたので、佳観阿が自身の攻撃を避けた事に対して、困惑していた。
はぁ、はぁ!
「よ、避けれた・・・マジ危ねえ」
沙玖嗚の攻撃速度は音速をも超える程の早さである。
だが佳観阿はそんな攻撃を間一髪で避けた。
「つ!次も来るな・・・」
ピクッ
(来る!!)
シャッ!
危っぶねぇ~!!
今度は顔目掛けての攻撃だった為、下にしゃがんで避けようとした。結果、髪の毛が掠っただけだった。
・・・ふぅ
ポキッ、パキッ
「お前・・・沢山俺に攻撃したよな?」
「あ゙あ゙!!?それがどうした!!」
「ならさ・・・」
今度はもう俺の番って事で良いよな?
ダッ!
佳観阿は指をパキパキと鳴らした後すぐ、沙玖嗚目掛けて走った。
ヒュッ、ズガァン!!
佳観阿は沙玖嗚から約3m離れた所からジャンプをし、回転し、右足で沙玖嗚のこめかみを蹴った。
ズダァン!!
そのまま右足に力を入れ、沙玖嗚を地面に倒した。
「まだまだぁ!!」
ガッ!ガッ!
佳観阿はそのまま沙玖嗚を殴ったり蹴ったりした・・・
はぁ、はぁ
「お、終わったか?」
約10分間本気で殴る蹴るをしていた佳観阿、血だらけとなっている沙玖嗚を見て、攻撃をやめた。
それにしても・・・
「ここからどうやって出れるんだ?」
佳観阿は上を見たり横を見たり下を見たりした。
だが、まだ出られそうにない。
出られる方法ならあるぞ
「おっ!マジ・・・で・・・」
・・・
やっ!
「またまた生き返ったぜ」
佳観阿の後ろには完全に傷が回復し、元の体型に戻っている沙玖嗚がいた。
!!?
「な、何で立ち上がってんだよ!!いい加減死ね!!」
いいや、俺はまだまだ死ねない
「何故なら?俺はまだ本気を出していないからだ」
・・・は?
「まだ本気を出していない?嘘を付く───」
特殊スキル発動 運命の道標
ぐるんっ
は?
突如、佳観阿の視点がぐるんと回り、世界が上下反対になった。
(何が・・・起こった?)
佳観阿は気付いていない。
今、佳観阿がどんな姿をしているのかを・・・
首の可動域を超越し、首の骨が皮膚を貫通し、飛び出ている。
そして頭が下に180度回転し、気持ち悪い風になっている事を・・・
最後の佳観阿の姿を簡単に描くと
顎
口
鼻
目 目
髪髪髪
大体、こんな風になっている。