22話 虚空の道 Ⅵ
「ま、黛・・・沙玖嗚?」
はい!俺が黛沙玖嗚です!!
沙玖嗚は子供の様に元気で大きく、耳障りな声を出した。
「黛・・・って事はご主人様の家族?」
そう!大正解!!
沙玖嗚は慶びながら雪女の方に近付き
「なあなあ、あんた・・・異界にいる奴だろ?」
!!?
「ど、どうしてそれを・・・」
ははっ!
「大丈夫大丈夫、俺もついさっきまで異界にいたから」
・・・
「なああんた・・・今、暇か?」
?
「今・・・暇じゃないけど」
「そうか、暇か・・・分かった」
え?あの〜、人の話聞いてますか?
「暇ならさ・・・俺の最高傑作である奴等を倒してくれ」
特別スキル発動 空間破壊の者達
ズププ、
沙玖嗚の背後から、3体の全身白金の鎧を着た体長3mの男が現れた。
殺さないようにしろよな、お前等
コクッ
ガシャッ、ガシャッ
男3人は雪女の方に向けて歩き出した。
「え、こっち来ないで・・・キモイ」
雪女はそう言いながら氷で剣を作り、男3人を腰に太刀を入れ、横に一刀両断した。
ズシャッ!
・・・あれ?
「弱すぎ、何が最高傑作じゃ」
覚悟〜!!
雪女は沙玖嗚に飛びかかった。
だが、
シュンッ!
!?
「え!?消え───」
ドゴッ!
かはっ!
雪女は背後から強烈な一撃を食らい、吹っ飛び、地面に倒れ込んだ。
か、かひゅ・・・
(い、息がし辛い・・・苦しい!!)
はぁ、はぁ・・・
雪女は背中に気絶する程痛みが走り、立とうとしても、力が出ず、立てない。
おぉ〜
パチパチ
「やるじゃん、俺が思う中で最高傑作の物を出したのに、それを倒すとは」
沙玖嗚は拍手をしながら雪女に近付いた。
「どれ、ここからは俺がやってやるか」
特殊スキル発動 星級燗把・百式迅纏嚢
・・・?
(沙玖嗚さんの足元に・・・星型の魔法陣が出てきた、一体何が始まるんだろ)
雪女はじぃ〜っと見守った。
ピカー!!
(うっ!目が!!)
雪女は突然の光に、目を瞑った。
・・・おっ?
(収まったかな?)
雪女は目を開けた・・・
!!?
「な、何・・・その姿は」
雪女は見た。
眼の前に居る沙玖嗚が何と、女性になって、服もなんかエロい感じの奴になっていた。
ふぅ〜
「やっぱりこれを使うのは疲れるねぇ〜、でも・・・」
ヒュッ、ゴスッ!
ごはっ!
(な、何!?全然見えなかったし、しかも威力もさっきより段違いに強くなってる!!)
パキ、パキパキッ
雪女はすぐ自身が思う最高硬度の氷で刀を作り、思っきり身体を動かし、速度の限界突破を超え、沙玖嗚に斬り掛かった・・・
ズバッ!!
・・・ドサッ
はぁ、はぁ・・・
「も、もう身体が動かない・・・どうしよう」
雪女は自身の身体の限界を超えた故に起こった身体中の痛み&疲労感により、その場に倒れた・・・
はっはっは!
「やるじゃん、あんた・・・この俺に傷を付けるなんてよぉ〜」
沙玖嗚の左腕に15cmの切り傷が出来た。
・・・ははっ
「それだけしかダメージを与えられてないのね・・・でも!私にはまだまだ打つ手はある!!」
勝手に召喚!天狗と八岐大蛇!!
雪女の背後から天狗と八岐大蛇が現れた。
はぁ、はぁ・・・
「や、やっちゃって・・・2人共」
固有スキル発動 怒りの大暴風
固有スキル発動 大地の神の怒り
ゴゴゴゴゴッ
「何だ・・・この揺───」
ズドドドドォン!!
沙玖嗚の上部から雷が落ち、その後に風速約100m以上の風が吹いた。
そして地面が縦横大きく揺れた。
・・・ニヤッ
「佳観阿の奴・・・凄く強い仲間を手に入れたな!!」
俺も負けねぇぞ!!
特殊スキル発動 鬼神伝・天真彪馬
スチャッ、ボォ!!
沙玖嗚の手元に召喚された刀は紅く、紫色の炎を纏った。
スッ・・・ボォン!!
沙玖嗚は刀を上に挙げ、思いっきり振り下ろした。
沙玖嗚を中心とした半径10kmが約1万度の高温により、焼け野原と化した。
・・・
「やっぱりこれは使うと一瞬で敵が死んじゃうんだよな・・・これに耐えられる奴は居ないんだ───」
ズシャッ!
え?
ボトッ
沙玖嗚は何かに斬られ、首が地面に落ちた。
(な、何だ!?何が起きた!?)
沙玖嗚は戸惑っていると
ねえ・・・貴方
「あんまり調子乗ってんじゃないよ」
マジで気持ち悪いから
デスライシンは雪女の氷で鎧を作り、それを着用し、沙玖嗚の首を切った・・・