16話 虚空の道 Ⅳ
「お、おい・・・どうしたんだよ、ゆっき〜、そんな怖い顔し───」
ズガァン!!
かはぁっ!
佳観阿は様子が可笑しい雪女に近付いた。すると雪女は刀の持つ部分で鳩尾を攻撃してきた。
はぁ、はぁ
「ち、ちょっと・・・ゆっき〜、ホントに何・・・やってくれ・・・てんだ・・・よ」
ガクッ、
佳観阿はその場で力尽きた。
「・・・ねえ雪女さん」
ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・
「殺す、死んでも殺す、四肢をもがれても呪い祟り殺す」
雪女は目の前にいる敵に対して、物凄い憎悪を抱いていた。
「・・・何でそんなに殺したがるの?」
デスライシンは聞いた。
「・・・私の居た国を滅ぼした奴等の一人が、此奴だから」
!!?
「え!?・・・マジで?」
「はい、あれは私が小さい頃・・・」
今から約■■■年前
異界 ■■■国
お父さん!お父さん!!しっかりして!!ねぇ!!
敵の炎攻撃により、国全体が焼け野原となっていて、人々は逃げ惑っている中、雪女は瓦礫により下半身を潰され、動けなくなっている父親を助けようとしていた。
※この時既に、雪女の母親は王様の直属の親衛隊により拉致られ、そのまま王様に犯され、国で一番大きな湖で自殺をした。
は、はぁ・・・はぁ・・・
「あ、藍那(雪女の本名)・・・お、俺の事は良いから早く・・・逃げろ」
はぁ、はぁ、
「い、嫌だ!!お父さんと一緒に逃げるの!!」
雪女は泣きながら瓦礫を退かそうとした。
「あ、藍那・・・一つ・・・頼みがある」
はあ、はぁ、
「な、何・・・?」
「い、いつか・・・藍那が大きくなったら・・・この国を滅ぼして・・・俺と摩耶花(雪女の母親)の仇を取ってく───」
ズシャッ!
・・・?
ここに・・・誰か・・・居たのか?
まあ・・・いいか
黒いマントを着、大きな鎌、そして本を持っている大きな人間らしきものが現れた。
それは今、デスライシン達の前に現れている異端裁判官だ。
「・・・?誰だ・・・お前」
異端裁判官はゆっくりと雪女に近付いた。
「お前・・・まさか・・・■■■?」
そうか・・・なら・・・殺すしかない
固有スキル発動 生と死の狭間
・・・ドクンッ、ドクンッ、
(な、何・・・?む、胸が・・・痛い!!)
突如、雪女の胸に激痛が走り、意識が朦朧としてきた。
「これで・・・■■■の末裔を絶やす事が出来た。あの人の所に戻らなきゃ」
スタスタ、
「ま、待って!!」
がはっ!
(や、やばい・・・もう・・・だ・・・め」
ガクッ、
雪女はその場で倒れた・・・
・・・ピクッ、パチッ
「・・・ん?ここは・・・何処?」
雪女は目を覚ました。目の前に広がっている景色は見た事がない所だった。
そこは約50mの叢、白のコンクリート、そして真ん中に約10mの噴水があった。
雪女は辺りを見渡していると
おっ、ようやく目を覚ましたね?
そう言いながら一人の女性が来た。
白のパーカー、黒色のショートパンツ、裸足でピンク色のクラゲヘアの女性だ。
「?誰ですか?」
雪女は少し怯えながら答えた。
「私?私はね・・・この天空広場の主、サーガ・ローラクライム、宜しくね子猫ちゃん♡」
ゾワッ!
突如、雪女に悪寒が走った。
(な、何この女性・・・凄く気持ち悪い!!)
「は、はい・・・よろしくお願いします」
・・・
「それで・・・ここって何処なんですか?見た所、空の上にいる様な感じがするんですが」
雪女は立ち上がり、恐る恐る女性に近付いた。
「様な感じがするじゃなく、ホントに空の上にいるの!!」
!!?
「え!?そうなんですか!?」
「そっ!ここはね、異界で一番高い所にあるんだよ、知ってた?」
異界では、普通の世界とは少し違って、世界は平面状に、そして大陸は3つに分けられている。
まず、1つ目は空から見て左側にあるハー・へグラン大陸。この大陸の特徴は、大陸全体が-273℃の絶対零度の為、寒さに特化(?)している種族(例:雪女.ペンギン.シロクマ)
そして2つ目はンガメナ大陸
この大陸の特徴は、毎秒毎秒数万もの雷が落ちたり、降水量5000mmの雨が降ったりする。
水系のモンスターが多々いる。
そして3つ目はリリーラ・ドンナ大陸
この大陸の特徴は、悪魔がいる。
低階級の悪魔や高階級の悪魔が大陸全土にいる。
この大陸の中央に魔王城がある。
他にも数え切れない程、海や空に小さな島国が存在する。
そしてこの天空広場は、1つ目の大陸のハー・へグラン大陸の上空1万mにある。
「それでね」
スタッ、
女性は雪女と一緒に座り
「私・・・貴方りお願いしたい事があるの」
「お願い・・・一体どんな?」
女性はゆっくりと口を開き
「私と結婚をして欲しいの」