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色彩の怠惰  作者: 憂ヰ 蓮薫
2/2

プロローグ2

気怠そうに家を出て学校に向かう。

少し歩いたところで後ろから俺を呼ぶ声がした。

「おーい! カナメ! おはよっ」

幼馴染のケントはいつものように朝からテンションが高い。


「ケントか…朝から元気だなぁ」


「カナメがテンション低すぎなんだよ!

今日は特定式だぞ! ついに俺は普通の人間から

色付きスーパーヒーローに進化するんだぞ!」


ケントは昔からヒーローとか英雄とかに憧れている。


「色付きなんて面倒くさいだろ…

無色でいいよ…俺は」


「馬鹿言え!

そもそも運動神経抜群のカナメが無色なんて有り得ないだろ! 俺が思うにカナメは三原色に近い色、いやもしかしたら世界で二人目の三原色の色付きかも…て思ってるんだぞ!」


世界でも一人しかいない三原色の色付きは世界中の子供たちの憧れであり、世界平和の象徴の一角でもある。

純粋な赤の持ち主で現アメリカ大統領のアレックス•レッド•フリー

圧倒的な人気に加え世界最強の炎の使い手だ。


そんな話をしている間に学校に着いた。

教師たちは慣れた動きで特定式対象生徒を体育館に誘導する。


「やばー!どうするー! ついに色決まるよー!」

「それなー!! うちら最強の三原色JKとかあるんじゃね!!」

「なにそれ!ウケるー!」


ケント以上にテンションの高い女子達を横目に特定台の列に並んだ。


「おはよっ」

同じクラスのサヤカだ。

「おう おはよう

サヤカもテンション上がり勢か?」


「そんなわけないでしょ! 私は無色でいいよー

普通に生きたいもん…(笑)」


「同感だ」

サヤカの父は寒色系色付きの警察官だったが、暴力団同士の抗争の制圧作戦中に色付きの異能による爆発に巻き込まれて亡くなった。


「お父さんのことは誇りに思うけど、同じくらい馬鹿だと思ってるから、私は無色の普通JKでいいの」


「ちょっとサヤカー! うちらのことディスってるー?(笑)」

さっき騒いでた最強JKが絡んできた。


「リョウコもミサキも朝からテンション高すぎ!(笑) みんな私と一緒に無色になっちゃえ!」


女友達には明るく楽しそうに接するサヤカを

俺は尊敬している。


気づけば順番が回ってきていた。

「はい次の人ー!」


「あ はい お願いします」

色彩特定液に注射で採取した血液を入れ、特殊顕微鏡で色を特定する。

この世界の約40%が色付きとされていて

基本的には無色の人のほうが多い。

学校のような狭いカースト社会では色によってのカースト変動も激しく社会問題にもなっている。


「…君はねぇ…ん?何色だこれは?…」


担当医が特定に時間がかかっている。


その様子を心配そうに見つめる看護師と少し目が合い気まずい会釈を交わした。





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