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楽しい食事

騒然とした入学式の会場を後にして

そのまま解散になった。



『おい、「手を挙げろ。裏切者はヤってしまうよ?」


『あーはいはい。』


素直に手をあげる。

加藤の茶番に付き合ってやる。


『お前、今日これからどうすんだ?』


『どうすんだって言われてもな。ちょっと街をぶらついて帰るよ。』


『何時に帰るんだ?夕飯は?』


『お前は俺の女房かよ。ったく。夕飯も済ませてくるし、帰りは就寝時間までには帰るよ。』



『ふっ。ビビりだな。尻に敷かれるぞ?』



『どういうことだよ、意味わかんね。』



軽くいなして去る。

担任が倒れて入学式が中止になるなんて初めてだ。その担任が倒れたので入学式後のホームルームが中止になるのも初めてだ。


『まあ、別に構わないのだが、、、』



俺は見知った道を歩く。

学校から少し歩くと市場が見える。

市場のメインストリートは人でごった返していた。ワイヤーや、LED電球、マイクロチップ、なんかの配線などさながらどこかの電気街で見たことのあるような代物ばかりだ。


俺はここが好きだ。

何時間でも時間が潰せる。



『おう、兄ちゃん、マイクロチップ安いよ?どうだ、1つ。』


『足りてるよ。ありがとう。』



売り込みでもよく声をかけられる。

昔見た映像でもよくこんな風に市場で声をかけられる風景を見たな。


駅降りてすぐ市場があるんだっけ。

確か近くには動物園というものがあったな。



なんだか懐かしい気分になった。


メインストリートから裏道に入る。


『この辺だったかな。』


暗い細道。

マンホールの蓋が空いている。



蓋をずらして中に入り込む。


ハシゴのカンカン鳴る音が少し緊張感を煽る。



最後のハシゴを降りる。

今は使われてない水道だ。

上水道だったから匂いはあまりないがそれでもどこかカビ臭さはある。


暗い道を懐中電灯一つで歩く。


『ネズミでもでればまだ風情があるんだけどな。』



出たら出たで悲鳴をあげてしまいそうだ。



しばらく歩くと、

ローブを纏った人物が数人、道を塞いでいる。



『お前、何をしに来た?』


銃を向けられる。

おそらく本物だ。



『いや、何って食事だよ?』


『合言葉を言え。』


『合言葉ねえ。えーっと今は、、確か、、』


メモを服から取り出す。




『今夜は美味しいカレーを召し上がれ、だっけ。』



ローブの奴らは顔を見合わせる。

何やらヒソヒソ話している。


『どういうことだ?』

『ほんと、5分前だぞ?合言葉変えたの、、』


少し緊張感が漂う。


『よし、通れ。』


『あいよ。』



俺は片手を上げて、道なりに進んだ。



今日はカレーが食いたい。

だから、あいつの店に行く。

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