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side???
「この前は災難だったなアイズ」
「ああ、全くだぜ」
空気羽の破片を収納した呼吸マスクを着け、壁に『光茸』の粉をつけて暗闇を静かに歩いていく。
先導はガドル。
その後ろに俺とアイズ、それからユーリとエレーヌとリッツが居る。
他のメンバーは少し距離を開けて後ろを付いてきている。
狭い道では魔物に襲われた時にフレンドリーファイア(仲間を攻撃する)の発生する可能性が多く、また崩落で全員が巻き込まれないよう二組に分けて行動しているのだ。
目的地は大型モグラの住む大穴。だった筈なんだが…。
進行方向から『また』蟻が現れてアイズが一瞬で蟻の首を飛ばす。すると、右の壁が崩れてもう一匹蟻が襲ってきたのでそれは俺が首を飛ばす。
「……蟻の数、多いわよね」
「…だな」
瓶に詰めてある光茸の明かりを何度か点滅させると後方からムサシが現れた。
「二体か?」
「ああ」
「いや、三体だ」
「まだティースが戻ってない。少し止まっててくれ」
「わかった」
ムサシに蟻の素材の引渡しをしていると、さらにアイズが仕留めた一体が追加された。
ムサシは大きな革を広げて三体の蟻を軽く包んで自分より大きな荷物になったそれを抱えて、後方に戻って行った。
ムサシはこのまま素材を宿に持って帰ってからまた俺たちの後方に合流をする。
足の早いスカウト達に運びを任せているが…先程ポールに頼んだばかりで少し前にはティースにも頼んだ。今回の行軍に居るスカウト三名が荷運びの状態になった。三名が居ないと後方はトレビィとダーン二人になってしまう。
それでは危険なので戻るのを待たざるを得ない。
その場で全員が座り休息を取る。水を飲んだり干し肉を食ったり休息方法はそれぞれだ。
「これで何体だ」
「12体だな」
「…異常なくらいに多くねえか」
ここはラクーンとは違う。
道を歩いてるだけでこれほど魔物に遭うのは異常と言って良い数だった。
「まだ距離はあるのか?」
「これで半分ってとこだ」
半分で12体。当たり前だが進んだ分だけ宿から離れるので素材の運びにも今後はもっと時間がかかり出す。帰路を考えると今日は戦闘までは無理そうだと判断をする。
「今日は視察だけで済ませる。全員気配と音を消して歩いてくれ」
「おう」
ガドルは文句ありそうだったが、安全安心に戻るためだ。
後方からチカチカと明かりでティースが戻ってきた報せが届いたので、また前に歩き出す。




