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「ガドル、俺は今までお前に世話になってきたしお前の腕の確かさを信頼もしてもいる。今後も付き合っていきたいから黙って金で受け取ってくれ」
「そこをなんとか頼む。俺はお前ほど強くて信頼出来る冒険者を知らねえんだ」
真剣にアイズさんは諭すように言うが、ガドルさんも一歩も引かなかった。
……これが剣の完成前だったら跳ね除けるのも容易だったろうが、剣は完成済みでしかも出来もいい。
アイズさんがちらっとトールさんを見た。するとトールさんは深く溜息をついた。
「……受けるかどうかは内容次第だ。断ったら金で支払わせてもらおう」
「言っとくがガドル、この件でお前への信頼は失墜したからな」
「ああ…クレイ、閉店の看板を出してこい」
「了解っす」
そして重い雰囲気のまま奥の部屋にトールさんとアイズさんとガドルさんだけが入っていった。
「リオ、念の為に物理結界を張っといてくれるか。ロディが居たら大体の問題は無さそうだけどな」
「わかった」
言われるままにリオが結界を張った。これで人も物も入れない筈だった、のに。お茶のお代わりを持ってきたお姉さんはリオの結界を普通に越えてお代わりを差し出してきた。
「お前何者だ!?」
キョトンとするお姉さんに向かってユーリさんが杖を構えて険しい声を出す。
意味がわからず呆然としていた私たちは足でまといにならないように壁際まで後退をする。するとロディがお姉さんの前まで行って……興味深そうに彼女を見下ろした。お姉さんもお姉さんで不思議そうにロディを見上げる。
『凄いな、お前は大地の神の使いか』
何を言ってるんだろう。と思ってみているとお姉さんもパクパクと口を動かした。けれど声は聞こえない。喋れないのかな……と思った瞬間、ロディにすごい勢いでハンマーが飛んできた。が、カキィィンとリオの結界に阻まれた。うん、そうだよね。結界あるはずだもんね。じゃあこのお姉さんは…と思った瞬間気づく。
お姉さん、足が透けてる。
ゆ、ゆゆゆゆうれいなのかな…!?
「グリーンに近づくんじゃねえ!?」
「どうした、何事だ!」
お姉さんを守りたいのか結界をガンガン叩いて威嚇するガドルさんがちょっと怖いけれど、ロディを引っ張ってお姉さんから引き離す。お姉さんは不思議そうな顔をしていたけれど、すぐにガドルさんの元に行ってふんわりと微笑んだ。
心配そうにお姉さんの手を握って見上げるガドルさん。お姉さんが幽霊なのかどうかは分からないけれど、二人の間には確かな絆を感じられた。




