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せっかくだしアイズさんの新しい剣を見てみよう!
「はーい…って、あれ、空間師のお嬢ちゃん?アイズさんを迎えに来たっすか?」
「たまたま近くを通りかかったんですけどお邪魔でしたか?」
「いんや平気っすよ!アイズさん、お迎えっすよ!」
出迎えてくれたのはクレイさんだった。彼に快く出迎えて貰いながら中に入ると、そこにはムワッと熱気を放つ高炉の前で何故か半裸で新しい剣を片手で持つアイズさんが…いたのでくるっと背中を向ける。
半裸、良くない!
「おう、ガキどもどうした?」
「アイズさんの剣が出来たって言うから見に来たんだ!」
「おうよ!どうだ、俺の新しい相棒だ!」
「すげー!」
「黒くなった!」
でも新しい剣は気になる。牙の段階では白目の色合いだったはずだ。レオとリオの声で好奇心を抑えきれずに振り向いて、アイズさんの裸を見ないように手で視界を隠しつつ剣を見る。
艶のある、黒い剣だった。
棒状の牙とは違いちゃんとした剣でもちろん持ち手もある。
前にアイズさんが使っていた剣よりだいぶ細めだが、それでも十分大きかった。
「素材そのものの強度は高かったが、いかんせんそのバカにとっては逆に軽すぎた。打撃力向上とバランスと、念の為の補強として強度と重量をつけるために刀身にはモグラの爪のコーティングをした。ただ硬すぎて刀身に魔道具加工は出来なかったから握りのところに強化の加工はしといたぞ。アイアンでは使えねえけどな」
リリエラがさっとアイズさんに服を着せ、レオとリオが二人がかりで剣を抱えた。
牙の時は私一人でも持てたのに、随分と重そうだ。
「流石の加工だな。いくらだ?」
緑の髪の女の人が出してくれた美味しいお茶を飲みつつ、黒く吸い込まれそうな刀身を見ているとそれまで自信満々に語っていたガドルさんが急に言葉に詰まった。
「……金はいらねえから、クエストを受けてくれねえか」
「…あぁん?そら契約違反じゃねーのか。金で払う約束だったろ」
「他にも作れって言うなら作る!修理依頼だって受ける!そうだアイズ、お前迷宮に宿開くんだろ。客の装備の修理屋やってやるよ!その収益も渡す!」
どうも流れがきな臭くなってきた。弟妹と顔を見合わせて、部屋の隅っこに移動して成り行きを見守る。トールさんとユーリさんが私達を守るような位置に立ったことから事態は深刻そうで、とても美味しかったけれどお茶もテーブルに置かせてもらう。




