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「とりあえずあと二日で牛乳は集めたいね。バターや卵も」
「あとトールさん達のツルハシとシャベルと斧も!」
「こら、マリィ。ツルハシは冒険道具だから俺たち持ちの購入予定だぞ」
「買う場所一緒ですし」
「ダメだ」
怒られたけれどこっそり買ってこっそり仕込もうと思う。
だってアイアンのツルハシは先端にモグラの爪を加工した物を使っているらしく耐久性、効率性ともに優秀と有名だそうだ。
もしバレて使ってもらえなくても他の都市に持って行って販売もありだし買っといて損は無いものだ。
ダーツにGOサインを送ると、ダーツはとてもとても嬉しそうに…笑った。その笑みはまるでアイズさんの凶悪な笑みのような寒気を感じさせるものだった。
道具屋の店頭には私が入れるような大きな樽が三つ。そこにシャベルと小ツルハシと大ツルハシがそれぞれいっぱい入ってい…
「親父さん、あのツルハシとシャベル樽ごと欲しいんだけど問題あるかい?」ふぁあああああ!?
え、一樽20本以上入ってるけど!?
「あ?買ってくれたらうちは嬉しいだけだ」
「本当に?こんな良い出来のツルハシ全部買っちゃって独り占めするな!って文句言われないかしら?」
「…心配すんな。一日もあれば10本は作れるからよう」
「え、すごい!兄さん明日も買いに来ましょうよ!」
「そうだね、頑張って時間作ってこようか」
唖然としている間にリリエラとダーツがキャッキャと嬉しそうに話を進めて、厳ついドワーフの店員さんもいつの間にか嬉しそうに微笑み出していた。
「なんだお前ら、そんなに欲しがって…商人か?」
「そうですね、売ることもありますが使いもしますよ。大切な仲間達なので良い品質の物をたくさん仕入れたいんです」
そう言ってダーツがちらっとトールさんとユーリさんを見ると、店主は納得したようだ。
「そら嬉しいがよう…うちは品質は良いが値段も良心的だ。少なくともアイアンでは転売出来ねえが、良いのか?」
「大丈夫です!だってこんなに良い品質なんだからどこでだって売れますよ」
「そうか…品物はどこに運べばいい?」
「問題ありません。彼等が運びますから。それより、明日また来てもいいですか?」
「……ああ、構わねえよ」
「やったわね!兄さん!」
トールさんとユーリさんが笑いながらツルハシとシャベルを仕舞っている間にお会計を済ませて出てきた二人はニンマリと笑った。
「大ツルハシ二本分サービスしてもらったわよ」
「明日まで同品質のツルハシたくさん用意しておくって」
ダーツとリリエラ…恐ろしい子!!
そしてうちの恐ろしい子は同じことを他の店舗でも行って良い品質のツルハシを大量に集めていた。




