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「それでクエスト結果はいかがですか?」
「依頼を受けた『アイアン迷宮下層』で落盤にあった『ドルイ発掘隊6名、うち埋まっていた3名』の救助は無事成功した。今は中で朝の身支度と朝食を摂っている」
「確認してもいいか?」
そこでギルドマスターを押しのけて出てきたのは大きなドワーフさんだった。
特に隠すべきものもないので頷いて農場の中に促すと彼は迷わず中に飛び込んで…
「ドルイ!アジャンもロロデもガドルもルクシアもティスも無事だったか!」
道中拾った人たちも沢山いるのにまっすぐ迷わずに救助した人達の元へと走った。
彼らの上司か何かかな。
「会長…!」
そんなことを思っているとやっぱり上司だったようだ。救助者たちは泣きそうな笑顔で朝ごはんを置いて会長さんに駆け寄ってーーーー
「何やってんだ手前らは!心配かけんじゃねえ!!」
思いっきり殴り飛ばされた。
「はえ!?」
「無事で良かったぜ!本当に!本当に!」
そして次々に殴り飛ばされていく救助者達。え、せっかく助けたのに…良いの?
ネロもリリエラも呆然と見ているが、ほかのドワーフさん達は指をさして大笑いしていた。
「おう無事でよかったなあ!」
「会長も殴り飛ばせて良かったなあ!」
「おう良かったぜ!」
い、良いのか?良いのか…。
私にはちょっと分からない世界を呆然と見ていると、再びギルドマスターさんが話しかけてきた。
「改めて挨拶を。アイアンのギルドマスタークリハラです。単刀直入ですが迷宮宿屋のマリーロズ殿、アイアン迷宮で宿を開くご予定はございますか」
「あ、はい。したいです」
「そうですか。ラクーン同様マジックバッグを売っていただきたいのですが構いませんね?」
唐突な言いっぷりにポカーンとするも
クリハラさんは売ってくれることを望んで無い感じがする。強引に言って、反対の結果を引き出そうとしてるような…。
「おい、あんた何を言ってるんだ」
「マリィは今はギルド職員を解雇された身。要求に従う理由はない」
なんだろう、この既視感。この人は…そこまで思ってふと気づく。
ああ、同じなんだと。
「私はマリーロズ殿に聞いているんです。彼女の挙動によって冒険者達の動きは変わりますからね」
冒険者ギルドに入る前。
信頼出来る大人が分からない時に、それでも大人の優しさを信じたかったあの時の私に。結局私は自分だけを信じて我武者羅に薬草を食べて、自己を高めることを一番として冒険者ギルドに入ったけどもね。
クリハラさんは私が信用出来る人物かどうか見極めているんだ。




