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「さあ見せてもらおか」
そう言って笑ったお祖母様はもう好々婆の顔ではなく。一人の商人の顔をしとった。
「アポ無し突撃なんて酷いどすえ。今行ってもうちのものたちが色々と準備してますで」
「かまへんかまへん!」
ハッハッハと笑うお祖母様に背中を叩かれてラクザルバ商会の五頭+その側近+転送師を連れて借りていた通信室を出る。
外で通信室の管理をしていた協会員がギョッとして頭を下げてから逃げてくんを見ながら、うちらがとりあえず借りてる部屋に行く。
無言のプレッシャーをギリギリくらうけど、笑みはそのまま部屋の中に入る。
中にはトードーはんが盾を壁に立てかけてその横に座っていた。こちらを見て頭を下げる彼にとりあえず手を振って笑う。
「皆はどないしはった?」
「うちの奴らが戻ってきたので大体は買い出しや仕入れに行った。ダーツとエストラとシュタインとタナカなら中にいるぞ」
「そうか。ほなお祖母様等、申し訳あらへんけど入口はここどす」
そう言って盾を指差すと一同なんとも言えない顔をした。
そらそうや、さすがにうちもこの入口はどうかと思うが馬車につけたままやと建物の中に入れられんかったさかいしょうがないわ。
「お祖母様達がアポ無しで来はるからこうなったんや。日を改めてええならちゃんとした入口を見せますが?」
「いんや良いよ」
「ちょっとその盾見せてくれ」
ゴロウ兄さんが手を出すとトードーさんはうちを見た。渡してええよと頷くと彼は盾を兄さんに渡す。
そして盾をぐるぐると回して盾と、扉を見る全員。
「すごいね、盾が入口になってるよ」
「これは移動が楽だな」
「って言うか!中広いわね!」
「…だが盾の質があまり良くないし、あんたの盾にしては少し大きめだな」
ゴロウ兄さんだけ盾そのものの感想を言ってトードーはんを睨むとトードーはんは苦笑しよった。
「最近装備を全部失ってな。これは昔使っていた盾なんだ」
「そうか。だから鉱山都市か。いい得物が手に入らなかったら声をかけてくれ。値段は張るが逸品を用意しよう」
「何営業してるのよ…」
と、その時だった。
お祖母様がゴロウ兄さんが持ってる盾に向かって飛び込んで中に入りよった。
60過ぎのお祖母様のアクティブすぎる動きに皆固まって、慌てて中を覗き込んだ。
「遅いわ。ゴタゴタしてんさっさと中に入りや」
中で転がったお祖母様はぱっぱとホコリを払って立ち上がった。それを見てうちらも慌てて盾を置いて中へと入った。




