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迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奥地で宿屋を開きます~  作者: 海華
第二章 アイアン迷宮とラクザルバ商会
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10

sideマキエ


「本人の強い希望によりマリーロズは今までと変わらず迷宮にて宿屋を経営するそうです。うちではその際必要なものの入手補助、買い取った各種素材の売却補助、それから営業許可や入出国の手続きの補助をします」


「…つまりマリーロズはマキエ商会の支店として宿屋と素材屋をするってことぉ?」


「随分と自由にさせてやるんだな」


「自由にさせない結果があの有様ですから。それから皆様の一番の疑問であるマジックバッグの方ですが、こちらは毎月一定数をラクザルバのオークションの方に流そうと思います」


そういうと全員が納得をした顔になった。ように見えはる。内心はどうであれ、見せた顔が答えだ。


「それは時間停止マジックバッグもかい?」


「ええ。そちらはサイズを小さめですが出す予定です」


「それは是が非でも欲しいな!傷むことを気にしないで済むのはありがたい!いやあマキエは公平に誰でも購入する機会をくれて助かるよ!」


「全くだ。あの国は自分に利のある者にしか売らねえから手に入れるのがきつかったんだよなあ」


本来であればマジックバッグをこの五人に差し出して貸しを貰うというのも考えた。


けれど、ただでさえ敵が多い我ら。五者を味方にしてもその部下は手に入らないで敵に回る可能性を考慮したら公平に機会をまく方が利だと思った。


「そかそか、マキちゃんはそうするんやな。ほなうちはそろそろ…」


お祖母様が立とうとした瞬間。

今日一番の笑みを浮かべる。

マジックバッグなんて序章。

本当の戦いはこれからや…!!


「ええ、マジックバッグなんてうちはどうでもええですもの」


「……どうでもいい…?」


情報は最小限で。話は終わったとばかりに口調を戻す。

『マジックバッグはどうでもいい』

つまりもっと凄いものがあると匂わせたのだ。


「ーーー新しいお茶でも飲もうかなあ。ちょい、頼めるか?」


画面の向こうでお祖母様が側近に茶を頼んだ。よし、最低でも茶が来るまでの時間は稼げた。


「マキちゃん、なんやおもろそうなもんでも手に入れよったん?」


にこにこと好々婆の顔で孫に尋ねる祖母。

内心はマジックバッグ以上の情報を欲しているだけだ。


「ええ、マリィにどえらいもん貸してもろうたさかい今はそっちに夢中やん」


ご機嫌な孫娘を演じると、優しい顔のハイエナ達がうちを見る。いやほんま、中身が透けて見えんに表の顔に一切見えないって怖いわあ。


「………何を貸してもろたん?」


今が一番大事だ。ここでしっかり興味を掴まないと彼等は協力してくれない。

貸してもらったもの。大きな空間。とても大きな、空間と呼ぶには大きすぎるもの。


「……街どす。マリィに街貸してもろたんよ」


全員が全員、わおと驚いて見せる中お祖母様だけが目を細めた。


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