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「おー、すげえ」
上を見てるついでに灼熱陽光ランタンの位置を改めて高くなった天井に設置し直す。
「だいぶ楽になったわねえ」
「ですねえ」
距離が開いたおかげか、強い日差しはだいぶ収まった。とりあえず高さはこんなもんで後は横幅だなー。
と、考えているとリッツさんが私の頭にぽふっと帽子を乗せた。
「日焼けするよ」
「あー、ありがとうございます」
「ねえリッツ?私には?私には無いわけ?」
帽子を被り直して、上半身を起こして土の上に座り込む。
そして珍しくむくれるエレーヌさんを完全に無視してリッツさんも私の横に座った。
おやあ?
おっやああああ?
エレーヌさんはいつもなんだかんだとアイズさんを叱っているから一番の仲良しなのかと思ったけれど。
リッツさんにスルーされてむくれるエレーヌさんは、すごく可愛く見えた。
むふふと笑っていると反対に座ったムサシさんに頭をポンポンされた。なるほど口を突っ込むなですね。了解です。
目と目で会話をして、さてどうするか。
拡張連打をしなくて良くなったのは良いけれど
暇だ。
MP自然回復分はそのまま扉を開けるMPに回るのでポーションを飲まないと拡張は出来ない。だけど、さすがに回復してすぐに飲みたくても周りのAランク冒険者達が止めてくるだろう。
もうちょい休んだら弟妹のところでも行くかなーと思っていると不意にリッツさんに名前を呼ばれた。
「ねえマリィ。宿屋を設置する空間はここの整備と本館の設営が終わったら作るんだよね」
「はい。そのあとの予定ですけど、鉱山都市に着く前には終わらせないといけませんねえ」
いざ宿屋本番になって宿がないじゃ話にならない。と言っても最近は農牧場拡張が楽しくってどんどん大きくなって行ってるから予想よりも宿屋空間にとる時間が無さそうだ。
「…宿屋ってさ、ここじゃダメなのかい?」
リッツさんの言ってる意味が一瞬わからなかった。
けれどゆっくり反芻して…意味を理解していく。
「農場、牧場、訓練所つきの宿屋ってすごく魅力的だと思うんだ」
「訓練所が近いと休みの日も身体を鍛えられて良いよなあ。休みじゃなくっても冒険に出る前にアップ出来るし」
「これだけ広かったらこの前みたいに大人数になってもテントを用意するだけでいいわね」
三人の言い分に確かにと納得しかない。
唯一の欠点は獣臭さくらいだがそれもユーリさんが全体の水撒きついでに換気を定期的にしてくれるからさほど気にならない。
換気水撒き。陽光ランタン(太陽)の問題が解決したら次点に来る問題解決も考えないとと思いつつ…
畑、牧場付きのマイホーム(宿屋)
え、何それめちゃくちゃ豪勢じゃ…!
冒険者三人の言葉に感激する私。
そんな私を見て
リッツさん(いつでも農場に行きたい人)も
ムサシさん(いつでも訓練所に行きたい人)も
エレーヌさん(早く自室が欲しい人)もニヤリと笑った。




