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「おらぁ!俺程度の素手で壊されるなんざ、まだまだだぞっと!」
パリィン!
「リオ、また間違えてるよ」
ぱしゅっ!
「はあ、はあ、はあっ!」
「そこまで。リオのMPもそろそろ底を突くし、集中も切れてきたしマリィが来たから一度休憩しましょ?」
しばらく見ていると、エレーヌさんが仲裁に入ってリオが崩れ落ちるようにガクッと身体から力が抜けた。
けれど床にくずれおちる前にアイズさんとユーリさんとダーンさんの三人によってリオは抱き抱えられた。
「おつかれー」
「よく頑張ったなあ。つーかアイズの素手の攻撃も十分強いからリオは頑張ってるほうだよ」
「あぁん?俺は剣士だぞ。素手で魔物を殴りに行くような馬鹿じゃねえよ」
「…そうか、それはつまり俺たちをバカにしてると言うことだな」
『ついに俺の出番か!』
「ばっ、ちょ、おいやめろ!俺まだろくに剣振れねえ…やめろおおぉ!」
余計なことを言ったアイズさんが武道家のトレビィさんと、彼に手招きで呼ばれた嬉しそうなロディによって奥に連れていかれるのを見送って…私の前の床に座り込んでぜえぜえと荒い息のリオにポーション瓶に入ったお茶を差し出す。
「お疲れ様。お茶だよ」
「あり、がとー」
他のみんなにもお茶を配って、壁の向こうから聞こえるアイズさんの絶叫を聞き流して話を進める。
アイズさんは色々と天誅でござる。茸の件はまだ恨んでいるんだからね。
「そうか、もうそろそろ着くのか」
「はい。なにか必要なものが追加であったらと最終確認を」
「武器や防具は、鉱山都市で買い直すんだよな」
「ああ。ガンツさんが馴染みの鍛冶師に手紙を送ってくれてるはずだ」
「金物はそっちで買った方が良さそうだよな。村で買うとなると…水や食品だけどそれは元々買う予定だろ?」
「はい。ダーツが何が買えるかなってめちゃくちゃ楽しみにしてますね」
「と、なると村では特にないかなあ…」
本当はシャベルとか斧とかも欲しいのだろう。ここ数日護衛以外にも木こりや土回収をさせてしまっているからみんなの欲しいものはうっすらと分かる。
でも、村でそれらを買うのは鍛治工房がない限り困難だし目的地が鉱山都市だからそちらにはたくさんの鍛治工房があるのはわかっている。
買い出しの本番は鉱山都市でだな!と張り切っていると、上からエストラさんが降ってきた。
いま、どこから降りてきたの…?
上を見ても両脇を壁が挟んでいるだけで何も見えない。
「あー、マリィちゃん、売ってたらで良いんだけど買った方がいいモノひとつあるよ。コレ」
そう言ってエストラさんが見せてくれたのは近くの柱に飾ってあった『陽光ランタン』だった。




