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「こっちは大きすぎますから。それに入口から家までが遠いですし、この半分くらいの規模でラクーン迷宮に置いてきた宿屋に似たものを作り直す予定です」


「じゃ、じゃあこっちのこれはどうするんどす?」


百人宿屋。自宅宿屋が出来たらどうする。

そりゃあ…


「特にどうもしませんけど」


「使いませんの!?これだけのこれを!?」


「まあ、はい。馬や馬車は牧場を増築して置こうと思ってますし」


「牧場もありますの!?」


「見ますか?」


そう言って牧場空間への扉を開けると中を見てマキエさんが真顔になった。


「……こっち側、使わないんどすよね」


「え?ええ、まあ。百人以上の団体様向けなんで」


真顔になって何かを考え込むマキエさん。

そんな彼女にすっとダーツが歩み寄った…!


「マキエさん、遠慮しないでください。私達は同じ商団の仲間でしょ?扉は何日でも開けっぱに出来ますしマキエさん達が望むなら、私達はこれを使いませんので貸せますよ」


「本当どすかダーツ君!?」


あ、ダーツの交渉が始まった。

見事に食いついたマキエさんと穏やかな笑顔のダーツを黙って見守っていると…リッツさんがすっと現れて牧場に入っていい?とハンドサインで聞くのでどうぞと言うと嬉しそうに中に消えてった。

………その後を恐らく御者だったと思われる服装の人々がついて行った。


ああ、そっか。馬の世話してる人達だもんな。牧場気になるよね。


「…で、でもこれだけ広大な土地だと賃料が…」


「そんな、賃料なんていいんですよ。お金が欲しければここを売ればいいんですから。僕たちが欲しいのは安全で快適な生活です。安全はマキエさんがくれてるんですし、あとちょっと足してくれるなら無料で貸しますよ」


ん?わかりやすい快適の省かれ方にマキエさんも普通に気づいたようだ。


ダーツの要求は賃料じゃなくて、快適だと言うことに。


「…ダーツ君の言う快適な生活、何が欲しいんどすか?」


「そうですね。とりあえず今一番欲しいのは……私達が欲しい物を手に入れてくれる人、ですかね」


「だから、何が欲しいんどすか」


「取り急ぎ今欲しいのは、うーん。家具と土と牧草と、あと畑仕事が得意な人や牧場仕事の得意な人ですかねえ」


「ああ、なるほど。そういう意味で手に入れてくれる人、なんどすね。つまり」


「はい。宿屋での売買とかなら私で構いませんがそう言った備品を揃えるのは今までラクザルバ商会に頼んでいたので…まあ、行った先で頼んでも良いんですけど一緒にいるマキエさんたちに頼んだ方が効率的かなと。もちろんお金は払いますので代理購入、または仲介で結構です」


「ええどすよ。それでここの賃料になるのならば安いもんどす!!」



マキエさんと手を握り合ったダーツはこちらを見るとニヤッと笑った。私からはナイスと言うサムズアップを送っておく。


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