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「初めまして俺はアイゼンだ」
「初めまして私はシュタイナーだ」
「初めまして私はロドリィ・シュトーレンだ」
「初めまし……」
うんうんうん。にこにこと笑って挨拶に頷き返すけれど正直頭からプシューと煙が出ていく気分だ。うん、こんないっぺんに言われて覚えきれるかい。
隣でダーツは慌ててメモを取っている。その行動は失礼にあたるかもしれないけれど、大正解だと思う。
「以上、私を含めた11名が今回の作戦の行動部隊の隊長を任命されております」
「冒険者ギルド『ラクーン』の職員で空間師のマリーロズです。よろしくお願いします」
「同じく職員のダーツです。主に買取などの査定を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします」
「マリーロズの婚約者で今回の護衛隊長を務めるトール・オルティナだ」
「護衛補佐を務めるエレーヌ・カイマンよ」
先に演習場に居たガンツさんや、銀の華ドラゴン殺しのメンバーの挨拶は割愛された。
ガンツさんの自己紹介はすんでるのだろうし、アイズさんたちは紹介する気がないのが何となくわかった。
けれど隊長さん達もそれで問題が無さそうだ。
「後ほど今回の参加者全員の名簿はお渡し致します。もし兵士と何かありましたら私かこの者たちに御報告をお願いします」
「分かりました」
「そしてマリーロズ嬢、大変申し訳ないのですが少々手違いがありまして……持ち込んだ荷物の搬入に加えて宿を貸しては頂けないでしょうか」
宿を貸せ。つまり100人宿に泊まらせろと言うのか。言うんだろうな。
そう言われても、現在進行形で最終改装を進行中だからなあ。
土の採取とかまだ終わってないし。
「それと申し訳ないのですが出立を早めて頂きたいのです。まだ地上での作業が何かありますでしょうか?我等一同、手伝えることは精一杯努めさせて頂きますので何卒、宿の宿泊と早期出発を…」
三日後のラクザルバ商会と、ゴミの処理と、水と土の採取と…とりあえず私用を除いて最低限やらねばならぬことを考える。
と、横からガンツさんが口を出してきた。
「手違いで一同テントじゃなくって布団を持ってきたんだとよ。宿泊道具が無いせいでここまで寝ずに来て、スケジュールも前倒しで狂ったんだと。早く行くぶん、終わりも繰り上げるから出発させて欲しいそうだがマリィは休暇が2ヶ月分連続でも構わないか?」
それは……バカなのかな?
気まずそうな顔をするドロワ様は、先月出会った時のような貴族様の傲慢感は無かった。
あの時は言うこと聞きますよね?的な感じだったのに今は随分と下手に出てくれている。
追い詰められた獣は怖いし、これ以上彼を窮地に立たせない方がいいだろう。
ガンツさんも譲歩してやってくれと言う姿勢だし。
「それはさぞお疲れでしょう。とりあえずゴミの処理や水の補給や買い物などがありますので三日程はお時間を頂くことになりますが三日目の午後でしたら出発は可能だと思います。地上にいる間は売店は休店、水は井戸などで賄って頂けるのでしたら寝床の提供も出来ます」
そう言うとドロワ様はあからさまに安堵した表情を浮かべた。




