再会
リオナが亡くなった。まだ48歳なのに早すぎる死を受け入れられない。30年近く毎日というほど一緒にいたのにどこにもいない。
亡くなる前に求婚の返事をもらったときには本当に嬉しかったしリオナの前で初めて泣いてしまった。
リオナがいないのを心配して周りの人達は頻繁に訪れてくれる。気晴らしになるのだが一人になると無性にリオナに会いたい。
リオナが息を引き取る最期は見届けられなかった。まだまだ伝えたいことが山ほどあったし何回でも愛してると言いたかった。泣き疲れた俺はリオナを抱きしめながら少し寝てしまい朝方目覚めたら息をしていなくて体が冷んやりしていた。表情は苦しんだ様子ではなく穏やかな表情だったのに救われた。
リオナの頭を撫でながら少しずつ硬くなっていく体を抱きしめてずっと号泣しているところにテオが来て、家族や友人への連絡や葬儀も全て手配してくれたのでリオナがいない現実に呆然としていた。
誰が訪ねてきて何を会話したのかも覚えていないし涙も枯れ果ててとうとう出てこなくなった気がした。それから子供達は心配してくれて交代でしばらくの間来てくれた。自分でも気持ちを整理したかったがなかなか受け入れられない。
しばらくして普通の生活を取り戻すようには努力したが、ある日テオに叱られる。
「兄さん、リオナさんとの約束を守らなかったらあの世に行っても会ってもらえないんですよね? 今の兄さんは守ってないから会えませんね」
………リオナとの約束。
リオナは寄り道すると言っていた。はっきりと聞いたことがなかったが、リオナには大切にしている人がいるような気がしていた。そうだ、リオナとの約束を破るともう会えないかもしれないと思いやっと日常に戻れた気がした。
今でもリオナに毎日会いたいし触れて抱きしめたい…。
それからは周りに心配もかけないようにして仕事に没頭したり家族と過ごしたりした。
リオナが亡くなって4年の月日が流れ俺も病が判明したが、リオナと同じように薬を使って延命治療はせずに寿命を受け入れることにする。
病もゆっくり進行していたので体が動くまでは仕事をしてベッドでの生活が多くなってからテオの屋敷の世話になった。
ルークとルナはそれぞれ結婚していて孫までいる。伴侶と孫を連れて来てくれたので昔のように楽しく賑やかに家族で過ごした。
シークはリオナが亡くなってからイルベナ国のサハリー商会に移り仕事ばかりしていたが、やっと好きな女性と巡り合い結婚したばかりだ。
もうすぐ俺は寿命を迎える。リオナと出会い家族ができて共に生きれて本当に幸せだった。子供達がこれから先もずっと幸せでありますように……。
翌年家族の見守る中、レオナードはまるでリオナに会いに行ける嬉しさを滲ませたような、そんな穏やかな表情をして息を引き取った。
「リオナ待たせたか? 会いたくて堪らなかった」
「レオ久しぶり、私も会いたかった。
遠くまで寄り道してきたから待ってないわよ」
「そうか、それでもう寄り道は終わったのか?」
「うん、幸せそうにしてたから気が済んだ」
「それなら良かった。これからもずっと俺と一緒だ。リオナ愛してるよ」
「うん、ずっと一緒にいる。レオ愛してる」
~完~
本編は終了となりますが残り1話で物語は投稿完了となります。
拙い文章でございましたが最後までお読みいただきありがとうございました!




