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2度目の結婚は貴方と  作者: 朧霧
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子宝の悩み

 

 あまり前世の内容を話すわけにはいかないので慎重に話しをすることにした。実際、不妊治療は経験済みだが医師だったわけではない。

前世の医学でも子宝に恵まれない人は大勢いるのに…。


「先に申し上げておきますが子宝に恵まれない原因は人それぞれ違うと思います。女性側のみ原因だと思われていますか?」


「大体がそうだろうね。男性側も問題あるのかい?」


「それもあるかと考えます。男性側も元々子宝を作る能力が低い方や高熱が続く病気などにかかると子種が無くなったりするようです。

太りすぎなどの食生活も男性側の能力が低くなったりすると思います」


「そうなのか…それで女性側は?」


「女性側の原因は男性よりも複雑なことが多いと思われます。女性の体内には男性と同じで子種の元を作るところと、子供を育てるところに分かれています。繋がっておりますがそれぞれの病もあると思いますよ。病の種類もたくさんあるとすると医学的なことなので分かりません」


「リオナはどのようにしてそんなことを知ったの?」


「大勢の人に話を聞いたり他国の本を見たりして考えたので。多分? まぁ、次の話へ進みましょう」


危ない危ない…、冷や汗をかいてきた。チルさんもメモを取り始めているから余計に緊張する。


「医学的なことはお医者様の分野ですので分かりませんが、自分が努力できる範囲のことをお答えしますね。女性の貴族の方々はどのような生活を送っているのでしょうか? 

例えば平民の私の場合は働きながら家事もこなして一日中動いております」


「そうだな、身の回りのことはメイドが全て行い家事も勿論しない。それに外出も自由にあまりしてない方が多いかな。

動くことといえば社交でダンスくらいか? 言われてみればあまり動いている印象はないな」


「そうですか…。これはあくまでも自論なのですが人の体には血が流れていますよね。この流れが重要で血は人の体を良くすることができるものが入っていると考えます。体の中の血が上手く回らないと問題がでてくることもあると思います。子宝に恵まれないのであれば流れを良くするのも一つの方法かと。

特に女性は手足の先が冷たくなってしまう人が多いのですが血の流れが悪いからで厚着をしても良くなりません」


「どうすれば血の流れが良くなるの?」


「方法は人それぞれですが良いと思われるのは運動、つまり動くことです。最も良いことは歩いたり家事をしたりする運動や労働ですね。本来、人は動くことが当たり前で便利な物や人に頼って体に必要なことをしていないと思います。

歩くのもただ歩くのではなく汗をかく程度の速さで、できるだけ長い時間です。椅子に座ってばかりや寝てばかりだと血の流れは悪くなる一方です。でも持病がある人はしない方がいいので注意してくださいね」


「でもなぁ、屋敷の外に出るのは馬車でしかほとんど移動しないからな。庭の散歩や買い物くらいか? あまり動いているのも淑女としてはどうかと思われるから難しいな」


「それでは血の流れを良くできません。そのような場合には自室でできる運動をお勧めします。例えば階段くらいの高さに見立てた台を用意してその場で昇り降りをするだけでも運動になりますよ」


「なるほど! それは良い案だね。他には?」


「運動の話し以外ですと身体を温める食事を取ること。地面の下に生えている野菜を積極的に取ると良いです。本当はショウガがあれば料理にも飲み物にも使えて体を温める効果もあるから良いのですが」


「ショウガ? 聞いたことがないな…」


「はい、私もダイナダスでは見たことがありません。ガーリックのように土の中に生える部分なのですが、もしかしたらジンジャーという名前が使われているかもしれません。薬草などと同じように使われる場合もあります。黒い髪と瞳の国の方々なら何か分かるかもしれませんが見つけるのも大変なので体を温めて血の流れをよくする薬草などを使うのも良いかもしれません」


「そうだな、見つけるのも時間がかかりそうだし薬草も探してみるか。まだ他の方法があるかい?」


「コルセットはあまり使用しない方が良いです。締め付ける物は血の流れを悪くします。どうしても必要ならば仕方がありませんが毎日、見た目を気にするためだけに付けて締め上げるのはやめた方が良いです」


「ドレスを着るには必ず付けるからそれも難しいな」


「それならば付けないようにお菓子を控えたり運動をしたりして体を引き締めるべきです。特に太り過ぎは健康に良くありません。太ると様々な病気にかかるようになると思いますよ。そもそも貴族の方々の食事は豪華だと思いますので朝、昼、晩の3食で満腹にならないように終わりにした方が良いです」


「自分でできる方法はそのくらいかい?」


「そうですね、あとはぬるめのお湯に汗をかくまで半身浴をしたりするのも効果的です。どの方法も気休めかもしれませんが自分ですることができる簡単な提案です。でも人それぞれ効果の出方は違うので良い結果になるかは分かりません。はっきりと妊娠できない原因は分からないから人の体は謎だらけで子宝というだけあって子供に恵まれることは奇跡に近いんですよ。何も努力しないでできる人もいれば望んでないのにできる人もいる。とても努力している人ができないこともあるので神秘の世界です。でも本当は夫婦仲良く暮らすのが一番良い方法かもしれませんね」


「リオナ、もしかして子供を産んだことがあるのかい? なんだかとても驚いたよ。今まで聞いた話よりもね」


「未婚なので子供を産んだことはありませんよ。それに私はまだ19歳です。もう、冗談はやめてくださいね。参考になれば良かったですけどお約束忘れないでください」


はぁぁ、疲れた…。実際には私が受けた不妊治療で指導されたことを代弁しただけだけどね。不妊治療と自分でできることをした結果、運良く子宝に恵まれただけ。

一人でも多くの方々の助けになり妊娠できると嬉しいのだが…。







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