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第7話 取り調べ3

「兎に角、那珂湊教授、あなたの研究成果、そして治験者を確認しないとならない。言わなければ超法規的手段に出させていただきます。これは上からの許可が出ていますよ。どんな手を使っても良いとね。苦痛を味わう前に話しておいたほうが身のためになりますよ。っとに、記者会見直前にあなたのパソコンや資料、そしてあの助手以外全部消えるなど、手の込んだことをしてくれたので、こちらは総動員だ、本当に迷惑極まりない」


と、宇都宮秀男は苛立ちを見せ始めていた。


「超法規的手段ねぇ、噓発見器か?自白剤か?拷問か?まぁ、自白剤程度までだろうけどな」


と、目を閉じながら那珂湊教授は言うと、


「その全てですよ。あなたの言葉を返せば想像出来る全ての手を使ってでも吐かせみせます」


「そうか、やってみなさい。それが私に効果があると思うならな」


と、那珂湊教授は目を開け宇都宮秀男の目をしっかりと見た。

その目には絶対的な自信がある目だった。

今から行われるかもしれない拷問など一切恐れていない目。

目は多くを語っていた。


「あっ、もしや那珂湊教授、あなたは自分自身を?」


「治療というものは患者にする、行うときには安全の確保が最優先でなければならない。絶対に安全な治療法を選択する。それが出来ないときにはリスクが一番低い治療を選択する。そして新技術なら自分自身で試してからでないと。その技術を使う患者が自分の愛する者なら尚のこと。違うかね?」


「私は天涯孤独、早くに両親を亡くし、育ててくれた祖父母ももう他界した。兄妹もいない。友人など蹴落とす対象だった。そんな私には、仕事しかない。この仕事を誇りを持って全うしてきた。この仕事しかないだ」


宇都宮秀男、その言葉は真実で仕事をただひたすらするという、典型的な日本人と言って良いだろう者だった。

その為、那珂湊教授の取り調べを任されていた。


「そうか、失う必要のない大切な方を失ったか」


と、那珂湊教授が口にしたとき、宇都宮秀男は察した。


「不老不死まで出来るのか?」


「はははっ、安い誘導尋問だったかな?答えはイエスだ」


「本当にどこまで貴方は人間から離れた」


「答えを聞きたければ私を自由にすることだよ」


と、言うと那珂湊教授は再び目を閉じ沈黙した。


何を質問しても口を開こうとはしなかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! これは引き込まれてますよ! [一言] この仕事しかないだ」 誤字報告がしにくかったので、こちらに書いておきます。
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