第39話 総理大臣の選択
「総理、選択は三者択一です。人間であり続ける道を選ぶか、対病原菌遺伝子を持つ新人類に進化するか、不老不死の新人類になるか」
「これを使わなければ、この防護服の生活を続けなければならないのか・・・・・・大臣、この病原菌の見通しは?」
「絶望的と申し上げましょう。くっ、悪魔の力を使わねばならぬ時が来たのか・・・・・・」
「那珂湊教授が言うには、某国に協力者がおり、もう生産体制に入っているそうで、その国ではワクチンとして国民に接種させているだろうと。ですので、被害を虚偽申告している国があるはずです」
「ある・・・・・・怪しい国がたしかにある。シベリア連邦だな」
「私はそこまでは聞かされてはいませんが」
「あそこは大統領権限が強いからな。真相を隠してワクチン接種として打たせることも可能だろう」
ジュラルミンケースに入った目の前の小瓶を見て言う総理大臣。
「私は人間であり続ける道を選ぶ。選びたい」
厚生労働大臣は静かにぼそりと言う。
「このままなら那珂湊教授はどうするつもりなんだ?」
総理大臣は小山英俊に聞いた。
「那珂湊教授は遺伝子改造治療の推進を強く望んでいる者、日本国で発表しないならシベリア連邦政府発表となるだけだと思いますが」
「手柄の全てをシベリア連邦政府か・・・・・・人間が進化をしないとならない時、そんな時が来たんだな・・・・・・」
「不老不死薬は万能遺伝子改造治療薬ゴクラクジョウドはともかく、対病原菌遺伝子改造治療薬ゲキメツダーは選択肢として公表すべきだと思います。そして、国のトップとして事態収束の陣頭指揮を取る総理は使うべきかと」
「・・・・・・国民の前の実験台か・・・・・・最早打つ手なしなら使おう」
「遺伝子書換のショックで一晩は昏睡状態となります。寝る前に打つべきかと」
「わかった。まず、私が万能遺伝子改造治療薬ゴクラクジョウドを使って、明日、閣議で公表する。その後、外務大臣を通して正式にシベリア連邦政府とすりあわせをして国民に公表しよう」
と、言ったとき一人のSPが
「こんなことは間違っている」
と、拳銃を抜いた。
「落ち着け、落ち着くんだ」
「遺伝子改造など神への冒涜、絶対にやってはならないんだ」
興奮して総理大臣に向かって銃口を向けたてしまった。
その盾となろうと小山所長は前に立つと、
「貴様達みたいな科学者がいるから悪いんだ」
そう叫んでそのSPは発砲してしまった。
小山所長は一発の銃弾を腹に受けていた。
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