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第38話 総理大臣

 厚生労働省感染症研究所所長・小山英俊は日本国政府の新型強毒性インフルエンザへ対応会議にネット中継ではなく直接首相官邸に出向いた。


「小山所長、困ります。そんな無防備な状態で出歩かれては。あなたが、もし感染してしまったら」


と、総理の秘書官が止めた。

マスク・防護服・ゴーグル着用が当然の世の中の中、小山英俊は極々普通の紺色のスーツ姿だった。

感染を楽観視しているか、諦めているか、自棄になっているか?

そう感じ取れてしまう御時世の中だった。

小山英俊は、大きくため息をして、


「もうワクチンの接種は済ませた。私は実験台だ。総理に会議の前に直接話がある」


「ワクチンが完成したのですか?」


「その様な物だ。ここに総理の分も用意してある。急いで取り次いでくれ」


小山英俊は一室に通されたあと、30分ほどで日本国総理大臣がSPを5人と、厚生労働大臣を連れて入ってきた。


その姿は防御服にマスク、ゴーグルの完全装備。

胸と背中に書かれている『総理』『厚労省大臣』『警視庁』が判別する唯一のものくらいだった。


「小山所長、ワクチン開発に成功したというのは本当かね?そんな情報は上がってきていないが?」


と、厚生労働大臣が言う。


「正確にはワクチンではありません。ただし、これを使えば感染しなくなります」


机にジェラルミンケースに入った小さな小瓶を4つ見せた。


「これは?」


総理大臣が手を伸ばそうとしたときSPがそれを止めていた。


「安心して下さい、危険な物ではありません。私はもう投与していますから」


「なんなのだね、これは?」


「那珂湊教授が開発したものです」


小山英俊が言うと厚生労働大臣はゴクリと唾を飲み込み、総理大臣は、


「だからなんだと聞いているのだよ」


「総理は興味がなかったようですね、昨年末発表された遺伝子改造の成功のニュースを」


「あっ、あったなそんなこと。だが、あれは虚偽として片付けたのではなかったのかね?」


厚生労働大臣のほうを見る総理大臣、厚生労働大臣は、


「・・・・・・そのようにする事が望ましいと・・・・・・」


「では、完成は本当だったのか?」


「はい、総理、今ここにあるのは対病原菌遺伝子改造治療薬ゲキメツダーと、万能遺伝子改造治療薬ゴクラクジョウドです。今できる対処法はこの二つだけです」


「・・・・・・二つの違いは?対病原菌遺伝子改造治療薬ゲキメツダーは、これを摂取すると二度と地球上にいる病原菌を起因した病気には罹らなくなります。万能遺伝子改造治療薬ゴクラクジョウドはさらに上で、不老不死にまでなります。と言う事だそうです。不老不死の確認にはしばらくか時間がかるでしょうが、両方とも新型強毒性インフルエンザには罹らなくなる事だけは確かです」


「対病原菌遺伝子改造治療薬ゲキメツダーとやらは、ワクチンと変わらないのではないか?素晴らしいものではないか?」


総理大臣が言うと厚生労働大臣が、


「それは『神の領域』を侵す薬です」


「それはどういうことだね?詳しく説明しなさい」


「那珂湊教授が行ったのは人間遺伝子をその物を書き換えてしまうというもの。そうだったよね?小山所長」


「はい、遺伝子を根本的に書き換えてしまう物です」


「総理、これは今まで禁じてきた遺伝子改造です。そう言う薬なのです」


「そう言うことなのか?」


小山所長は深く首を下に振った。


アルファポリス第3回ライト文芸大賞コンテスト参加中の為そちらで先行公開中です。

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