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第35話 三者択一

 厚生労働省感染症研究所の所長室に戻った那珂湊教授は小山所長に、ジュラルミンケースに入った残り9本となった薬を見せた。


「宇都宮君は不老不死薬を選んで戦い続けることを選んだ。小山所長、あなたも選択をするべきだ」


「これか、悪魔の薬は・・・・・・戦い続けるにはこれが必要というわけか。まさに毒を以て毒を制するか。それがこんな究極の毒になろうとはな。那珂湊教授、お前としては夢の実現だろうな。対病原菌遺伝子改造治療か不老不死薬か。究極だな。まだ対病原菌遺伝子改造治療のが人間であり続けられるという事か?」


「そのことで昔大喧嘩したな。私にはその人間の定義がわからないのさ。心さえ生きていれば人間ではないのか?器が変わった瞬間、人間ではなくなるのか?人間の定義ってそんな事で壊れるくらいなら、体に機械を埋め込んだ者など人間ではないのか?違うだろ?人間だよな。体に機械を入れて生きていようと、手足が欠損しようと、突然変異の遺伝子を持つ者だって人間と定義してきたよな?なぜか?人間としての心を持っていたからじゃないのか?」


「昔それを聞いたな。今では耳が痛い話になってしまったな。だが、これを使ったら生物学的には今までの人間ではないのだろ?」


「遺伝子は書き換えられ、進化した人間となる。名付ければ新人間と言うのか、改造人間と言うのか、ネーミングなど考えてはいなかったがな」


「・・・・・・私は人間であり続けたい、心だけでなく器だって・・・・・・」


「だが、戦わねばならない。今、そこにある本当の悪魔と。違うか?遺伝子改造と、新型病原菌、どっちが本当の敵だ?」


「・・・・・・悔しいが愚問だな。不老不死薬、これはどこまで不老不死なんだ?」


「物理的に再生能力をうわまる損傷を受けない限り再生し続ける。強力な再生遺伝子で改造してあるからな。腕が損傷したくらいなら生える。それこそ昔の漫画で、緑色の異星人が戦闘で失った腕を生やすかのように」


「懐かしいな、あの漫画・・・・・・もし、胴と頭が離れたら?」


「それは死ぬな。頭からと胴から再生とはならない。心臓と脳が離れれば、そこで生命活動は停止する」


「そうか、それを聞いて安心した。不老不死薬を選ぶ。最後はギロチンか。他の者達の多くは人間であり続けたいと思うであろうからな」


那珂湊教授は薬を取り出して、小山所長の腕に『万能遺伝子改造治療薬ゴクラクジョウド』を注射すると、小山所長もまた遺伝子書換のショックで倒れた。



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