表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/51

第21話 取り調べ6

202×年2月中旬


「宇都宮君、新聞だけの情報でしかないが、危険はなのかい?」


と、那珂湊教授は聞いた。


「答えることはない。私はあなたと根比べを命じられている。遺伝子改造治療はどこまでやった?誰にやった?その技術はどこに保存してある」


自白剤も、拷問も効果がない那珂湊教授に対してできる事は対峙して毎日毎日聞き取りをすることだけだった。


「拷問の時に出た血で遺伝子解析しているのだろ?」


「あぁ、していますとも。していますが、今までと全然違う遺伝子構造になっている。なにがどのように影響を与えるのかがわかっていない。わかるまでには時間がかかりすぎる」


「スーパーコンピュータを使ったとして5年はかかるさ。私はその研究にこの命をかけてきた。全てだ。すべてを賭けて子供を救いたかったからな」


那珂湊教授本人のDNA解析は一から全ておこなわないとならないほど、複雑且つ類似する物がないほど未知の物と化していた。


「それより、今、流行っている新型強毒性インフルエンザの遺伝子構造を私に見せる気はないか?私なら、力になれるはずだぞ」


「それで司法取引をしようというのか?」


「いや、医者として、遺伝子研究の専門家として、真面目に対処に協力しようと言っているのだ。遺伝子構造を見れば効果のある薬も推測出来るかもしれない」


「そんなことはとうに始めている。強毒性インフルエンザが流行したときにと国が備蓄しておいたXバースターの治験投与を開始した」


5年程前、鳥を媒体として移る強毒性インフルエンザが確認された。

それに対して日本国は新型インフルエンザ用特効薬Xバースターを備蓄していた。


Xバースターは強毒性インフルエンザより先に人間細胞に入り込み、強毒性インフルエンザの増殖を抑える薬だった。

ただ、副作用が強く、時に消化器官に重傷の後遺症を発症させる可能性があり、使われてはいない薬。

緊急時用の備蓄薬。


「そうか、あれを使うか」


「那珂湊教授も、あの薬の開発には参加していましたよね?効果は知っているはず」


「あぁ、よく知っている。インフルエンザなら間違いのない薬にはなっている。ただ、なんだか今回の病原菌は今までと違う気がしてならないんだよ。遅くなる前に一度詳しいデータを見せてくれないか?もしかすると変異し続けるタイプなのかもしれない。そうなると厄介だぞ」


「誰が冥府魔道に落ちた者の手を借りるか」


と、捨て台詞を吐いて宇都宮秀男は取調室を出た。

アルファポリス第3回ライト文芸大賞コンテスト参加中

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ