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第20話 日本国の対応

 日本国、202×年はオリンピックを迎えようとしていた。


首都で開催される40年ぶりのオリンピック。

発展しつくした国、都市での開催は意味があるのだろうか?

しかも、人口が密集している大都市での開催。


様々な施設をオリンピックと言う大義名分で徴収し、経済活動を止めてしまうという事に目を瞑る。


確立した新日本文化『萌え』が発展し、世界的にも日本=萌え文化が当たり前となり、大きな産業となっている中、その聖地を強制的に取り上げてまで行うオリンピックになんの意味があるのだろうか?


オリンピックは、多くのインフラ整備を必要とするもので経済発展途上国が必要とするものではないのだろうか?

発展途上国が『オリンピック』という大義名分で世界から融資を募り、都市を発展させることこそが本来あるべき姿なのではないだろうか?


先進国は自国開催を辞退するべきだ。


一部の議員が昔を懐かしみ、あの時のような輝きを取り戻したく誘致してしまったオリンピック。


それは悪魔の餌、いや、広がる手助けをしてしまったのではないだろうか?


開催まで残り半年と言うところ。


それは明らかに不幸なタイミングだったのだろう。


様々な準備を必要とする日本国は、国を閉ざすことは出来ず、海外渡航者を受け入れていた。


そして、国民に次々と発症者が出始めた頃、同盟国アメリカが国を閉ざす決断をしたところで、日本も仕方なく足並みを揃えるように、海外渡航者の受け入れを止めた。


それはもう国内に悪魔が入ってきてしまった状況では無意味だった。


「総理、このままでは日本国中に感染が広がります。都市封鎖の決断を」


「都市封鎖?そんなことをしてしまったら、この国の経済はどうなる、破綻するぞ」


「今は経済を考えているときではないです。人命が優先。医療崩壊する前に、都市封鎖を」


「薬はないのか?ワクチンは?」


「今、様々な薬を試しておりますが、決定打になるような薬はまだ」


「あの時、民輪党がスーパーコンピュータ開発を邪魔していなければ、なんとか対応できたのかもしれませんが」


「今は過ぎたるものを欲しがっても仕方ないときだ。先ずは国民に外出自粛を呼びかける」


「それでは、効果がうすいです。多くの国民は会社に通勤しないとならないのです。満員電車は感染を広げる元凶、それを止められるくらいの強い外出禁止を」


「そんな法律は日本には存在しない」


そう、落胆のため息を漏らしていた。


日本国憲法

それは平和的民主主義憲法。

日本国政府に強い権限は持たせていなかった。

太平洋戦争と言う、戦争を起こしてしまった大日本帝国憲法を徹底的に白紙にし、民主主義と言うあたかも万能に思える旗を掲げている。


総理大臣は国会議員の代表。

大統領は国民の代表。


その差は『権限』と言う名の下で大差だった。


総理大臣一人の権限など小さく、何事も国会での承認が必要で、素早くそして強い命令は出せなかった。


それは災害と隣り合わせの日本国としては大きな欠陥だった。


そしてまた、東京という首都に全てをまとめてしまっていたことも欠陥だった。


大企業は東京に本社を持ち、多くの労働者が全国各地から集まる。

また、学校もそうだった。

多くの大学キャンパスを持つ東京に日本国中から人は集まった。

そして24時間365時間休まない都市が完成した。


キャパシティを遙かに超えている事を気が付きながらも、目を背けてきた日本。


東京で爆発的感染が起こるのは当然だった。


総理大臣は、『外出自粛・営業自粛』の呼びかけを国民に出すのが精一杯だった。

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