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第1話 相棒はバスタオル

初めて投稿します。主人公は基本ダメ人間ですが、誰にでもありそうな下心や願望をコミカルに表現出来たらと思っています。


世界感と人物像、冒険に至る迄の経緯などの都合上    2020/01/28 18:00 投稿の

第8話 言葉にしないと気持ちは伝わらない


までが、プロローグ的な物になっています。


少し長いかも知れませんがお付き合い下さい。


       


そこは洞窟の最奥。


地下深くとは思えない程の広大なスペースに、人工的に建てられた神殿の中。


その神殿内では、今、正に人類の存亡を賭けた戦いの直中であった。


前衛の二人が切り込み、魔法の使い手が氷の槍を飛ばす。

神官が癒しの術を唱え、続けて切れかけた守りの術をかけ直す。


猛攻を受けるのは、唯一人。


始まってからそれなりの時間がたっているが、間断無い攻撃を時にいなし、時に迎え撃ち、合間を縫っては攻撃を繰り出す。


いや、必死な四人の攻撃を薄ら笑いを浮かべながら捌いている所を見れば、間違いなくその人物こそが、この中で最も強いのだろう。


放たれた氷の槍を左手から発動させた魔力障壁で防ぎ、右側側面から繰り出される袈裟懸けを手に持った杖で受け止める。


そのまま、右足を軸に体を反転させて正面を見据えると、ニヤリと笑いながら左手で殴り飛ばす。


殴られ、弾き飛ばされて床に叩きつけられた戦士マチルダは直ぐには起き上がれ無い。


しかし、これは多対一。


「火燕斬!」


ほぼ真後ろからの斬撃を勇者アイリーンが放ち、紅蓮の炎を纏った燕が魔王リリスの無防備な背を襲う。


繰り出されたそれはアイリーンが持つ最大威力の一撃。数多の魔を討ち滅ぼした必殺の剣技。


「甘いわ」


リリスが振り向き様に杖で炎の燕を横殴りにする。その一振りだけで炎の燕はあっけなくも消滅しが、直ぐ側までアイリーンは距離を詰めている。


「エアハンマー」


リリスの左手から放たれた魔法を至近距離から浴びたアイリーンは呻き声を上げ吹き飛ばされて行く。


「ストーンバレット!」


「とっ!まだ魔法が撃てたのかや」


魔術師エッダが放った石の塊は防ぐまでもなく避けられてしまう。残り少ない魔力が無駄になったかに思える結果だ。


しかし、実はエッダもこれで魔王がどうにかなるとは思っていない。


これは牽制であり、挑発だ。兎に角、自分に注目させれば良かったのである。


「エリアヒール!」


神官サーラが回復魔法を発動させた。薄暗い神殿の中に、一瞬光が満ちる。


それを受けて、緩慢な動きながらもアイリーンとマチルダは立ち上がり、サーラやエッダも魔力の使い過ぎから来る立ち眩みに耐えながら歯を食い縛る。まだ、誰も諦めてはいないのだ。


しかし、勝負の天秤は既に傾いている。

片や、満身創痍。片や、無傷。


魔王リリスから見れば遊びの範疇である。


「さて・・・四天王を倒し、妾の前に立った事」


リリスは4人を見渡しゆっくりと告げる。


「いくらお主らに合わせて戦っておるとは言え、未だ誰一人死んでおらん事」


喋り始めたリリスを睨みながらゆっくりと間合いを詰める。


「何が言いたい?」


ジリジリと焼ける様な緊迫感の中、アイリーンが苛立たしそうに問いかける。


「見事である」


キッパリと言い切るリリス。


「ただし、人間にしては・・・と言ったところか。じゃが、そろそろ飽きて来た。最初に問うたが今一度問おう」


言葉の区切りを合図にリリスからの圧力が変わる。


それは重く、暗く、冷たい・・・未知の闇。


「妾に従うのであれば、更なる力と・・・この地の半分をやろう」



★☆★☆★




「えっと・・・軽く飯食って、カラオケでも行って・・・」


俺、中谷京介は現在テンパっている。


と言うのも、つい先日、隣に住む2つ下の幼馴染みの土屋南に告白され、受けた勢いでデートの約束をしてしまったからだ。


南は、ずっと前から俺の事を思ってくれていたらしい。


俺も南が高校に入った辺りから彼女の事を一人の女性として見ていたと思う。


で、俺の大学入学が決まり、地元を離れる事を知った南が告白して来たのだ。


先に述べた通り、既に隣の幼馴染みとしてでは無く、彼女を一人の女性として意識していた俺は1も2もなく了承。


顔を赤らめて、上目遣いに言葉を紡ぐ南にしどろもどろになりながらも、何とか返事をして、纏まらない頭で受け答えをしている内に、デートの約束をしてしまった。


これが、現在テンパっている理由でもある。何せ、初めての彼女で、初めてのデートなのだ。年上として格好良く決めたいが、無理しすぎても直ぐにばれるだろう。


相手は生まれてから、これまでずっと隣に住んでいるのだから。


兎に角、特別ミスが無いように立ち回れる所で、なおかつデートっぽい感じを出せないといけない。


ゲームセンターでも大丈夫だろうか?


女って初めての記念とか好きだし、服やアクセサリーでも見に行こうか?でも、女物の服やアクセサリー見て俺に何か判るのか?


そんな事を考えながら明日のデートについて未だに考えを巡らせている。


しばらく考えたが、上手く纏まらない。


うん。飯とカラオケの後は、流れに身を任せよう。実はデート初めてだとカミングアウトしてしまえば、多少の事も何とかなるだろう。


取り敢えず、風呂に入ろう。


着替え・・・と言っても、俺は風呂上がりは基本パン1派なので、トランクスだけを持って風呂に向かおうとタンスを開ける。


その時、メールの着信音が室内に響き、下着を片手にメールを確認する。


差出人は南だ。


『明日、元々お母さんが出かける予定だったんだけど、お父さんもゴルフで出かけるんだって。出かける前に家で御飯食べてく?』


軽い感じで寄って行く事をメールで返して風呂に入る。


湯船に浸かり、一息ついた所で南からのメールの内容に今更ながらもふと気が付く。


「え?・・・明日、叔父さんも叔母さんも居ない?・・・いやいや、メールは出掛ける前にって・・・でも、二人きりだし・・・」


デートプラン所じゃ無い。頭の中がぐるぐるし始めた。ヤバい。心臓の凄い勢いで跳ね上がる。


南にその気は無いのかも知れない。ってか、多分無い。


でも、なんか良い雰囲気を作り出せればもしかしたら・・・

最低でもキスぐらいは・・・


よし、風呂出たらもう一度歯を磨こう。


取り敢えず無駄にもう一度体を洗った俺は下を向きながらバスタオルでワシャワシャと髪を拭きながら脱衣場から出る。


出た先が何時もの我が家では無い事に気付かないまま。



★☆★☆★



突然の絹を割いた様な悲鳴に俺は顔を上げた。


何事かと辺りを見回すとそこは薄暗い木造のホールで10人を越す人達に囲まれている。


「・・・へ?」


一瞬呆けた後、慌てて大事な所を隠したが、これ絶対に見られた。


意味がわからない。ここ何処?何故に公開ストリップ?って言うか、そもそも家の風呂場から出たはず何ですけど!?。


慌てて後ろをを振り向いても我が家の風呂場はそこに無く、ただ目の前と同じ作りのホールが広がって居るだけだった。


未だ騒ぎの収まらない中で俺は弱々しくも自然に言葉が漏れた。


「ここ・・・何処ですか?」



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