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勇者1人目 『伝説の剣の勇者』

 今日もこの世界のどこかで、伝説の魔王が世界征服を企んでいるとか、いないとか…。

それにビビったゆとり世代の国王は、いつもの他力本願で、神に伝説の勇者の降臨を懇願しましたとさ。


 そして今回、異世界より遣わされた伝説の勇者は、伝説の剣を持っていたという…。

「あらー、いらっしゃい!はじまりの町の酒場へようこそ。

あ、テンプレねこれ、テ・ン・プ・レ☆

ちなみに私はオ・カ・マよ!




は!?情報をくれ?

ちょっとアンタそこに座りなさい!

いいから!

ほら、そこ、座んなさいって!


私たち初対面よね?




初対面の人に会ったら、まず挨拶でしょ?ねぇ!

レストランに入って席に座ったら、まず水でしょ?

一緒よ!




今さら遅いわよ。

そんなちっさい声でブツブツと

もっとハキハキ言いなさいよ。




やればできるじゃない。

それで?

アンタ名前は?




イヌイ・キョウヘイ?

変な名前ね。

アンタなんかイヌで良いわよ、イヌで。

私は酒場の村人よ、よろしくー




はぁ?名前じゃなくて役柄名ですって!?

ほんっと失礼しちゃうわ。

アンタ始めっから失礼しっぱなし!

失礼のビックリ箱かよ!




いや、突っ込めよー

空気なごませようとボケたんだから、そこは突っ込めよー。




え?私の本当の名前?

いや、だから、酒場の村人だっつってんでしょー。

真の名と書いてマナっつって…


いや、今のは忘れて!

突っ込まなくて良いから、スベった自覚あるから。

それで?

イヌはどっから来たの?




いや、そこは真面目に答えてんじゃないわよー

わざわざイヌって振ってやったんだからワンッて鳴いてボケなさいよー

こっちも突っ込む準備してんだから!




だから今さら遅いわよ!

グズグズじゃないのー

もー!

で?トウキョウだっけ?

知らないわよそんなトコ!




しょーもない理由で死んで?

神様に能力授かって?

異世界に転生したと。

あーはいはい。

って事は伝説の勇者だ。

あーなるほど。

伝説の魔王を倒しに来たと。

はいはいはいはい。

魔王ねー




いや、知ってるも何も

アイツもイヌと同じだかんね?




どーゆー事ってアンタ

知らないでこっち来ちゃった系だ。

あー、そっち系かー

どーすっかなー

そっち系かー




え?知りたいの?

知りたい系?




あーそう、知りたい系だ。

んー

わかった!

特別に教えちゃう系だわ。

ずーと昔にね

魔王っぽい魔物がいたの。


それでね、何を勘違いしたのか

当時の王様がビビっちゃって

神に最初の勇者を転生してもらったの。

それが私の先祖ね。




いーから、黙って聞きなさい!

話しの腰折るんじゃないわよー

長くなると作者が疲れるんだからー

それで、無駄にチート能力を授かった勇者は

簡単に魔王っぽい魔物を倒したの。

”っぽい”だけだから当然よね。

めでたしめでたしー。




いや、終わりじゃねーよ?

終わりじゃねーけど

オマエ、今日イチ突っ込んだな!


元の世界じゃー死んでる勇者は

元の世界に戻る事ができません。

って事で、初めは王女様を娶って幸せに暮らしてたのよ。

でも、ORETUEEEEEEEEEE!な力を持て余した

勇者の欲望は二つの意味で膨れ上がり、

世界中の美女を求めて侵略を始めたの。

それが、伝説の魔王の始まりよ。

途中、下ネタが入った事はお詫びするわ。


そう、勇者と魔王の歴史は

こうして1756回繰り返されているの。

アンタは1757番目の勇者って事になるわね。




ええ、そんなにいるの。

しょーもない理由で死んだヒキニートは、だいたい異世界転生して勇者になっていると思って間違いないわ。




いやいや、アンタのヒキニート臭も大概よ?

で?

アンタのステータス見せてみなさいよ。




どうって

出でよステータス!とか

システムコマンドオープン!とか

それっぽいの叫んだら出て来るんじゃないの?




ぷー

真顔www!

こっちまで恥ずかしーわ!

出るわけないじゃん、そんなもん。




あーわかったわかった。

吠えるな吠えるな。

イヌだけに。


ハイ!

それじゃ秘密道具ー

キタコレwww




え?

なんちゃらボールの?

野菜人が付けてる?

スカウーん?

違います!


版権とか怖いです。

断じて違います!


ちなみに、神の戦闘力…

じゃなかったレベルは220よ。

公式データだから正確だわ。

アンタの戦闘力は…

   イヌイ

職   勇者

LV   99

HP 9999

MP 9999

力  255

守  255

魔  255

早  255

運  255

チートね。

完全にアウトなヤツだわ。




え?私?

私のは見なくて良いわよ。

LV 9だし。




どーしても?

しょーがないわねー。

 酒場の村人

職   モブ

LV    9

HP 9の9乗

MP 9の9乗

力 9の9乗

守 9の9乗

魔 9の9乗

早 9の9乗

運 9の9乗




なによ。

9の9乗?

尺に収まらないのよ!

正確には

3億8742万0489よ。

ちなみにlv 1の頃は

1の1乗だったのが

2の2乗、3の3乗って

レベルが上がるごとに増えてるから

これ以上レベルが上がると

天文学的数値になって怖いから

経験を積まないようにしてるの。




バグって何よ?

これはアホな勇者たち1756人の

遺伝が生んだ奇跡!

って神が言ってたわ。




え?

神なんてしょっちゅう会うわよ。

私が寝ている隙に

裁きの雷!!だの

神の怒り!!だの使ってきて

ウザいったらありゃしない!




あれ?

ちょ、どこ行くの?

あ、剣ー

剣忘れてるわよー

伝説のやつー

あ、折れた…

ごめーん折っちゃったー

伝説のやつー

イヌー!

伝説のやつ忘れてるー

イヌよー!

あ、ペス!ぺスが良いわね!

おーい、ぺスー!

戻っておいでペーースーー!」

 こうして、伝説の勇者は酒場の犬ぺスとなり、この異世界の新たなる魔王の脅威は去った。

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