第5話 町で錬金
吾輩はスライムである。
名前はスカイ。
どこで生まれたか……ルマーズの草原。
なんかよく分からない自分語りは置いておいて。
僕はルマーズの草原にて、ゴブリンとの激しい決闘の末、残念ながら敗れてしまった。
……普通に僕が弱かった。ぐすん。
そうしてここ、ルマーズの町で復活した。
幸い、アイテムは減っていないようだ。
所持金は減っている。ほんの些細な変化だが。
死ぬ前まで2Cだったが、今は1Cになっている。
ゴブリンもこういうところはちゃっかりしているなあ。
まあそれは置いておいて。
このままでは、強さが心元ないことが分かった。
というか全然強くないことがわかった。
ゴブリンはこのゲームで3番目くらいに弱いモンスターとかだと思う。
そんなゴブリンに負けちゃいましたよ、ハイ。
圧倒的大差で。ハイ。
ということで強くなろう。
Q:強くなるためにはどうする?
A:ポーションをたらふく飲んで経験値GET、レベル上げ!
つーことでポーション作り、開始。
人通りの少ない建物の裏に隠れて、錬金を始める。
現在持っているアイテム。
結構情報量が高くなってきたので箇条書きで表す。
インベントリ(12/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×10
・HPポーションLv4(+2)×1
・HPポーションLv4(+1)×4
・HPポーションLv4×2
・HPポーションLv4(-1)×1
・草×99
・木の葉×99
・木の枝×99
・鉄鉱石×12
・魔石・赤×1
とりあえず、鉄鉱石と魔石・赤を単体で錬金する。
魔石・赤から。
<錬金成功。赤のオーブを獲得>
過去に鑑定判明で見ていた通り、赤のオーブになった。
鉄鉱石も錬金。
<錬金成功×11。鉄の延べ棒を獲得>
<錬金失敗×1>
こっちも予想通り、鉄の延べ棒になった。
赤のオーブは錬金でこんなものができる。
・スライムジェル+キノコ+赤いオーブ→火属性ポーション
では、鉄の延べ棒を使うと何ができるのだろうか?
・スライムジェル+キノコ+鉄→身体強化ポーション・鉄
ほう。身体強化とはなんともおもしろい。
鉄分って大事だなあ。
あと、スライムジェルに引き続いてキノコも何気に重宝するようだ。
きのこ、のっこっのっこ、げんきのこー。
あと、持続型のポーションにも入れられそう。
持続型というのは、1分間攻撃力増加とか、そういうポーションのことだ。
そこに入れると良いことが起こりそうな気がする。
肝心のそれがわからないけど。
キノコは残念ながら持っていないのでさっきのレシピたちは錬金できない。
町に来ちゃったことだし、あとで露店でも覗いて買ってみよう。
あと、錬金できる最大の素材の数も足りないし。
まだ同時に2つしか錬金できないのだ。
たぶんジョブレベルが上がればそこは増えると思う。
というわけで、今できるものを作っていこう。
今の持ち物。
インベントリ(11/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×11
・HPポーションLv4(+2)×1
・HPポーションLv4(+1)×4
・HPポーションLv4×2
・HPポーションLv4(-1)×1
・草×99
・木の葉×99
・木の枝×99
・鉄の延べ棒×11
まず、草を消費してみるか。
草はスライムジェルの下位互換だが、一部レシピにはスライムジェルと同格なものもあった。
・スライムジェル+草→HPポーション
これなら、下位互換だからといって変なマイナス補正がつくわけでもなさそうだった。
というわけでこれをまず行う。
スライムジェルを回収。
<スライムジェル×99を獲得しました>
錬金。
スライムジェルと草を一緒に錬金する。
<錬金成功×66。HPポーションLv1(-2)×14,…を獲得しました>
<錬金失敗×33>
獲得したもの。
・HPポーションLv1(+2)×14:HPを42回復する。
・HPポーションLv1(+1)×13:HPを36回復する。
・HPポーションLv1×18:HPを30回復する。
・HPポーションLv1(-1)×14:HPを24回復する。
・HPポーションLv1(-2)×7:HPを18回復する。
合計66個
うむ。普通に錬金できた。
ちょっと錬金成功確率が上がっているな。
最初のころは2個に1個くらい失敗してたはず。
今は3個に1個くらいしか失敗していない。
ジョブスキルの「成功上昇」が効いているっぽい。
また、「補正上昇」も効いているようだ。
なんとなく、上位補正の方が沢山ついている気がする。
下級(Lv1)ポーションくらいだったら錬金成功確率があがることが分かった。
まあたぶん上級ポーションとかだと成功確率は下がるんだろうけど。
あと、木の葉と木の枝も使っておこう。
どちらもMPポーションの材料になる。
・スライムジェル+木の葉(木の枝)→MPポーション
というわけでこれも錬金しよう。
錬金のためにスライムジェルを回収。
<スライムジェル×99を獲得しました>
<スライムジェル×99を獲得しました>
では錬金。
スライムジェル+木の葉(木の枝)の組み合わせは合計198個である。
<錬金成功×106。MPポーションLv1(-2)×19、…を獲得>
<錬金失敗×92>
うむ。
獲得したもの。
・MPポーションLv1(+2)×16:MPを42回復する。
・MPポーションLv1(+1)×27:MPを36回復する。
・MPポーションLv1×35:MPを30回復する。
・MPポーションLv1(-1)×16:MPを24回復する。
・MPポーションLv1(-2)×12:MPを18回復する。
合計106個。
回復量はHPポーションと同じようだ。
この回復量でいくと、ポーションのレベルが上がるとどうなるんだろう?
錬金瞑想で思い出せないかな?
錬金瞑想の内容はたしか「過去に行ったレシピを思い出す」みたいな感じだったけど。
思い出してきた……
HPポーションLv1:HPを30回復する。
HPポーションLv2:HPを60回復する。
HPポーションLv3:HPを100回復する。
HPポーションLv4:HPを150回復する。
HPポーションLv5:HPを200回復する。
HPポーションLv6:HPを300回復する。
HPポーションLv7:HPを400回復する。
HPポーションLv8:HPを500回復する。(Lv8(+1)からの推測)
HPポーションLv8(+1):HPを600回復する。
こんな感じか。
MPポーションも後で高レベル化してみようかな。
さて、手に入れたものが増えてきたので整理。
ポーションの情報量が高いのでちょっと省略した。
インベントリ(18/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×11
・HPポーションLv4(補正略)×8 4枠分
・鉄の延べ棒×11
・HPポーションLv1(補正略)×66 5枠分
・MPポーションLv1(補正略)×106 5枠分
そういえばHPポーションとかって錬金の素材になるのかな?
ポーション同士の錬金とかしたことないし。
何か入れて錬金したら新しいものができるとかあるのかな?
錬金判明で確かめてみよう。
あっ。
僕が見つけたものは、かなり有用そうなポーションの作成方法であった。
・スライムジェル+HPポーション→HP自動回復ポーション
・スライムジェル+MPポーション→MP自動回復ポーション
自動回復ポーション。響きがいい。
たぶん、毎分とかで回復ができるってことかな?
是非ほしい。
しかも、必要な素材はスライムジェルのみ。とてもやさしい。
じゃあ作ってみるか。
・スライムジェル+HPポーションLv1
・スライムジェル+MPポーションLv1
これを試してみる。
<スライムジェル×99を獲得しました>
<錬金成功。HP自動回復ポーション[1分]Lv1を獲得>
<錬金成功。MP自動回復ポーション[1分]Lv1(+1)を獲得>
よし。成功したようだ。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1:1秒ごとにHPを1回復する。1分間有効。
・MP自動回復ポーション[1分]Lv1(+1):1秒ごとにMPを1.2回復する。1分間有効。
1秒毎にHPを1回復、MPを1.2回復かあ。
結構有用なんじゃないかな?
僕の最大HPは22だから、戦闘になっても22秒攻撃を避け続ければ全回復。
酸弾は毎秒以上の早さで繰り出せる。
作り方を忘れないように覚えておこう。
そういえば、鉄の延べ棒。
なにか、効果が持続しそうなポーションと錬金してみるとよいことが起こりそうだなって思っていたんだ。
やってみよう。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1+鉄の延べ棒
で錬金してみる。
<錬金成功。HP自動回復ポーション[2分]Lv1を獲得>
おっ。ポーションの有効時間が増えた。
金属を入れるとポーションの有効時間が増えるようだ。
今後もいろいろと試してみよう。
HP自動回復ポーションのレベルってどうなっているんだろう?
さっきはHPポーションLv1を使ったから自動回復ポーションもLv1になった。
HPポーションLv4を使った場合はどうなるんだろう?
・スライムジェル+HPポーションLv4→?
<錬金成功。HP自動回復ポーション[1分]Lv4(-2)を獲得>
よし。
HPポーションのレベルは、それを錬金してHP自動回復ポーションになっても引き継がれるらしい。
色々と楽しんだところで、今手持ちのHPポーションLv1を全部HP自動回復ポーションにする。
MPポーションは純粋にレベルを上げたいから、そっちの錬金はしない。
まずスライムジェルを補給。
<スライムジェル×99を獲得しました>
・スライムジェル+HPポーションLv1→HP自動回復ポーション[1分]Lv1
これで錬金。
残っているHPポーションLv1は98個。全部錬金。
<錬金成功×61。HP自動回復ポーション[1分]Lv1 (-2)×8、…を獲得>
<錬金失敗×37>
獲得したもの。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1(+2)×11:1秒ごとにHPを1.4回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1(+1)×14:1秒ごとにHPを1.2回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1×16:1秒ごとにHPを1回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1(-1)×12:1秒ごとにHPを0.8回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv1(-2)×8:1秒ごとにHPを0.6回復する。1分間有効。
合計61個。
しっかり錬金できたようだ。
せっかくいっぱいあるんだし、もう一段階錬金するか。
素材にHP自動回復ポーションLv1×2を入れて錬金。
2つ合わせて錬金したほうが、マイナス補正が付きにくい。
これはどんなポーションにも言えることだ。
2つ合わせて錬金すると、錬金でできるポーションの数は純粋に半分になる。
しかし、マイナス補正が大きいと錬金が成功しにくくなるのだ。
結果、2つ合わせて錬金したほうが一番効率がいい。
ちなみにジョブレベルが上がると、3つ以上合わせて錬金することもできるようだ。
しかし、錬金で作るポーションの数が減りすぎてしまって良くないらしい。
錬金って大変だね。
話が脱線してしまった。
それはともかくとして錬金をしよう。
HP自動回復ポーションLv1を61個使って錬金。
2つ合わせて錬金。最後のあまりは単体で錬金。
結果。
<錬金成功×14。HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-5)、…を獲得>
<錬金失敗×17>
よし。成功。
ん? (-5)? 低くない?
僕は獲得したポーションを調べる。
HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-5)
獲得したもの。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv2(+1)×5:1秒ごとにHPを1.2回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv2×5:1秒ごとにHPを1回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-1)×2:1秒ごとにHPを0.8回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-2)×1:1秒ごとにHPを0.6回復する。1分間有効。
・HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-5)×1:1秒ごとにHPを0回復する。1分間有効。
合計14個。
なんだこれ……あっ、気がついた。
さっき61個のポーションを錬金した際、1個の余りを単体錬金したんだった。
それが(-5)のポーションのようだ。
ポーションのマイナス補正は、1つ数字が上がるごとに20%上昇。
1つ数字が下がるごとに20%減少。
最高は不明。青天井の可能性が高い。
最低は-5。ポーションの効果は0%になってしまう。
つまり、ポーションの効果がなくなってしまうというもの。
これは錬金しても必ず失敗するし、効能もない。
じゃあどうしようか?
飲もう。
HP自動回復ポーション[1分]Lv2(-5)を飲んでみた。
ちょっと栄養ドリンクっぽい味。まあおいしい。
––HP自動回復Lv2(-5) HP0回復/1秒 残り1分––
しっかり効能も視界に映っている。
ポーションの説明通り、1秒あたりHPが0回復するらしい。
うん、ただの飾りだね。効果ないね。
余談。
持続系のポーションは連続して飲めるかわりに以下の制約がある。
・1度に3つの効能までしか使えない。
・同じ名前のポーションを重複して使えない。
(重複して使うと、あとに使ったものが効能に上書きされる)
あと、効能は切れた際にはログで教えてくれるらしい。
それは置いておいて、次はMPポーションの錬金をしよう。
HP回復ポーションは重宝しそうだし、残しておく。
今持っているMPポーションはLv1。106個。
ではさっそく錬金しよう。
1度に2つのポーションを錬金。つまり53回の錬金を行った。
結果。
<錬金成功×32。MPポーションLv2(-2)×4、…を獲得>
<錬金失敗×21>
錬金には成功したようだ。
<ジョブレベルが19から20に上がりました>
<一度に錬金できる最大素材数が3つになりました>
おっ。ジョブレベルもついに上がったか。
なかなか上がらないから忘れていた。
一度に錬金できる最大素材数が上がったようだ。
つまり、前に見たこれらのレシピができるようになっているかも。
・スライムジェル+キノコ+赤いオーブ→火属性ポーション
・スライムジェル+キノコ+鉄→身体強化ポーション・鉄
キノコを手に入れたらまた考えてみるか。
それは置いておいて、MPポーションについて。
全部の詳細は見ない。一部略。
MPポーションLv2:MPを60回復する。
合計32個のMPポーションLv2(補正略)。
よし。うまくいったようだ。
ではもう一段階錬金してみよう。
<錬金成功×8。MPポーションLv3(-2)、…を獲得>
<錬金失敗×8>
MPポーションLv3:MPを100回復する。
合計8個のMPポーションLv3(補正略)。
うむ。こっちも上手く行ったらしい。
さすがに数が少ないので、もう錬金は止めておこう。
一本だけ飲んでみよう。
濃い野菜ジュースの味。
<レベルが12から13に上がりました>
こっちもレベルが上がった。
めっちゃ久しぶりに上がった。
もっとレベル上げがしたい。
本音としてはMPポーションをもっと飲みたい。
だが、僕には無限のHPポーションがある。
僕は涙をのんで、MPポーションを飲みたい意欲をこらえた。
ここまで色々とポーションを作った。
インベントリはどんな感じになっているかな?
インベントリ(17/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×11
・HPポーションLv4(補正略)×8 4枠分
・鉄の延べ棒×10
・HP自動回復ポーションLv2(補正略)×13 4枠分
・MPポーションLv3(補正略)×7 5枠分
ちょっとだけインベントリが賑やかになった。
さて、そろそろHPポーションを作ろうかなと思ったけどその前に。
HPポーションLv4を全部飲んでおこう。案外飲まないと邪魔になる。
全部飲んでみた。
わずかに苦い。
レベルも上がらなかった。ちょっと悲しい。
まあ、それでインベントリに少し余裕ができたからよしとする。
インベントリ(13/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×11
・鉄の延べ棒×10
・HP自動回復ポーションLv2(補正略)×13 4枠分
・MPポーションLv3(補正略)×7 5枠分
––HP自動回復Lv2(-5)の効果が切れました––
さっき飲んだHP自動回復ポーション[1分]Lv2(-5)が切れたらしい。
まあそれはポーション作りとは関係ないので置いておく。
では、またHPポーションを作っていこう。
そうして、それをいっぱい飲んでレベルを上げる。
HPポーションはLv5くらいでいいかな?
今回はログアウトしてアバターが消えるわけでもない。
だから、スライムジェルをまき散らしても大丈夫である。
そうして、インベントリに入らないくらいのスライムジェルをとにかく連打で錬金するのだ!
ということで、スライムジェルをまき散らそうとして考える。
ここは人通りの少ない建物の裏だ。人に見つかりにくい。
だが、さすがにここでスライムジェルをまき散らしては大変だ。
万が一見つかった時にいろいろと厄介なことになるだろう。
じゃあ、と近くにあった木の中に入る。
正確には、木の葉の中だが。
建物の裏にある木の中。絶対にばれないと思う。
という訳でこの中で錬金を始めよう。
スライムジェルをまき散らそう。
万が一やばい感じにまき散らして、木からも溢れてきても大丈夫だろう。
じゃあスライムジェルをまた回収しますかあ。
いや、まき散らしますかあ。
<スライムジェル×99を獲得しました>
<スライムジェル×99を獲得しました>
<スライムジェル×99を獲得しました>
……
<インベントリがいっぱいです>
<インベントリがいっぱいです>
……
<インベントリがいっぱいです>
現在、絶賛スライムジェルまき散らし中。
そして僕、気がついた。
ここで常時錬金をしたら面白いことになりそうだという事を。
では始めようか!
いでよ! 常時錬金!
スライムジェルを錬金しいって、最終的にHPポーションLv5になるまで錬金を頼もうぞ。
なお、ここでの錬金はすべてダブル錬金のことをいう。
<常時錬金を始めます>
ふっふふふー。
どれくらいポーションができるかが楽しみだ!
<ジョブレベルが20から22に上がりました>
そうして5分後。
僕の周りには。
木の上にパズルのように置かれた、大量のHPポーションLv5。
そして、その周りを取り囲むスライムジェルがあった。
……いくつあるの、これ?
HPポーションでもLv5となれば、簡単には作れないだろうと思っていた。
10秒に1つ作れたらいい感じかなーって思ってた。
最初の1秒目、いや0.1秒目から生産されていたんですが!?
毎秒1スタックくらい出てくるんですが!?
どうするよ僕!
ポーション中毒なんてもんじゃないぞこれ!
まあ飲んでみよう。
ごくごく。
ごくごく。
……
飲み終わるのを待っているのか、レベルアップのログはなかなか出てこない。
でもそれは好都合だ。
一気に上がるレベルが見える。
しかし、飲んでも飲んでも一向にポーションは減っていかない……
路上に放置されたポーションはむしろ増えている気がする。
錬金、やめようか?
いや。
一度に出てくるポーションの量を減らそう。
ひとつ高レベルのポーションをつくると、ポーションの量は平均的に4分の1になるはずだ。
まず、ダブル錬金をしているから2分の1。
また、錬金成功の確率は2分の1とすると、ダブル錬金の確率と合わせて4分の1となる。
たとえば、HPポーションLv1×100からLv2をつくると、基本的には25個が期待値だ。
今は毎秒1スタックのHPポーションLv5が出ている。
できたらポーションのレベルを上げて、毎秒1個くらいとなるまでポーションの錬金スピードを下げたい。
4の倍数だったら、今の64分の1がベストだろう。
ならば、HPポーションLv5をLv8にすれば、スピードは4×4×4分の1=64分の1になる。
すなわち、毎秒1.5個くらいとなる。丁度いいスピードだろう。
常時錬金、スライムジェルからHPポーションLv8まで錬金頼む。
<常時錬金を始めます>
すると、出てくるポーションの量が減った。
2秒に3つくらいのペースで出てくる。
これだったら、飲みまくる必要はない。
僕はゆっくり飲んでいった。
ゆっくり飲んでいったためか、ログが流れだした。
<レベルが13から19に上がりました>
<ジョブレベルが22から25に上がりました>
めっちゃ上がったぞ。
もっと飲む。ごくごく。
1秒にポーションを1,2つ飲むだけの簡単なお仕事で。
僕はどんどんレベルを上げていった。
<レベルが19から22に上がりました>
<グリーンスライムへの進化が可能になりました>
<ジョブレベルが25から28に上がりました>
進化が可能になっちゃった。
<レベルが22から24に上がりました>
<ジョブレベルが28から31に上がりました>
<レベルが24から26に上がりました>
<ジョブレベルが28から31に上がりました>
<一度に錬金できる最大素材数が4つになりました>
<レベルが26から28に上がりました>
<ジョブレベルが31から33に上がりました>
……
そんな感じでレベルとジョブレベルが上がっていった。
めちゃくちゃやっていたら日が暮れてきたので、スライムジェルの生産を終了した。
これで、スライムジェルが尽きるまでポーションができたら終了とした。
しかし、スライムジェルは全く尽きなかった。
もういくつあるのかわからない。
結局、それが無くなるころには1時間くらいが経過していたと思う。
そうして、最後のレベルのログはこれだった。
<レベルが47から48に上がりました>
<ジョブレベルが39から40に上がりました>
<一度に錬金できる最大素材数が5つになりました>
色々と上がりすぎな気がするがまあこんなもんか。
そうして僕は満足し、ログアウトした。
ログアウト。
◇主人公のステータス(現在)
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv12→Lv48 ジョブ:錬金Lv19→Lv40 年齢:0 所持金:1C
種族:ブルースライム(グリーンスライムに進化可能)
ステータス:
HP:11/11→31/31
MP:2/2→6/6
攻撃:3→19
防御:3→18
俊敏:3→19
器用:41→151
(デスペナルティによりステータス半減中)
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
スキル:水魔法Lv1
ジョブスキル:成功上昇(2P)・補正上昇(1P)・錬金瞑想(5P)・錬金予想(5P)・錬金判明(10P)・常時錬金(20P)
インベントリ(4/25):
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・赤のオーブ×11
・鉄の延べ棒×10
装備:なし
ブルースライム:モンスターランクF
ドロップアイテム……「スライムジェル」「魔石・青」
ルマーズ草原などにいるモンスター。水色。
この世界の最弱モンスター。剣で核を切るか火魔法を浴びせれば倒せる。
体のジェルは酸性であり、触れたものを溶かす。
水魔法を使い、たまに敵に酸弾を浴びせることも。
戦闘などで経験値が入り、Lv20でグリーンスライムに進化できる。
―――――――――――――