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VRMMOでスライム転生  作者: Futonize
内容
5/19

第4話 冒険のはじまり?

 ……


 ログイン。


 今日もしっかり日が昇っている。

 よいVRMMO日和である。


 というか、ゲームの臨場感を出すためにここをVRMMOじゃなくて「異世界」って呼ぼうかな?

 まあこれはのちに考えるとして。



 確か、昨日は常時錬金を使いつつログアウトしたはずだ。

 常時錬金の内容は「出来たHPポーションが全てLv4になるまで常時錬金」だった。

 さて、どうなったかな?




 インベントリを確認。


 ログイン前には、スライムジェルが99×23個=2277個あった。

 それが今はこんな感じ。


 ・HPポーションLv4(+2)×1:HPを210回復する。

 ・HPポーションLv4(+1)×4:HPを180回復する。

 ・HPポーションLv4×2:HPを150回復する。

 ・HPポーションLv4(-1) ×1:HPを120回復する。

 ・HPポーションLv4(-2) ×1:HPを90回復する。


 うむ。

 常時錬金はしっかり作動したようだ。

 いいね。



 そういえばwikiに書いてあったことを思い出した。


 スライムジェルを錬金したらHPポーションLv1ができる。

 本来、すでにインベントリが満杯だとそれが入る枠はない。

 しかし、常時錬金ではなぜか全部インベントリに入ってくれると書いてあった。

 だから、常時錬金でログアウト中にアイテムを落とす心配はないようだ。



 閑話休題。


 僕は、前に買っておいた地図に目を通した。

 地図は一応買ってはいたものの、使っていなかったのだ。


 地図では、海がまったく描かれていなかった。

 これはいかにこの大陸が大きいかを書いているのだと思う。


 僕はこのルマーズの町に近く、たくさん素材がありそうな場所を探す。



 このルート、面白そうだ。

 ひたすら北上するルート。


 まず、北にはルマーズの草原がある。

 前に行った場所。スライムがいっぱいいたところ。

 思い返してみると、結構木の葉とか草とか岩とかが落ちていた。

 その辺を収穫すると面白いかもしれない。


 次に、その奥へ進むとルマーズの森がある。

 地図上では、濃い緑色で描かれている。

 濃い森林地帯。いろいろな素材がありそう。


 また、そのさらに奥にはビーチのような場所があった。

 といっても海とつながっているわけではないようだ。湖となっている。


 水源はホット温泉と書いてある。

 うん、そのまんまの名前。

 温泉。あたたかそう。

 水もここで収穫できるだろう。水というかお湯だけど。


 そこくらいで地図の端っこだ。

 それ以降のマップは分からない。

 でも、その奥にもなにか面白いものがあるのは確かだと思う。

 だから、その方向へ行ってみたい。



 よし。

 そんな感じで進んでいくか。


 そういえば昨日いろいろとビジョンを見た。

 たしか、錬金予想を使ってだったなあ。

 まだ見つけていないポーションの内容、それとそれに必要な材料が分かるってやつ。


 あのビジョンのアイテムとかも適当に集めていきたい。

 エリクサーとか、骨とか。


 まあとりあえずエリクサーは作りたいな。

 ドラゴンの血があれば作れる。

 ドラゴンの血はたぶんドラゴンを倒せば取れるだろうし。



 まあそれは置いておいて。

 僕は北上するためにルマーズの町を出た。

 そうしてルマーズの草原に向かった。


 ルマーズの草原。

 そこは、スライムたちの楽園であった。


 前を見ると、冒険者のプレイヤーたちがスライムたちを次々と倒している。

 いやあ、みんな一撃で倒しているよ。

 剣を振ったり、弓を引いてみたりして。

 火の魔法で倒している人もいるね。どれも一撃。


 初心者っぽい人からもうすこし装備のいい人まで。

 スライムは平等に彼らに襲いかかる。

 そして、平等に倒される。

 きれいに一撃。


 ちなみに僕もスライムだ。

 プレイヤーたちに見つかって襲われたらひとたまりもないだろう。

「友好的モンスター」のふりをするのも無理がある。

 というかここ町じゃないし。

 町で友好的に行動する、マスコット的キャラクターのような立場でもないし。

 草原では普通の敵にしか見えないし。その中の一匹が攻撃してこなくても普通に倒されるだろう。


 というわけで、草原の端っこを通る。

 ここだって、プレイヤーに完全に見つからないわけじゃない。

 だが、スライムは大量にいる。

 プレイヤーの近くに、だ。

 わざわざ、端っこにいる僕に向かって攻撃してくる必要性はないだろう。




 そうだ。草を回収しなきゃ。


<草を獲得しました>


 名前、適当。

 確かに、そこにあったのは名前もよく分からない植物の一つだったが。

 普通に茂る草ってことしかわからなかったが。


 草は大量に生えているのでいっぱい回収。

 とりあえず99個回収した。


<草×99を獲得しました>


 錬金判明を使って草で何が作れるか調べてみたが微妙だった。

 全体的にスライムジェルの下位互換って感じ。



 そういえば余談だけど、「錬金瞑想」と「錬金予想」と「錬金判明」、どれがどれだか覚えにくい……

 内容はこんな感じ。


 ・錬金瞑想:これまでの錬金を思い出せる。

 ・錬金予想:やったことの無い錬金レシピがふっと思いつく。

 ・錬金判明:素材を見て、なにが作れそうかが分かる。


 でも名前が似ているから、言いたい時に言いたいことがパッと出てこない……

 まあ覚えていくしかなさそう。



 それは置いておいて。

 素材回収の話に戻る。



 そこにある木にも登って、素材をいろいろと回収してみた。


<木の葉を獲得しました>

<木の枝を獲得しました>


 こっちも木の詳細は分からなかった。

 まあ木の葉。案外重要アイテムかもしれない。

 木の枝とかも面白そうだし。


 あ、前に木の中でログアウトした時素材回収してればよかったかもしれない。

 今後はもっと素材を主体的に回収していこう。


 木の葉、木の枝も小さいサイズだったので、沢山回収できた。

 どちらも99個回収した。


<木の葉を99個獲得しました>

<木の枝を99個獲得しました>


 錬金判明。作れそうなものは……MPポーションだった。


 ・スライムジェル+木の葉(木の枝)→MPポーション


 MPかあ。

 何だかんだ言って、これまで全く使ってないんだよなあ。


 僕がスライムとして持っている魔法に酸弾がある。

 酸弾はMP1を消費して、体の酸性のスライムジェルを飛ばすというもの。

 そうして物を溶かすという魔法だろう。


 でも、そもそも一度も敵に遭遇していない。

 だから必要がなかった。



 そういえば酸弾、一度使ってみるかあ。


 ステータスでは、MP:5/5と表示されていた。

 つまり、5回発射できるだろう。


 じゃあ発射。近くにあった木に酸液をかける。

 木はジューっていってどんどん溶けていった。


 ……というのは冗談。

 木にかかった酸液から、何か泡が出ているのは見える。

 しかし、溶ける速度が目に見えないくらいめちゃくちゃ遅い。

 かなりの弱酸性だった。


 スライムって攻撃力、やっぱり低いなあ……

 まあ仕方ない。敵に出会ったら、その時はその時だ。



 フィールドの話に戻る。

 フィールドには、いっぱい石ころが転がっていた。

 とにかく回収。


<石を獲得しました>


 うん。石だ。

 玄武岩だとか、花崗岩とかの区別もない。

 すべて石だ。シンプルだ。


 石ってなにか作れるのかな? 錬金判明。

 ……何もなかった。何をしても失敗の予感しかしない。


 石はいらないかな。

 僕は持っていた石を捨てた。



 あと、石を見ていたら他のアイテムも見つけた。

 ちょっと赤みのかかった石。

 色が「普通の石とは違いますよー」って訴えてる。


<鉄鉱石を獲得しました>


 鉄鉱石もあったようだった。

 鉄鉱石の方は何か用途があるだろう。錬金判明。


 ・鉄鉱石→鉄の延べ棒


 そのまんまだった。

 鉄の延べ棒になったらもう少し用途が増えそうだし、こっちは回収だな。


 ただ、鉄鉱石はあまり見つからなかった。

 合計12個しか見つからず。


<鉄鉱石を12個獲得しました>



 そうして僕が地面を見ながら石を見ていると、突如赤い石が目に入った。

 赤い石といっても鉄鉱石の比ではなく光っている。


 もしかすると、これは宝石かもしれない。

 ルビーかな?

 超高級なやつじゃない?


 僕はそれを回収してみた。


<魔石・赤を獲得しました>


 それは魔石だった。

 魔石ってこんなに美しいんだなあと、僕は感動した。


 しかし、錬金判明をしてみると拍子抜けしてしまった。


 ・魔石・赤→赤のオーブ


 結局は赤のオーブになるのであった。

 たしか、あの時買った赤のオーブは100Cで売られていた。

 一方、簡単に作れるHPポーションLv4は1400C。こっちの方が高い。


 なんか比較するとしょぼく見えてしまうなー。

 こんなにきれいな魔石なのに、お金に換算すると結構安いらしい。



 それは置いておいて。

 いつの間にかルマーズの草原に終わりが見えてきた。

 結構僕は進んで行っていたようだ。


 もう周りにスライムはほとんどいない。

 そして、プレイヤーも見えない。

 もう僕は草原に出てきていいだろう。


 僕はそこにいたスライムに近づいてみた。

 同族ということで、スライムは僕を攻撃してこない。


「スライムさーん」


 声をかけてみた。

 スライムはこちらを振り向く。

 しかし、しばらくすると去っていった。

 声を発さずして。


 スライムって本来は声が出せないのかな?

 まあ知性の違いとかもあるのかもしれない。



 それは置いておいて。


 僕はルマーズの森へ進んでいった。

 しかし、それは時期尚早だったようだ。


 森から突如ゴブリンが現れた。

 ボロボロの鉄の剣をもって、一匹単体で現れた。


 そして僕に襲いかかってきた。

 えっ、僕らモンスター同士だよね?

 戦闘しちゃうの?


「いやいやモンスター同士でしょ」

「グゴ、スライムキライ」

「仲良くしようよ」

「ヤダ、スライム、ドウゾク、タベタ」


 おう。

 僕は厄介事に巻き込まれたようだ。

 仲間の敵討ちとしてスライムを倒そうとするゴブリン。

 完全に巻き込まれた僕。


 というかゴブリンが剣で殴ってきた。

 ボロボロの剣だからね。刃こぼれしまくってるからね。

 突きとかできないよね。

 殴ってきてるだけだし、あまり大したことはないだろう。


 ボカ。


 ・HP:22/22→9/22


 めちゃくちゃHP減っているんですが!?

 一撃で6割くらい飛んだぜ。

 これは死にそう。ヤバい。



 そうだ! こんな時の酸弾。


<MPが足りません>


 あっ。さっき使い果たしちゃった。

 うむ。戦闘中だけどMPポーションを錬金して作って飲もう。

 MPポーションの材料はあるし。木の葉とスライムジェル。


<戦闘中は錬金できません>


 あっ。



 ど、どうしよ?

 とりあえずHPポーションを飲むか。

 前回のログアウト時に常時錬金で作っておいたやつ。

 そのうちの一つ、HPポーションLv4(-2)を飲む。


 効能はHPを90回復。


 ・HP:9/22→22/22

 全回復。


<即効性ポーションを1分間使えなくなりました>


 おっと。

 即効性のHPポーションでしっかりHPが回復したから、使用制限がかかっちゃった。

 これまででレベルを上げる際とかに飲むなら使用制限はかからない。

 でも、しっかり回復しちゃうとこうなるんだよね。



 脳内雑学を拾い上げている間。

 その間にもゴブリンが剣で殴ってきた。


 ボカッ。


 ・HP:22/22→11/22


 HPが5割削れた。


 さて、ポーションが使えず絶体絶命の今。どうするか。

 ゴブリンは自分より早いから逃げるのもできなさそう。


 こうなったら、僕の強さを見てみよう。

 スライムはゴブリンにどれだけやれるかを。


 ゴブリンに突進!

 スライムの体でゴブリンを溶かしていく!

 ほんの僅かに溶かせている実感がある。




 しかし。

 ゴブリンの反撃。


 ボカ。


 ・HP:11/22→0/22


<あなたは死にました>

<デスペナルティにより、12時間全ステータスが半減します>


 あっ。



<あなたをルマーズの町で復活させます>



 周りを見渡すと、町。町。町。

 客。客。客。建物。建物。


 あー、やっちゃった。

 冒険は振りだしに戻ってしまった。


 こんにちはルマーズの町。




 ◇主人公のステータス(現在)


 ―――ステータスウィンドウ―――

 スカイ:Lv12 ジョブ:錬金Lv19 年齢:0 所持金:2C→1C

 種族:ブルースライム


 ステータス:

 HP:22/22→11/11

 MP:5/5→2/2

 攻撃:7→3

 防御:6→3

 俊敏:6→3

 器用:82→41

(デスペナルティによりステータス半減中)


 魔法:

 酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。


 スキル:水魔法Lv1


 ジョブスキル:成功上昇(2P)・補正上昇(1P)・錬金瞑想(5P)・錬金予想(5P)・錬金判明(10P)・常時錬金(20P)


 インベントリ(12/25):

 ・初心者用錬金台 耐久∞

 ・地図

 ・赤のオーブ×10

 ・HPポーションLv4(+2)×1

 ・HPポーションLv4(+1)×4

 ・HPポーションLv4×2

 ・HPポーションLv4(-1)×1

 ・草×99

 ・木の葉×99

 ・木の枝×99

 ・鉄鉱石×12

 ・魔石・赤×1



 装備:なし


 ブルースライム:モンスターランクF

 ドロップアイテム……「スライムジェル」「魔石・青」


 ルマーズ草原などにいるモンスター。水色。

 この世界の最弱モンスター。剣で核を切るか火魔法を浴びせれば倒せる。

 体のジェルは酸性であり、触れたものを溶かす。

 水魔法を使い、たまに敵に酸弾を浴びせることも。

 戦闘などで経験値が入り、Lv20でグリーンスライムに進化できる。

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