エピローグ 神化ポーション
––神化☆ 神化する 残り∞日––
その瞬間、世界が真っ暗になった。
五感が完全に感じられなくなってしまったのだ。
しかし、ステータスを開くことが可能であった。
そのため、ステータスを開いてみた。
―――ステータスウィンドウ―――
神:
この種族は「神」である。
「神」は神という概念そのものである。
肉体を持たないため、概念そのものは物理世界への干渉ができない。
だが、肉体を持たないために不老不死な存在となる。
括弧のものを除く、物理世界への自由な干渉*が可能。
(時間の流れに逆らうこと、動物のプライバシーを過度に侵害することを除く)
*物理世界への自由な干渉:
例としてはこのような物である。
・化身を作る
・世界のルールを改変する(水素原子を消滅させる、など)
また、神になる前の本人の考え方・意志は引き継がれる。
―――――――――――――
うーむ?
内容がちょっと難しいぞ。内容の意味を咀嚼しつつ考えてみよう。
―――――――――――――
「神」は神という概念そのものである。
肉体を持たないため、概念そのものは物理世界への干渉ができない。
だが、肉体を持たないために不老不死な存在となる。
―――――――――――――
要するに、僕は今「神」になっている。
「神」には体がなく、そのために五感などもない。
また、体がないので死や老化がない。よって不老不死となる。
―――――――――――――
括弧のものを除く、物理世界への自由な干渉*が可能。
(時間の流れに逆らうこと、動物のプライバシーを過度に侵害することを除く)
*物理世界への自由な干渉:
例としてはこのような物である。
・化身を作る
・世界のルールを改変する(水素原子を消滅させる、など)
―――――――――――――
僕は、時間の流れに逆らわず、動物のプライバシーに触れすぎなければ、ゲーム世界でなにをしても問題ない。
どんな内容の化身を作ろうと、世界をいじってもかまわない。
―――――――――――――
また、神になる前の本人の考え方・意志は引き継がれる。
―――――――――――――
神といっても、本当に完璧なようではなかった。
人間が神になっても、人間らしさは残ってしまうようだ。
ということのようだ。
とりあえず、五感が欲しいので何か化身を作ろう。
僕がそう考えていると、ふと過去のステータスウィンドウが出てきた。
これを化身の元としよう。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv6 ジョブ:錬金Lv410 年齢:0 所持金:200,394C
種族:エンシェントスライム
ステータス:
HP:3,853/3,312 (+541)
MP:985/895 (+90)
攻撃:2,201
防御:1,953
俊敏:2,141
器用:18,196
魔法:酸弾(MP1)・炎化(MP0)・雷化(MP0)・擬態(MP0)・回復(MP1)・鈍呪(MP0)
スキル:水魔法Lv100・風魔法Lv100・火魔法Lv100・雷魔法Lv100・土魔法Lv100・光属性Lv100・闇属性Lv100・無属性Lv100
エンシェントスライム:ランクSS+
ドロップアイテム……「エンシェントスライムジェル」「魔石・透明」
2,000年以上生きてきたスライム。全属性の魔法が得意である。
ここまで来ると、もはや倒すことはほぼ不可能だ。しかも強い。
体色は青色。ブルースライムと見間違わないように。
―――――――――――――
なんとなく、ステータスが改変できそうな気がする。
それも、全ての項目が。
というわけで、色々と改変してみた。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv1 ジョブ:なし 年齢:0 所持金:1C
種族:すらいむ
ステータス:
HP:∞/∞
MP:∞/∞
攻撃:1,000
防御:∞
俊敏:1,000
器用:∞
魔法:
擬人化(MP0):人になる。
スキル:なし
すらいむ:ランク?
ドロップアイテム……なし
スカイによって都合のいいように作られた種族。
外見はブルースライム、中身は……?
説明はまだ考えていない。
―――――――――――――
こんなもんかな?
問題が生じたらそれはそれで変更すればいい話だし、まあいいか。
ちなみにステータスに大した意味はない。
これを月へ送り込む。
ちなみに、僕の五感は失われているから、本来月の場所が分かるはずもない。
だが、なぜか感覚的に月の位置が分かり、この化身を送り込むことができた。
ここからは、自分をその化身に憑依させる。
そして、ここからはその化身で見た五感についてを語っていく。
周りを見渡すと、世界が妙に綺麗だった。
例えば、空とか。神化の前、空は青かった。
だが、今はところどころが紫色に見える。
紫色というか、紫色を進んだあたりのところの色。
……一言で言うと、紫外線のあたりの色。
また、大地全体やヘレスが赤外線のような色を放っている。
これは、体温と同じ波長の光が出ているとかみたいな感じかな?
プレイヤーの星を見てみると、こっちも赤外線な波長が出ている。
プレイヤーがいっぱいいるからだろう。
赤外線や紫外線の波長が見えないようにすることもできたが、きれいなのでこのままにしておく。
お次は、太陽を至近距離で見てみよう。
この世界には太陽がある。太陽があるから、昼と夜の区別があるのだ。
僕を太陽へ送り込み、赤外線や紫外線の波長で見てみよう。
なんとも言えないくらいに神秘的に輝いていた。
美しい。
語彙力が足りないのが情けないくらいに。
そういえば、とりあえず神になって化身を作ったはいいが。
何をするかの目標を立てていなかった。
神になった。じゃあ何をしようか?
考えた結論。
……心ゆくまで遊ぼう。
せっかくのゲームの世界だからなあ。
ゲームの世界?
ゲームの世界……?
妙な感じは置いておいて、ゲームを楽しもうか。
とりあえず、ルマーズの町へ行ってみようか。
人間観察である。
着いた。
僕自身(化身)は、当たり判定をなくし、透明にしておこう。
そして、歩いてくる人を観察する。
ちなみに、ビジョンでは僕に近づいた人が消えていき、僕から離れると元に戻っていった。
だが、今の僕からは消えることなく、普通に見えている。
これは再現もできるが、意味がなさそうなのでしないでおくか。
男女の割合は、男性が6割、女性が4割くらい。
年齢の割合は、0代~10代が3割、20代が3割、30~40代が3割、50代以降が1割。
ゲーム内職業は、剣士と弓士が若干多い。錬金師がそれに続いて多い。レアなものでは忍者もあった。
飽きた。
他に何かやることはあるかな?
そうだ。
前、大気圏を超えようとした際に見えたところ。
天空にある城だ。そこに行ってみようか?
自分の化身をそこに運ぶ。
そこには、美しく妖艶な天使がいた。
「こんにちは」
「こんにちは」
天使は応答する。
僕も受け答えする。
「この中に入っていいですかね?」
「ダメです」
「どうしてもダメですか?」
「ダメです」
という訳でお断りされてしまった。
残念。
無理やり入ると、「プライバシーを侵害した」ということにされそう。
神(種族)は、自然現象を自由に操ることができる。
しかし、こういうところではとことん弱いようだ。
じゃあ、どうしようか?
宇宙に行ってみよう。
僕の化身を、このプレイヤーの星の上に送り込む。
気圧? 神の権限で無力化しているので問題ない。
宇宙は綺麗であった。
プレイヤーの星からでは、なぜか星々はほとんど見えなかった。
だが、ここから見ると沢山の星々が見える。銀河かな?
星を限りなくクローズアップして見てみる。
星の地面にある粒子までがとことん綺麗に見える。
温度に対応した色(めちゃくちゃ赤い)も、鮮やかについている。
こんなところまでしっかり作られているなんて、すごいゲームの世界だなあ。
ゲームの世界……?
じゃあ、もっと宇宙の奥へ行ってみるか。進む。
自分の化身を進ませる。
といっても、光速で動くとかではなく、単にワープだけど。
ワープで動く。
色々と天体が見える。
鮮やかにきらめく恒星。個性豊かな惑星。
光が見えないブラックホールもある。
あまり星については分からないから適当に言っておく。
ブラックホールの近くに化身を置いてみよう。
ブラックホールには近づくほど吸い込まれていく。
あー吸い込まれる。分子レベルで分解とかされるのかな?
といっても、神の権限で分解はさせないでいるから大丈夫だけど。
あと、ブラックホールには色がないっぽい。
光は吸い込まれちゃうから色が作れないし、結論として色は無いようだ。
ゲームにしては妙にできているなあって。
ゲーム?
妙にできているなあって?
なんで、この単語に妙に引っかかるんだろう?
なんで「ゲーム」に引っかかるんだろう……。
さて、宇宙で他に見れるものはないかな?
ないかなー?
……別の宇宙が見える。
そこは、ここの宇宙とは別の空間だった。
ここの宇宙の裏、とでもいえる場所にそれが見える。
さらに別の宇宙も見える。
この宇宙に、いくつかの宇宙が重なっているようだ。
それは無数に見える。
あー。
この中に 一つくらい 地球があったりして?
……ふと、僕は一つの宇宙に目が留まった。
その宇宙は、他の宇宙と何一つ変わらないように見える。
他の宇宙と変わらないように、銀河系がある。
恒星がある。惑星がある。彗星がある。ブラックホールがある。名称の分からないものもある。
僕は、化身の視力を改造し、それらを1つ1つ分類していく。
その中に地球があった。
あった。
青い海。
ところどころにある雲。
茶色の地面。
現実世界に限りなく近似した、世界の地形。
本物としか言いようがないほどに綺麗に作られている。
せっかくだし、日本の位置を覗いてみよう。
大規模な森。
さまざまな色の構造物。
ゴルフ場。
富士山。
人もたくさんいる。
会話をしている人、走っている人、落ち込んで歩く人……挙げるとキリがない。
これは、地球のように見える。
他の宇宙で、こんな感じに文明が生まれている星は見つからなかったのだ。
ということで、これは地球の可能性が高い。
だが、なぜ地球が?
いくらゲームの世界といっても、ここまで再現することは不可能だと思う。
どうやって実現しているんだろう?
ゲーム……?
ゲームでここまで精密にできるかな?
今時のゲームでも、情報量をここまで上げられるかな?
というか、ゲームだと考えるのは無理じゃないかな?
この世界、現実なんじゃないかな?
僕の考え。
最初の、VRMMO「Whatever Life」の世界。
あそこはしっかりとしたゲームの世界だったように思う。
しかし、そこから宇宙へ行った辺りからおかしくなっていった。
そこから別の宇宙へ進んだところからは、完全に現実世界になっていた。
つまり、途中でゲームの世界と現実世界が混じってしまったんだと思う。
さて、どうしようか?
僕は今、残念ながら社会的に暮らすということはしたくない。
それは、その必要がないからだ。
人間が社会をつくり、そこで生きるのは、人間は群れでないと生きていけないからだ。
人間は完璧ではないため、助け合わないと生きていけないのである。
一方、僕は神(種族)となった。
この種族は、不老不死・自然現象に干渉し放題 という、なんでもできる種族である。
食事などの一切の生理的要求がなく、かつ永久の生を得られるのだ。
だから、やりたいことが本当になんでもできるというわけだ。
誰とも助け合わなくてもいい、ただ単に完璧な存在。それが僕である。
人々は、これを「孤独な人(人?)」って呼ぶだろう。
でも、それでもいいと思う。
だって、いろいろと改善方法があると思うし。
・神の力でファンタジー世界などを作り、自分の化身を送り込む。
また、自分の記憶を一時的に失わせ、化身と一体化させる。
ファンタジー世界とかで、その世界の人間や動物たちと楽しく遊べばいいだろう。
・超高度な脳を持った人などを作り、その人に憑依して、どう生きるか考え直す。
これはすごく簡単で、すごく効果のある方法だと思う。
というような感じ。
僕は、この地球の人間世界に関わらず生きていこうかなと思う。
あっ。
僕の現実世界の体、回収しておきたい。
なぜなら、それは自分の体だから。
……? 僕の体はゲーム世界の、今のものかな?
どっちかな?
考えても仕方がないので、とりあえず僕を探す。
僕は、自分の家でたしかゲームに接続していたはず。自分の家にワープ。
◇◇◇◇◇ 第三者目線 ◇◇◇◇◇
スカイは、現実世界の彼自身を見た。
イスに座り、VR装置を被ってゲームをしている。
彼は、現実世界の彼自身の体を回収する。
彼には、ゲーム世界と現実世界の両方に体が存在すると違和感があったのだ。
そのような理由から、彼は彼の体を吸収した。
神の化身のスライムとして近寄り、吸収した。
<あなたの体は一体化しました>
この瞬間が、この現実世界から彼がいなくなった瞬間だった。
だが、彼はそれを好んで受け入れた。
なぜなら、彼がすごい理由を持っていたわけではない。
なんとなく、その方が良いと思ったからだった。
また、彼は自らが居なかった証拠を作りだした。
戸籍上から、神の権限で彼を抹消。
その他の場所でも、彼を抹消。
人々の記憶からも完全に忘れさせた。
それは、彼が失踪したと気づかれたくなかったからだ。
彼が失踪すると、誰かが精神的にショックを負うということを彼は知っていた。
ということで、彼は自らを抹消、なかったことにしたのであった。
そうして、彼は彼がいなくなるためのミッションを達成した。
そして、最初のゲーム世界の知らない町に行き、建物へ寄りかかって寝てしまった。
彼は神であるが故に睡眠は必要ないのだが、彼は疲れてしまったらしい。
彼はあどけない寝顔を、何も知らないNPCたち(プレイヤーは到着していない)に見せることとなった。
そうして、彼はまた起きた。
新しい宇宙を作り、彼は彼のワールドを作りだした。
彼の家のために、惑星を一つ作られた。
惑星は一つだけだが、いずれまた増えていくことだろう。
それから、彼は幸せに家で過ごしたり、ときどき外へ出て過ごしたりするようになった。
しかし、彼のその生活は終わらない。なぜなら、彼は不老不死だから。
不老不死ということで、気が狂ってしまうのではないかと思うが、そんなことはなかった。
彼はその分野に関しては一層気を配ったからだ。
たとえば、ときどき精霊化してストレスを発散する、など。
彼はこのようにして、自らの夢の世界を広げていった。
自らの宇宙に籠りつつ、たまに外やゲームの世界に出るという生活を繰り返していった。
ここでは、彼は自らの感情に気を配り続けたため、問題が起こることは無かった。
彼は幸せになった。
そして、いくばくもの時間が経った。
彼は考える。
「そういえば、僕はいつ神になったんだっけ」
彼はそれに答えられない。彼はこの質問の答えを忘れてしまった。
そうして彼は考える。
考える。
考える。
……
彼は思い出し始める。
「えーっと、ゲームでスライムになっちゃったのがきっかけだったなあ」
彼は思い出していく。
「スライムジェルがいっぱい取れたのが楽しかったなあ」
彼は思い出していってく。
「リヴァイアさんって竜がいたなあ」
彼は思いだしそう。
「擬人化ポーションとか、精霊化ポーションとか、竜化ポーションとか作ったなあ」
彼は……
「あともう一つは」
……思い出した。
「神化ポーション!」
彼はそうして、思い出に浸っていった。
彼の過去を懐かしむかのように……。
これで完結です。
「VRMMOでスライム転生」をここまでお読みいただきありがとうございました。
ここからの内容はプロット集のようなものです。
興味があればそちらも読んでいってください。




