第12話 進化しようか
ログイン。
朝起きると、そこは宿だった。
そして、自分のスライムの体は……
気がついたら人間になっていた! おどろき!
……茶番みたいな何かは置いておいて。
昨日は、リヴァイアさんといっしょに擬人化して町に行ったんだっけ。
温泉の奥の……なんていう町?
名称不明の町。というか興味なかったので覚えていない。
そして、今は明け方だ。もう朝だ。
周りを見渡す。リヴァイアさんは起きているかな?
『やあおはよう』
すでに起きていたようだ。
「おはよう」
『今日は何しようかね』
僕は進化でもやろうかな。
身体のレベルが危険な具合に上がっていたし。(Lv242)
「僕はここに籠って進化でもやってるよ」
『じゃあ僕はあのギルドで錬金しているね』
ということでリヴァイアさんは去っていった。
さて、僕も進化するかあ。
余談だが、僕たちは夕食と朝食をとっていない。
プレイヤーは食事を取らなくても生きられるからだ。
リヴァイアさんは……不明。
まあそれは置いておいて。
あと進化の前に。
––擬人化☆ 擬人化する 残り3時間––
擬人化ポーションの効果がまだ切れていない。
擬人化していると種族が人間になってしまう。
人間体型では進化はできない。
よって、擬人化を解く必要がある。
さようなら人間体型。こんにちはレッドスライム!
僕は擬人化の効果を自ら切った。
結果。
種族がレッドスライム(イエロースライムに進化可能)になった。
これで進化てきる……
まずは今のステータスを見てみよう。
進化の前と後での比較は重要だ。
進化前はこんな感じ。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv262 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:レッドスライム(イエロースライムに進化可能)
ステータス:
HP:403/403
MP:81/90
攻撃:319
防御:310
俊敏:315
器用:2,189
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
スキル:水魔法Lv1・風魔法Lv1・火魔法Lv1
(インベントリ等一部略)
レッドスライム:モンスターランクD
ドロップアイテム……「レッドスライムジェル」「魔石・赤」
草原(やや強い)にいるモンスター。赤色。
火魔法を覚え、少し強くなったスライム。体に火をまとわせられる。
火にはちょっと強くなったが、代わりに水にちょっと弱くなった。
相変わらず核への攻撃には弱い。
戦闘などで経験値が入り、Lv30でイエロースライムに進化できる。
―――――――――――――
こんな感じだ。
ではイエロースライムに進化してみようか。
<レッドスライムからイエロースライムに進化しますか?>
はい。
<進化中……進化が完了しました>
体が黄色くなった。
ステータスも見てみよう。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv262→Lv232 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:イエロースライム(ブラックスライムに進化可能)
ステータス:
HP:403/403→423/423
MP:81/90→86/95
攻撃:319→334
防御:310→328
俊敏:315→331
器用:2,189→2,242
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
雷化(MP0):体に雷をまとう。その状態で相手に当たればダメージを与えられる。
スキル:水魔法Lv1・風魔法Lv1・火魔法Lv1・雷魔法Lv0→Lv1
(一部略)
イエロースライム:ランクD+
ドロップアイテム……「イエロースライムジェル」「魔石・黄色」
石造りのフィールド等にいるモンスター。黄色。
雷魔法を操る。雷は一瞬で飛んでくるので危険だ。すぐに倒してしまおう。
また、彼らとの水中戦はご法度だ。たちまち感電させられてしまうぞ。
戦闘などで経験値が入り、Lv40でブラックスライムに進化できる。
―――――――――――――
ほうほう。
雷魔法を覚えたってところだな。
引き続き進化ができそうなのでやってみるか。
お次はブラックスライムだ。
どんなスライムだろうか?
<イエロースライムからブラックスライムに進化しますか?>
イエス!
<進化中……進化が完了しました>
体が漆黒に染まっていく……
というのは嘘で、体はかわいらしい黒色になった。
禍々しい漆黒ではなく、普通の黒色だ。
ステータスを見てみる。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv232→Lv192 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:ブラックスライム(進化可能)
ステータス:
HP:423/423→463/463
MP:86/95→95/114
攻撃:334→367
防御:328→360
俊敏:331→364
器用:2,242→2,466
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
雷化(MP0):体に雷をまとう。その状態で相手に当たればダメージを与えられる。
擬態(MP0):周りの背景に同化する。(変身ではない)
スキル:水魔法Lv1・風魔法Lv1・火魔法Lv1・雷魔法Lv1・土魔法Lv0→Lv1
(一部略)
ブラックスライム:ランクC
ドロップアイテム……「ブラックスライムジェル」「魔石・黒」
エノーラ山の中ボス。
土魔法も覚え、全5種類の魔法を操る。
とくに、新しく土魔法で覚えた技・擬態には注意だ。
背景と同化して、見つけるのがむずかしくなる。
戦闘などで経験値が入り、Lv30で進化できる。
進化の選択肢は下記のいずれかである。(選択可能)
| スライムの上級種(全7種)
・アイススライム :ランクB
・ウィンドスライム:ランクB
・ファイアスライム:ランクB+
・サンダースライム:ランクB
・アーススライム :ランクB
・ヒールスライム :ランクC+
・ダークスライム :ランクB+
いずれかのスライムへ進化した場合でも、さらに別のスライムへ進化できる。
例えば、アイススライムに進化した場合。
その後、さらにウィンドスライムへ進化することが可能。
そうして、全7種の上記におけるスライムへの進化を終えると、さらなる上級種への進化ができる。
Lv100で オールインスライム:ランクA+ への進化が可能になる。
―――――――――――――
むむむ?
進化についての説明がややこしくなったぞ。
もう一度見てみるか。
―――ステータスウィンドウ―――
(最後あたりまで略)
戦闘などで経験値が入り、Lv30で進化できる。
進化の選択肢は下記のいずれかである。(選択可能)
| スライムの上級種(全7種)
・アイススライム :ランクB
・ウィンドスライム:ランクB
・ファイアスライム:ランクB+
・サンダースライム:ランクB
・アーススライム :ランクB
・ヒールスライム :ランクC+
・ダークスライム :ランクB+
いずれかのスライムへ進化した場合でも、さらに別のスライムへ進化できる。
例えば、アイススライムに進化した場合。
その後、さらにウィンドスライムへ進化することが可能。
そうして、全7種の上記におけるスライムへの進化を終えると、さらなる上級種への進化ができる。
Lv100で オールインスライム:ランクA+ への進化が可能になる。
―――――――――――――
えーと?
これを要約すると。
まず、ブラックスライムから全7種のスライム上級種のどれかに進化する。
その進化した種から、さらに別のスライム上級種へ進化できる。
そのようにして、全7種のスライム上級種に1度でもなった場合。
Lv100を消費して、「オールインスライム」になれる。
という訳のようだ。
まあ、今のところは進化できる限り進化していきたいところだ。
なるべく進化したほうが、良質なスライムジェルが取れる。
スライムジェルが良質なほど、ポーション作りにおいても良いものが作れるだろう。
というわけで、進化しまくってみた。
スライム上級種、全7種すべてへの進化を終えた。
今の種族はダークスライムである。
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv192→Lv42 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:ダークスライム
ステータス:
HP:463/463→645/645
MP:95/114→141/160
攻撃:367→515
防御:360→504
俊敏:364→510
器用:2,466→3,451
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
雷化(MP0):体に雷をまとう。その状態で相手に当たればダメージを与えられる。
擬態(MP0):周りの背景に同化する。(変身ではない)
回復(MP1):HPを10回復。重ねがけ可能。誰にでもかけられる。
鈍呪(MP0):この魔法に当たると、相手の俊敏値を一時的に半分にする。
スキル:水魔法Lv1→Lv11・風魔法Lv1→Lv11・火魔法Lv1→Lv11・
雷魔法Lv1→Lv11・土魔法Lv1→Lv11・光属性Lv0→Lv1・闇属性Lv0→Lv1
(一部略)
ダークスライム:ランクB+
ドロップアイテム……「ダークスライムジェル」「魔石・闇」
高レベルフィールドなどにいるモンスター。
高度な黒魔法を操る。彼らの魔法には当たらないように。
戦闘などで経験値が入り、Lv20でスライムの上級種に進化できる。
また、全7種の上級種スライムへの進化を終えているため、Lv100でオールインスライムへ進化できる。
―――――――――――――
ついにオールインスライムへの進化……
と言いたいところなのだが、あいにくレベルが足りない。
現在のレベルは42である。
一方、オールインスライムへの進化にはレベルが100必要。
ブラックスライムの頃は、レベルが192あった。
しかし、今は42しかない。
それは、上級種スライムへの進化に結構レベルを食われてしまったためだ。
ブラックスライムから上級種スライムへの進化には、レベルが30必要だった。
これでレベルが162になった。
また、上級種スライムから別の上級種スライムへの進化には、レベルが20必要だった。
これを6回繰り返し、レベルが42になった。
次の進化にはレベルが58足りない。
まあ、それは仕方ない。
ポーションを作って飲みまくれば、それぐらいのレベルは上がるだろう。
しかし、今はレベル上げの気分ではないのだ。
あとまわし。
それはなぜか?
何となく行きたいところができた。
それは、競売。
この世界には、競売がある。
どこの町にも競売ができる店がある。
競売のルールは簡単。
競売の店では、「物を卸す」こと、「物に値をつける」ことが可能だ。
まず、売り手が物を卸す。
物は、インベントリに入るものなら何でも可能。
その辺の草でもいいし、超貴重なポーション×99でもかまわない。
買い手が付けられる最低金額と上限金額もここで定められる。
卸された商品は、すべての競売の店から見えるようになる。
この商品に、買い手が値をつけることができる。
買い手は前の人の値段より高い値段のみを付けられる。
物の値段が1C~999Cの場合、1C単位で値段をつけられる。
しかし、1,000C~9999Cでは10C単位、10,000C~99,999Cでは1,000C単位でしか値段をつけられない。
これ以上の値段もしかりだ。
例えば、10,000Cの商品に10,001Cの値はつけられないということだ。
10,000Cの商品には100C単位でしか値段をつけられないのだ。
物の値段がその上限金になるか、物が卸されて3日間経過したら終了。
その値段を付けていた買い手はその分のお金を払い、代わりに品物が届くというシステムだ。
といっても、売り手が値段の分をすべてもらえるわけではない。
値段の2%は競売の手数料として取られる。
ちなみに、商品に一度も買い手がつかなかったらそれは売り手に返される。
手数料は取られない。
おっと、話が逸れてしまった。
さっきの競売についてだ。
何か、重要そうな物が売っている気がする。
なぜだろうか?
自分の勘がそう告げている。
というわけで、町の競売を探してみた。
どこだろう……
町はちょっと入り組んでいてわかりにくい。
発見。
競売の看板が見える。
さあ、中に入ろう。
僕はドアを開けるために押す……
入れない。なぜだ?
って、これ。引くドアだった。
僕は気を取り直して中に入った。
「いらっしゃい」
気の優しそうなおばちゃんが、カウンターからこちらを見ている。
とりあえず挨拶だ。
「こんにちは」
僕はカウンターに近寄る。
重要そうな物は売っているかな?
「売っているものを確認したいんですが」
「今日はこんな感じだねえ」
と同時に、僕の脳裏にウィンドウが。
―――競売ウィンドウ―――
現在の所持金:394C
・[物を売る]
・売物を探す:
[現在の人気商品をチェック]
[ 商品名 から探す:(名前を入力してください)]
[売り手名から探す:(名前を入力してください)]
―――――――――――――
[ ]で包まれているところはボタンだ。押せる。
現在の人気商品をチェックしてみよう。
―――競売ウィンドウ―――
現在の所持金:394C
・ミスリルの剣+12 | 現在1,240,000C | 売り手:Shushi
[詳細を見る]
・レッドスライムジェル×99 | 現在32,000C | 売り手:らららん☆
[詳細を見る]
・騎士オルスの斧 | 現在62,400C | 売り手:(名前非公開)
[詳細を見る]
・赤狐の腕輪 | 現在174,500C | 売り手:(名前非公開)
[詳細を見る]
……
―――――――――――――
おお、いろいろと売られている。
結構な高額でだ。
しかし、僕が欲しいものではなさそうだ。
もっと下を見てみる。
―――競売ウィンドウ―――
現在の所持金:394C
……
・赤狐の腕輪 | 現在174,500C | 売り手:(名前非公開)
[詳細を見る]
・精霊のオーブ | 現在323,000C | 売り手:ざびえる
[詳細を見る]
・雷属性ポーション[2時間]Lv6(+5) | 現在89,800C | 売り手:Fallen Angle
[詳細を見る]
・小悪魔の鎌+3 | 現在242,000C | 売り手:我、漆黒のわんちゃん
[詳細を見る]
……
―――――――――――――
ん?
精霊のオーブ?
なにか重要なアイテムだった気がするけど……
なんだっけ?
あっ。思い出した。
・スライムジェル+エリクサー+精霊のオーブ→精霊化ポーション
精霊化ポーションを作るのに必要な素材だった。
◇主人公のステータス(現在)
―――ステータスウィンドウ―――
スカイ:Lv192→Lv42 ジョブ:錬金Lv342 年齢:0 所持金:394C
種族:レッドスライム→ダークスライム
ステータス:
HP:463/463→645/645
MP:95/114→141/160
攻撃:367→515
防御:360→504
俊敏:364→510
器用:2,466→3,451
魔法:
酸弾(MP1):酸性のスライムジェルを飛ばす。種族固有スキル。
炎化(MP0):体に炎をまとう。相手が触れるとダメージを与えられる。
雷化(MP0):体に雷をまとう。その状態で相手に当たればダメージを与えられる。
擬態(MP0):周りの背景に同化する。(変身ではない)
回復(MP1):HPを10回復。重ねがけ可能。誰にでもかけられる。
鈍呪(MP0):この魔法に当たると、相手の俊敏値を一時的に半分にする。
スキル:水魔法Lv1→Lv11・風魔法Lv1→Lv11・火魔法Lv1→Lv11・
雷魔法Lv1→Lv11・土魔法Lv1→Lv11・光属性Lv0→Lv1・闇属性Lv0→Lv1
ジョブスキル:成功上昇(3P)・補正上昇(2P)・錬金瞑想(10P)・錬金予想(10P)・錬金判明(20P)・常時錬金(40P)
インベントリ(77/250)
・初心者用錬金台 耐久∞
・地図
・鉄の延べ棒×39
・キノコ×99
・キノコ×39
・光るキノコ×69
・火属性ポーション[1分]Lv3×3
・攻撃上昇ポーション[1分]Lv3
・跳躍ポーション[1分]Lv3
・最大HP上昇ポーション[1分]Lv3×2
・最大MP上昇ポーション[1分]Lv3(補正略)×4 3枠
・湖の水×98
・塩×98
・魚の骨×99
・魚の骨×83
・魚の白身×44
・亀の甲羅×23
・ミスリルのインゴット×87
・(ドラゴンの血×99)×49
・ドラゴンの血×96
・レッドスライムジェル×15
・ダークスライムジェル×99
ダークスライム:ランクB+
ドロップアイテム……「ダークスライムジェル」「魔石・闇」
高レベルフィールドなどにいるモンスター。
高度な黒魔法を操る。彼らの魔法には当たらないように。
戦闘などで経験値が入り、Lv20でスライムの上級種に進化できる。
また、全7種の上級種スライムへの進化を終えているため、Lv100でオールインスライムへ進化できる。
―――――――――――――